感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

≥65歳の免疫正常成人のための2種類の肺炎球菌ワクチン:PCV13とPPSV23の投与間隔のためのACIP勧告

2015-10-30 | 感染症
昨年のブログ(→「≥65歳の成人への肺炎球菌結合型ワクチン 予防接種実施諮問委員会の勧告 2014」)でまとめました高齢者への肺炎球菌ワクチンの投与に関する米国予防接種実施諮問委員会の勧告(ACIP)ですが今年9月のCDCのMorbidity and Mortality Weekly Report (MMWR)で、2種類の肺炎球菌ワクチン:PCV13とPPSV23の投与間隔について . . . 本文を読む

リウマチ性疾患とビタミンD

2015-10-22 | 免疫
当科は関節リウマチや類縁疾患が多いため“疼痛外来”のような感じになります。体のあちこちが痛いとまずリウマチ性疾患を考え紹介されてまいります。その中には慢性的な骨痛ともいえるような状態からビタミンD欠乏症を見つけた例もあります。RAの患者さんでも慢性的に関節以外の骨痛ともいえるような痛みを訴える方もおられます。調べますとビタミンDは骨代謝だけでなく免疫系にも関係した多面的なホ . . . 本文を読む

感染症発症後の腎糸球体障害

2015-10-15 | 感染症
最近、感染症発症例での急性糸球体障害を連続で経験したので、感染症と腎糸球体についてその鑑別を上げるべく、文献を読みました。古典的には、A群連鎖球菌の感染によって引き起こされるとされているが、最近ではブドウ球菌やほかの病原菌でも糸球体障害を引き起こすことが分かっている。考えられる病態が様々なだけに、高齢者での腎障害では腎生検も考慮したほうがよさそう。     まとめ &n . . . 本文を読む

リンパ節炎病理検査でトキソプラズマ感染症は診断できるか

2015-10-08 | 感染症
耳鼻咽喉科から頚部リンパ節腫脹の例で、病理にてリンパ節生検にてトキソプラズマ症疑いと診断され当科に追加検査や治療につき相談ありました。50代女性で半年前から頚部リンパ節が腫れ、増大傾向にあったため今回生検となったようです。 所見は、正常なリンパ節構造は保持、著明な濾胞過形成、胚中心でTingible体マクロファージ、副皮質領域において散在性類上皮組織球、焦点性の単球細胞凝集で、多核巨細胞や悪性所 . . . 本文を読む

成人スティル病について まとめ – その3

2015-10-05 | 免疫
前回に続きまして、成人スティル病ですが、今回は治療と自然史について。治療はまずはステロイド、反応に悪ければMTX、さらに最近は生物学的製剤の使用が検討と、他のリウマチ性疾患と似たような流れですね。自然史は、診断時の疾患の臨床症状に応じて2つの AOSD表現型すなわち単回・多回性と慢性形態に群分けして考えると良いようです。   治療   ・成人スティル病(AOSD)の治療 . . . 本文を読む

成人スティル病について まとめ – その2

2015-10-01 | 免疫
前回に続きまして、成人スティル病に関しましてです。 臨床検査は非特異的で、高い免疫学的活性を反映して白血球および好中球増加、高フェリチン血症などを起こす。診断は臨床的であり診断基準を参考にし、感染性、腫瘍性、および他の自己免疫疾患の除外が必要。いくつかの診断基準が発表されていますが、山口らの基準が感度が良いようです。あと血清フェリチン値は参考になるが特異性に乏しい、グリコシル化フェリチンは有望だ . . . 本文を読む