感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)の治療について まとめ - その1

2015-05-29 | 免疫
前回まではリウマチ性多発筋痛症の治療に関してまとめましたが、今回からは巨細胞性動脈炎の治療に関してです。以前は側頭動脈炎といわれていたもので、頭蓋内動脈以外の血管病変も知られるようになり、このように呼ばれるようになっています。 最近も高齢の方で、側頭動脈生検で巨細胞の存在と炎症細胞浸潤から、診断に至った例があり治療開始となりました。過去に高齢の方へのGCA例でステロイドが高容量かつ長期化していろ . . . 本文を読む

リウマチ性多発筋痛症の治療が難渋したらどうするか – その5

2015-05-25 | 免疫
前回の続きで、いよいよステロイド治療のみでは難渋するPMRの治療についてです。グルココルチコイド(GC)が順調に減らせて最初の再燃時では再度GC増量でよいと思うのですが、GCが順調に減らせないときや、何度もGC漸減後に再燃する場合が、悩ましいと思います。ここでMTXや生物学的製剤なども考慮されると思いますが、難治例で最も有望なのは抗インターロイキン6受容体薬治療(トシリズマブ)のようです。日本では . . . 本文を読む

リウマチ性多発筋痛症の治療が難渋したらどうするか – その4

2015-05-18 | 免疫
前回の続き。今回はPMRの再燃とリスク因子、ステロイド抵抗性についてです。とくにプレドニゾロン減量速度についてはなるべく早く減らしたいという気持ちはありますが、その加速は再燃リスクが増えるため、加減が難しい所ですね。   再燃とリスク因子について   ・単発性PMR患者ではプレドニゾンPSLへの迅速反応はコルチコステロイド(GC)療法の開始後最初の1週間以内に達成され、 . . . 本文を読む

リウマチ性多発筋痛症の治療が難渋したらどうするか – その3

2015-05-15 | 免疫
前回のつづきです。PMR治療でステロイド治療のみでは副作用が懸念され使いにくいとか、再発などで長期使用となりそう、などで他の薬剤を併用することを考えると思います。これまでの文献ではこのあたりはどういわれているのでしょうか。     他の治療薬   ・代替的なコルチコステロイド節約薬は深刻なコルチコステロイド関連副作用を経験する巨細胞性動脈炎(GCA)またはリ . . . 本文を読む

リウマチ性多発筋痛症の治療が難渋したらどうするか – その2

2015-05-13 | 免疫
前回のつづきです。     初期治療、ステロイド (プレドニゾロンとメチルプレドニゾロン)   ・単発のリウマチ性多発筋痛症(PMR)例にプレドニゾン(PSL)の初期投与量は15~20 mg /日で、一般的に巨細胞性動脈炎(GCA)(いわゆる側頭動脈炎)例よりも低い [ N Engl J Med. 2014 Jul 3 . . . 本文を読む

リウマチ性多発筋痛症の治療が難渋したらどうするか – その1

2015-05-11 | 免疫
これまでもこのブログでリウマチ性多発筋痛症(PMR)についてとりあげてきました。(→ ブログ; リウマチ性多発筋痛症 最近の文献から、リウマチ性多発筋痛症におけるメトトレキサート、英国のリウマチ性多発筋痛症治療のガイドライン2010、リウマチ性多発筋痛症 Lancet、EULAR/ACRのリウマチ性多発筋痛症分類基準2012、リウマチ性多発筋痛症と高齢発症関節リウマチの区別:5年間の前向 . . . 本文を読む

特発性炎症性筋疾患の病理と診断について その3

2015-05-07 | 免疫
前回の続きで、皮膚筋炎などの特発性炎症性筋疾患の診断についてです。各診断基準の感度特異度比較もなされています。より初期の判定基準、すなわち Bohan Peterや谷本基準(指定難病の基準でもある)は感度はいいものの特異度が相当低く、疾患拾い上げには良くても確定にはならないことがわかる。2004年の欧州神経筋センター(ENMC)基準が、臨床基準、CK上昇、MSAやMRI所見を含む他の検査 . . . 本文を読む