縦隔リンパ節の結核感染の方で現在当科外来で治療中ですが、4剤治療開始後、肝障害を起こしました。休薬して肝酵素値正常化後、RFPで再開もすぐに副作用、肝障害あり、INHで今度は再開し増悪なく、PZAを追加したところまた肝障害がでました。皮膚掻痒も伴い発現も早いのでアレルギー機序のようです。ときに抗結核薬は副作用で悩みます。肝毒性について文献をまとめました。 ただ日本結核病学会からのガイドライン「抗結 . . . 本文を読む
総合内科からの相談例で、最近まで循環器科に入院(ASOにて大腿Aにステント留置)されていた方の、悪寒、発熱精査の入院例です。軽度尿中WBC増えているものの他の所見あまりなくForcus不明でした。前入院で尿カテ管理をしていたこと、エコー検査で前立腺が大きく、直腸診では前立腺に圧痛の訴えなかったものの血清PSA測定にて非常に高値(125)のため前立腺炎も疑いました。結局Gaシンチでの会陰部の集積が決 . . . 本文を読む
もともと小児への予防投与として実績をあげてきた沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー13®」(以下PCV13)ですが、成人に対しては2011年12月に米国FDAが50歳以上の成人の間でPCV13血清型に起因する肺炎や侵襲性疾患の予防のため承認され、また日本では、2014年6月に65歳以上の高齢者に対する肺炎球菌による感染症の予防の効能・効果の追加承認が取得されました。この . . . 本文を読む
当院皮膚科に足の“蜂窩織炎”診断にて入院中の方で、片側母趾にはじまった病変が対側にもでてきたため、痛風疑いにて当科に相談ありました。たしかに皮膚の発赤熱感も著明ですが、触診で母趾関節腫脹もあります。病歴からも近医で長年高尿酸血症で治療中ということでした。関節や軟部組織の評価と関節液穿刺が可能かどうか関節エコーをしてみました(化膿性関節炎も否定できないので)。著明な滑膜肥大は高エコー性で内部にムラが . . . 本文を読む
発熱と右側腹部痛をきたした中年女性の方で糖尿病の基礎疾患のある方が、腹部CT検査にて腸腰筋に10cmを超える巨大な膿瘍形成をみとめ当院消化器内科から当科へ紹介されました。さっそく入院翌日には整形外科にて開放ドレナージ手術を施行いていただき、当科で抗菌薬管理中です。腸腰筋膿瘍はまれな感染症ではありますが、当院でもたまに見られます。文献も多くないのですが、まとめてみました。 まとめ ・腸腰筋膿 . . . 本文を読む
先日、近医より紹介されました方は、レイノー症状、体のあちこちの痛みあり、膠原病疑い精査で受診されました。手指の皮膚の硬化はなくダーモスコープで爪郭異常もみられません。よく聞きますと主訴は右腕の痛みとお箸が最近持てなくなったとのことでした。痛みの領域は、肘から手首にかけての帯状で、指は母指、示指、中指あたりのようです。まず手根管症候群を疑いましたが、母指と示指できれいな円を作ることができなくなってお . . . 本文を読む