感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

SAPHO症候群で見られる骨関節病変の治療

2014-12-24 | 免疫
ずっと以前からの掌蹠膿疱症があり胸鎖関節痛が継続して他院でのNSAIDs治療もだんだん効果がなくなってきたSAPHO症候群の方がリハビリ科から紹介され受診されました。 まずは鑑別や合併疾患の診断からですが、どうやらSAPHOのようです。 SAPHOは以前このブログでも取り上げました疾患ですが、改めて最近の治療に関する文献を調べまとめました。ビスフォスフォネート製剤が良いのか、抗TNF阻害剤などが良 . . . 本文を読む

全身性エリテマトーデスの診断について

2014-12-19 | 免疫
前回に引き続き、SLEの診断につきまして。関節リウマチもそうですが、膠原病や自己免疫疾患の診断では、疾患特異的な単独の診断法がないため、症状や検査データを組み合わせて“分類”して疾患を把握します。そのためその分類方法は完璧ではなく、別の疾患だったのにその疾患と判断したり、別のものと思っていたらその疾患だったというエラーが発生する可能性もあります。SLEの分類基準も時代ととも . . . 本文を読む

ループス模倣疾患Lupus mimickersについて

2014-12-10 | 免疫
全身性エリテマトーデスは不均質な疾患であり、その診断は必ずしも容易ではない。従来より診断基準のシステム作りがなされており過去40年以上にわたって疾患の病態生理学や臨床的性質の解明ごとに改変されてきている。残念ながら、疾患のための単一のバイオマーカーはまだありません。(SLEの診断基準については次回) 実地臨床でもこれら分類基準を用いて診断治療するわけですが、ある程度特徴的な頬部紅斑やdsDNA抗 . . . 本文を読む

フソバクテリウム感染症、とくに髄膜炎について

2014-12-01 | 感染症
他院で副鼻腔癌などで通院中されていたで、発熱、頭痛、呂律難をきたし搬送され、髄膜炎にて当科入院されています。MRIでは副鼻腔炎や中耳炎、乳突蜂巣炎もあり、血液培養から偏性嫌気性桿菌のFusobacterium nucleatumが131-163時間で検出されました。この方は鼻腔の上顎洞腺様のうほう癌の既往が知られていてこれまで手術・放射線治療歴があります。 髄液では細胞数増加あるもののグラム染色で . . . 本文を読む