感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

RS3PE症候群とエコー所見

2014-05-28 | 免疫
前回の続き。 当科では指痛などの診療に外来エコーを利用していますが、RS3PEの診断を裏付けるエコー所見はどんなものか調べてみました。腱鞘炎がメインであるが関節滑膜炎所見もみられること、圧痕性浮腫はエコーでリンパ管拡張所見をみること、エコーよりはMRIのほうが鋭敏であること、などが大事。 まとめ ・RS3PEの決定および臨床所見との間に診断のギャップは、最終的な診断を確立するためにイメージン . . . 本文を読む

PS3PE症候群のまとめ

2014-05-26 | 免疫
先日、総合内科外来からの紹介で不明熱を精査中で、CRP上昇と手背と足背の圧痕性浮腫pitting edema を伴った関節痛の方が受診されました。MMP3は高値、RFやACPAは陰性で、まっさきに RS3PE (Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema:圧痕性浮腫を伴う寛解性血清反応陰性対称性滑膜炎) Syndr . . . 本文を読む

溶血性貧血とリウマチ性疾患

2014-05-21 | 免疫
前回の続き。 溶血性貧血患者の精査中ですが、抗核抗体や抗SSA抗体は陽性で、口の乾燥症状もあるとのことでした。さらに膠原病検査を進めていこうと思っていますが、溶血性貧血関連の膠原病としてどんなものがありどんな特徴があるかまとめました。SLE関連が有名ですが、シェーグレン関連も報告があるようです。SLEでのAHAでは抗リン脂質抗体の存在と関連しやすいとのこと。IgM型温式AIHA例の報告もありクーム . . . 本文を読む

溶血性貧血の診断手順

2014-05-19 | 内科
ガンマグロブリン高値および溶血性貧血疑い(ハプトグロビン低値)からなんらかの自己免疫性疾患がないか近医より精査依頼で紹介されました。貧血は軽度なもののLDH上昇あり、直接クームステストも陽性でした。血液疾患なども含め最初は広くスクリーニングする必要があるため、診断手順についてまとめてました。 まとめ 分類 ・自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は関係する自己抗体の特性に応じて温式wAIHA、 . . . 本文を読む

アセトアミノフェン まとめ

2014-05-07 | 免疫
前回の続きで、今回は鎮痛剤のアセトアミノフェンについて。カロナールやコカール、アンヒバなどの商品名でおなじみと思います。またPL顆粒などの総合感冒薬にもアセトアミノフェンは入っています。比較的安全な薬で、欧米でとくに高齢者の鎮痛治療では第一選択とされています。でも大量の服用は肝障害をまねくので注意です。日本でもトラムセットなど配合剤がでてきているので、結局自分は合計何グラムこの薬を飲んでいるのか分 . . . 本文を読む

高齢者における非ステロイド性抗炎症薬の使用について

2014-05-01 | 免疫
前回の続き。最近のガイドライン等では高齢者には、長期的な非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs(ロキソニンやボルタレン等)はなるべく使用しない、または必要最小限にするように勧告しています。さまざまな副作用が懸念されるためです。貧血進行のため胃カメラ検査をすると無痛性の潰瘍がみつかったということも経験します。使用開始前には胃腸および心血管イベントのリスク評価をする、アレルギーにも注意する、併用薬に目を . . . 本文を読む