感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

チョコレート/ココアと人の健康

2013-12-27 | 内科
本日は仕事納めの日。当方はこじんまりした科ですが、様々な症例があり大変勉強になりました。 最後は若干医学から離れて?、チョコレートの話です。 といってもチョコ/ココアと人の健康の関係です。 この季節、何かとチョコを食べる機会も多いので、調べてみました。 一昔前はその脂肪含有量からその健康被害が懸念されたが、生物学的活性フェノール化合物の最近の発見から、抗酸化作用など様々な効果が注目されるようになっ . . . 本文を読む

EDTA依存性偽性血小板減少

2013-12-25 | 内科
先日の日曜日は救急当番でした。慢性心不全、高血圧などで循環器科通院中の方が食欲不振が続いて脱水→腎不全となり入院対応をしました。外来での採血では血小板数は正常範囲だったのに、今回は3万台ということで検査部に確認すると検査にかけるたびに1万~10数万とばらつき、血小板凝集が疑われるので、クエン酸採血を追加することになりました。やっぱりEDTA(血算測定のため使われている抗凝固剤)による血小板凝集でし . . . 本文を読む

炎症性腸疾患におけるPET/CTイメージング

2013-12-20 | 免疫
以前のブログで多発性椎体骨内病変についてふれましたが、この症例でPET/CT検査を行いましたところ、やはり椎体内病変は転移巣を思わせるFDG集積パターンでなく、その他原発癌を思わせる集積部分はなかったのですが、全結腸にFDG集積がみられ、特に下行結腸から直腸で、SUV max 7.7とのことでした。脊椎関節炎と、ベースとしての炎症性腸疾患が疑われました。腸はもともと生理的な取り込みもあるところなの . . . 本文を読む

ピロリン酸カルシウム沈着症(CPPD)の治療

2013-12-19 | 免疫
前回につづいて、ピロリン酸カルシウム沈着症に関して。当科の症例の方はNSAIDs内服にて数日ですっかり軽快しました。 CPPDの関節炎はNSAIDsによる治療がもっぱらでありますが、長引いたり、再燃したりすることもよく見られます。 CPP結晶関連性関節炎はまだ公表されたRCTは4つのみと少なく、このガイドラインでは、各項目は痛風管理に関連する研究から外挿した研究証拠と専門家の意見を中心にサポートさ . . . 本文を読む

ピロリン酸カルシウム沈着症(CPPD)の診断

2013-12-16 | 免疫
先日リハビリ科より微熱、高CRP血症と頚部痛の症例で何らかの炎症性疾患の疑いあり当科へ相談されました。頸部CT検査の環椎横靭帯の石灰化像などからいわゆる“偽痛風”疑われました(以前のブログでも別の症例でこの疾患を紹介しています)。この方は以前から手関節の腫脹などを繰り返し“痛風の気がある”などの言われ方をしていたようです。どのようにアプローチするか。 今回の文献はやや古いですが2011年の欧州リウ . . . 本文を読む

むずむず脚症候群(レストレスレッグス)の治療

2013-12-12 | 内科
先日の外来で他の医師から引き継ぎました関節リウマチの患者さんで、眠剤の継続処方の希望がありその理由を尋ねましたところ、寝るときに脚が火照って仕方がないので眠れないとのことでした。この不快感の原因としていわゆる“むずむず脚症候群”も思いつきましたので、いろいろ文献を調べました。この疾患の治療にはここ数年次々に新規承認薬がでています。病名は、レストレスレッグス(下肢静止不能)症候群(RLS)といわれ、 . . . 本文を読む

SAPHO症候群と骨病変、とくに脊椎病変

2013-12-11 | 免疫
以前のこのブログでも書きましたSAPHO症候群について、最近、脊椎MRI検査で多発病巣あり、掌蹠膿疱症もあったため症例紹介がありました。当然、悪性腫瘍の骨転移などが有力な鑑別となりますので、どのように慎重に診断をすすめていくかですが。椎体“corner lesion”は画像検査ではかなり特徴的とのこと。MRI画像でもかなり見分けがつくが、さらに活動性炎症部位を強調するPET-CTが鑑別に有用かも。 . . . 本文を読む

ツツガムシ病の痂皮について

2013-12-04 | 感染症
前回に引き続いて、ツツガムシ病について。その特有の痂皮について調べた。インドでの研究で、体のどの部位に痂皮が多いか調べている、結局全身のどこに出てもおかしくないだろう。下着のなかも確認したほうがいいのかかもしれない。普通は無痛性でまた自身からは確認しにくい部位が多いので、患者さんが指し示すことはほとんどない。2つ目の文献は同様な痂皮を示す感染症の鑑別。あと日本では日本紅斑熱(Rickettsia . . . 本文を読む