ファイザー社は今年ようやくメトロニダゾールの点滴静注製剤(アネメトロ®点滴静注液500mg)の製造販売承認を取得し、9月26日から発売開始となりました。
日本ではもともとは経口剤(フラジール®内服錠)のみで、これも長らく腟トリコモナス感染症のみを適応症としてきていましたが、2007 年以降は、ヘリコバクター・ピロリ感染症、細菌性腟症、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、アメーバ赤痢、ラン . . . 本文を読む
リウマチ性多発筋痛症(以下PMR)に関しましてはこれまでもこのブログで取り上げてきました。診断のためのEULAR分類基準2012(→ブログ)もありますが、なかなか鑑別診断が難しく、高齢発症RAと診断を迷うことも多いです。内科学会東海地方内科専門医会でも議論いたしました(リウマチ性多発筋痛症と鑑別診断 :日内学誌103巻5号 P.1196-)。
PMRの診断と治療に関しまして、2013年 . . . 本文を読む
外来をやっていると、たまに“こむらがえり”について質問されます。なんとなく返答していたのですが、文献的な知識はいかほどか、調べてみました。「こむら」あるいは「こぶら」は「腓」と書きもともと「ふくらはぎ」のことで江戸時代以降はふくらはぎのほうが普及して部分名称としては使われなくなりこむら返りという言葉だけが残ったそうです。英語ではMuscle crampsですが、&ldquo . . . 本文を読む
2010 ACR/EULARによるRA分類基準では、1つ以上の腫脹関節あり、他の疾患が否定され、RA診断のための基準を満たせばRAと診断分類される。しかし類似した疾患の完全な鑑別除外が難しいことがあるのと、診断のための基準を満たしていない中途半端な症例ではなににも分類されないという欠点もある。 末梢性炎症性関節炎でいずれにも診断確定に至っていないものとして、未分類末梢性炎症性関節炎(UPIA)の概 . . . 本文を読む
以前のブログ(VZVの髄液PCR検査)に続きまして、髄液中のVZV抗体検査についてです。件の症例は、血清、髄液ともにVZV-IgGが陽性との結果で、その数字の解釈をどうするかです。これに関してもなかなかまとまった文献がないので、諸文献からまとめました。キーワードは、診断感度、血清/ CSFアルブミン比率、特異的抗体の髄腔内生産の確認、HSV-1、2-の二重の髄腔内合成。
まとめ
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先日の当院CPCは、当科症例でした。あごのしびれ感を自覚して近医口腔外科などで抗生剤治療も改善なく不明熱として精査中にリンパ腫が判明、しかし本格的な化学療法を始める前に腫瘍崩壊症候群をきたして亡くなられました。(→過去ブログ: 自発的に発生する腫瘍崩壊症候群)
病理所見はび漫性大細胞性B細胞リンパ腫で、肝、脾、副腎、肺、心臓、と広範囲臓器にリンパ腫細胞浸潤をみとめ、骨髄も著明に浸潤して . . . 本文を読む
先日、中年男性で排便後便中にうごめく黒い虫がいるとの主訴で当科外来受診されました。その“虫”も持参されました。体長2cm程度の黒い芋虫様の虫で蠕動運動行っていました。よく観察すると10程度の体節構造で、ルーペでみると表面に細かい体毛が生えています。どうやら寄生虫学の教科書に載っているような条虫などの寄生虫ではなく、ハエやアブなどの節足動物の幼虫のようです。ハエなどの双翅目幼 . . . 本文を読む
本日でブログ開設後丸2年が経ちました。
おかげさまで、内外からコンサルトいただいたりして、調べるネタに困ることはあまりありませんでした
たとえば先週は
・帯状疱疹の中枢感染 ・顔面帯状疱疹後の後頭部神経痛 ・薬剤性の骨髄抑制 ・中国帰りのインフルエンザA ・便中のハエ幼虫の診断
といった感じです
臨床で同じような問題にまたぶつかることもあり、ブログ内検索もよく使うようになりました
以前 . . . 本文を読む