感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

HLA-B27陰性脊椎関節炎

2018-01-10 | 免疫

前回の続きで脊椎関節炎につきまして。過去の当科診断例をみていきますと、典型的なHLA-B27陽性例も見受けられますが、そうでない例も多々あります。特にHLA-B39はよくみられているようです。脊椎関節炎(SpA)とHLA検査との関係につきいくつか文献がありましたのでまとめています。特に日本人ではB27陽性率自体が低く、B39は診断の一助になるのかもしれません。

過去ブログ「HLA検査と免疫疾患」も参照ください。

 

 

・家族や双子の研究に基づいて、 強直性脊椎炎(AS)は強い遺伝的要素を有すると長い間をかけて確立されてきている。

・ヒト白血球抗原(HLA)-B27との強い関連は、1970年代初頭に発見された

・HLA-B27は、40年以上にわたって、主要なAS感受性遺伝子であることが知られている。

・人口研究からは、HLA-B27陽性者の2%がASを開発することが示されている 

・その関連がASを誘導するメカニズムは不明のまま

・ASの兄弟再発リスクは一般人口の0.1%に比べて9.2%である。

 

・HLA-B39は、乾癬性関節炎、HLA-B27陰性強直性脊椎炎および小児発症型のJRA患者において過剰発現されることが示されている。 [Arthritis Rheum 38: 1672-1677, 1995.]

・以前の研究で、HLA-B27陰性の日本の脊椎関節症患者におけるHLA-B39の発生率の上昇が示された。[Arthritis Rheum 38: 1672-1677, 1995.]

・HLA-Bwl6 (B38, B39)とHLA-B27陰性の強直性脊椎炎患者との関連は、もともと白人で報告された。 [Lancet. 1978 Jun 24;1(8078):1370-1.]

・反応性関節炎(ライター症候群)はB51に関連した血清陰性脊椎関節症か(日本) Intern Med. 2000 Feb;39(2):89.

 

・ハプロタイプA33-B58-Cw10、A33-B58-Cw10-DR13およびA33-B58-Cw10-DR17は、台湾のAS患者において竹様脊椎と強い関連性を示した。このようなハプロタイプの検出は、この疾患を有する患者の管理において大きな助けになるかもしれない [Dis Markers. 2009;26(2):93-6. ]

 

・HLA-B60とB61は台湾中国人の強直性脊椎炎と強く関連 Rheumatology (Oxford). 2004 Jul;43(7):839-42

 

 


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