感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

熱中症について -その2

2015-07-31 | 内科
前回に続きまして熱中症についてです。今回は罹患リスクと、検査、診断について。因子があるから熱中症の診断に活用するということではなく、因子のある人はこの時期より注意すべきでしょうね。CRPやPCTに関する文献もいくつかありました。とくに熱射病ではこれらは上昇するということ、その値の大きさで感染症と区別できるかもしれないこと。熱射病と中枢神経感染症はもっとも重要な鑑別点で、誤診により死亡率は上がるので . . . 本文を読む

熱中症について -その1

2015-07-30 | 内科
当科では発熱性疾患の相談や初診を受けることも多く、この時期ですと熱中症は鑑別から外せません。高齢の男性で日中に農作業をされており、当日朝から悪寒発熱、嘔吐、起立困難となり救急搬送され入院されました。定期内服薬は、アスピリン、Ca拮抗薬、PPI、抗血小板薬、ビカルタミドなどでした。 特に身体所見や胸部XP、尿検査で感染症を思わせる所見はありませんが、CRPは5台、WBC数は12000程度でした。状 . . . 本文を読む

巨細胞性動脈炎の治療について まとめ - その7

2015-07-08 | 免疫
前回の続きで、巨細胞性動脈炎(GCA)の再燃、再発時の治療法についてです。ステロイド(GC)の再投与をどうするか、ステロイド漸減困難な依存性患者ではどうするか、生物学的製剤の効果は? などでしょうか。     再燃、再発時の治療   ・GCA治療を中止したあと臨床的寛解中での再発をきたした患者は新たに患者ごとに治療する必要がある。 ・通常、再発の種類と以前 . . . 本文を読む

巨細胞性動脈炎の治療について まとめ - その6

2015-07-02 | 免疫
前回の続きで、巨細胞性動脈炎の治療およびその合併症の発生とリスクについてです。これらの特徴をよく理解することがよりよい治療法の開始につながります。   合併症   虚血性視覚障害   ・グルココルチコイド(GC)に対する応答に影響を与える主な要因は、治療の遅延である。 視力喪失の開始は視覚的な改善を経験した後の最初の24時間以内に治療された12名の患者の7 . . . 本文を読む