感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

特発性炎症性筋疾患の病理と診断について その2

2015-04-30 | 免疫
前回の続きで、皮膚筋炎などの特発性炎症性筋疾患の診断についてです。 前回書きましたように、この疾患群では、特徴的な病理所見、臨床症状、検査所見、画像所見などありますが、決め手になるような単項目はありません。昔より診断のための分類基準がいくつか提唱されてきています。時代の進歩にあわせ変遷してきており、詳細な病理所見や筋炎特異的抗体検査の結果を取り入れる試みもなされてきています。それぞれの基準にはそ . . . 本文を読む

特発性炎症性筋疾患の病理と診断について その1

2015-04-28 | 免疫
このブログではこれまで、多発性筋炎や皮膚筋炎を含めた特発性炎症性筋疾患について取り上げてきたこともありますが(→アミノアシルtRNA合成酵素抗体と抗シンセターゼ症候群について、ステロイド治療に難治性の特発性炎症性筋疾患 その1、その2)、多発性筋炎や皮膚筋炎の診断について臨床ではなかなか悩むことが多いものです。典型例であればわかりやすいのですが、皮膚所見が微妙だったり、筋生検へ敷居が高か . . . 本文を読む

抗CCP抗体とリウマチ以外の疾患

2015-04-21 | 免疫
リウマトイド因子RFにつきまとめました前回の続きです。 抗シトルリン化タンパク質/ペプチド抗体(ACPA)はRA診断においてさらに特異度を改善したとされていますが、はたしてこれが陽性であればRAとほぼ診断できるのでしょうか?  ACPA陽性と関節症状で当初RAと診断したものの、移動性の関節炎であったり、あまり炎症反応上昇せずにすぐによくなったり、乾燥症状やレイノーがはっきりして、他の膠原病だっ . . . 本文を読む

手の変形性関節症(OA)は骨びらんを起こすか

2015-04-08 | 免疫
当初、手指のPIP関節などの疼痛あり来られた方で、PIP腫脹や圧痛の目立ち、RFは陰性でも早期RAを否定しきれずエコーやMRIなど画像検査で滑膜炎所見あればなおさらRAとして治療に入ることが多い。しかしその後比較的速やかに炎症も症状も改善して初期治療がうまくいったと考え経過をみている例で、XPをとっていくとDIPやPIPに骨棘変化など明らかになってきて、またそれら以外の関節への病変の広がりもなく、 . . . 本文を読む