件の血培陽性例は、三尖弁の疣贅が分かり、培養からCorynebacterium accolensが検出された(BML社へ外注)。 さっそくこの菌について調べたが臨床報告は極めて稀なようだ。当然CLSI基準もないが、MIC値からはVCM,TEIC,LZDは効くようだ。 以下は複数文献からまとめた自作レビュー。 黄色ブドウ球菌との衛星現象が特徴的な菌のようだ。
●一般事項
・コリネバクテリウム . . . 本文を読む
現在、他科入院中の方で、血液培養複数セットでCorynebacterium検出例の相談を受けている。CVカテーテルが入っており、この感染関与を考え抜去、また心臓超音波検査で疣贅も疑われる状況。 この菌は血液培養で生えても常在菌混入とされることが多く起炎菌として対処されにくい。成書などでもあまり触れられない菌なので種々文献を調べた。この文献はこの菌の代表種であるC.jeikeiumのIEに関するもの . . . 本文を読む
英国の医療ガイダンス作成期間である国立臨床評価研究所(NICE)が、好中球減少時敗血症についてガイドラインを発表している。この領域では米国IDSAの発熱性好中球減少症ガイドライン(最新で2011年)が出ている、それと比較して、この英国のガイドラインでユニークなところは、好中球減少+{発熱 または 敗血症を疑う徴候} を好中球減少性敗血症疑いとしていること、 (自宅待機の患者を想定して)24時間の相 . . . 本文を読む
今年最後のスライド発表。栄養管理委員会・NSTからの講義依頼です。
敗血症の病態と栄養、急性期重症の栄養管理、について勉強し、お話しました。
医師はほとんど参加なかったですが、薬剤師、栄養士のかた多数参加いただけました。
サイトカインやNOなど勉強していて難しいところもあり、栄養系の文献は読み慣れてなかったですが、この分野も日進月歩であることを実感しました。これまで臨床上慣習化されていた考えも否 . . . 本文を読む
前回の続き。重篤疾患は摂食不良から深刻な栄養障害、筋萎縮、筋力低下、回復の遅延へ繋がる。Underfeedingは感染症や人工呼吸管理期間延長、死亡率に関連付けられる。 栄養補給の診療ガイドラインは主に専門家の意見に基いており、欧州と米国でも異なる点がある。欧州(ESPEN)はICU2日以内に十分に経腸栄養ENを受けれない患者では経静脈栄養PNを開始を薦め、米国ではベースラインで栄養障害のない患者 . . . 本文を読む
急性期の重症患者における栄養法で、本当に経静脈栄養PNは悪なのか? 経腸栄養EN開始後に目標カロリーに達成できない場合はよくあるが、どうするか? EN投与後にPN補充をどうするか? EN7~10日目までの早期のPN補充は果たして“有害”なのか?
混沌とした状況の整理になると思われる文献。この筆者はENにPNをカバーすることの利点を述べている。 ただ最後の「補足的PNを開始するために最適な時期は . . . 本文を読む
前回の続き。今回はアルギニンなどのpharmaconutrient、ω-3魚油などの抗酸化剤について、PN補充EN 対 EN単独の優劣について、など大変興味のあるところだが、それぞれ結論はまだ難しいようだ。
薬理学的栄養剤の使用
・ガイドラインでわずか2つのグレードA勧告のうちの一つが、外科ICUのためアルギニン、グルタミン、ω-3脂肪酸、抗酸化剤などを補充した免疫調節経腸製剤が主要な待機 . . . 本文を読む
当院栄養サポートチーム:NSTから院内勉強会として“感染症と栄養”についてお題をいただいた。これだと漠然として広いので、おもに敗血症と栄養について考察すすめている。 急性期疾患の栄養ガイドラインとして米国の経静脈経腸栄養ガイドラインASPENが有名であるが、あと欧州とカナダのものもあり3大ガイドラインといわれているらしい。ASPENは2009年が最新であるが、まだまだ研究途上のものが多く、各項目の . . . 本文を読む
中年女性で、2週間以上続く右足関節痛と足背に紅斑(圧痛伴う)が出現し、近医より当科へご紹介いただきました。期間中特に感冒症状や熱はなかったとのこと。急性の単関節炎と紅斑であり、感染関連も考慮し各種検査をしました。 血清マイコプラズマ迅速検査が陽性で、一応この疾患を考えAZMで治療中です。 (ペア抗体変化など確認はこれから)
文献的考察を行いました。
教科書では、
多関節痛は、M.pneumon . . . 本文を読む