感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

びまん性特発性骨増殖症 DISH

2013-03-28 | 免疫
高齢でインスリン使用中の糖尿病患者で、腰痛にて整形外科受診、XPでbamboo spine疑われ当科へ紹介あり。問診すると疼痛は仙腸部あたりで今年から、これまで腰部痛歴なし、疼痛は動作時にひどくなる、夜間の増悪なし、屈んだりの動作に不自由なく、強直性脊椎炎ASらしくない。腰椎は各椎体の前面の骨化が目立ち一部骨棘形成あり、ASの鑑別疾患としてびまん性特発性骨増殖症(DISH)も考えられた。 17 . . . 本文を読む

HIV感染者のためのケアのスタンダード

2013-03-26 | 感染症
当院はエイズ診療に関してはもともとホスピス科が携わっていた時代があるので、10年以上拠点病院として関わってきている。しかしまだ経験豊富とは言えない。担当医師はともかく、看護師や薬剤師など関与する方は兼任でなかなか定まらず、研鑽を積んでいくのはなかなか難しい。近年は各職種が国立国際医療研究センターACCのClinical Training Courseに行くようになって、徐々に意識が上がってきた。今 . . . 本文を読む

ビスホスホネート関連顎骨壊死と抗菌薬

2013-03-21 | 感染症
骨粗鬆症の治療薬であるビスホスホネート製剤は、歯科処置後などに顎の骨の壊死を起こすことがある。当科もステロイドホルモン剤を使用するときこの骨粗鬆症進展を抑える薬を併用することが多く、この骨壊死の問題には関心が高い。今回当院歯科より骨壊死における抗菌薬使用について問い合わせがあった。 ビスホスホネート関連顎骨壊死BRONJの治療については、米国口腔顎顔面外科学会AAOMSがステージングシステムを開発 . . . 本文を読む

コーヒー摂取と死亡リスクの関連

2013-03-19 | 内科
ちょっと専門領域から外れてコーヒーブレイク。 その覚醒作用など脳刺激作用ゆえに労働作業の合間などに愛用されている飲み物。 私も缶コーヒーを箱ごと買い、また医局にはコーヒーメーカーもあるので、日々多飲しています。 でも多飲は体に悪そう? ここ数年大規模研究の成果が発表されており、今回の文献はその代表的なもの。結果は…?   本論文と論文への意見書を添えました、争点や問題点が良くみえて面白いです。 . . . 本文を読む

甲状腺皮膚症とアクロパチー

2013-03-15 | 内科
両足の足関節周辺の疼痛と皮膚発赤、浮腫あり、皮膚科より膠原病関連疾患がないか相談されている症例があり鑑別診断を検討中。 十数年来バセドウ病があり近医で数年治療後中断、今回検診で甲状腺腫大指摘され当院へ受診した。触診で足関節自体の腫脹や圧痛なくエコーでも関節炎所見なく、皮膚深部の病変のようだ。  甲状腺と皮膚というと橋本病と非圧痕浮腫が有名であるが、バセドウ病と皮膚病変に関する文献があった。 . . . 本文を読む

鼠咬熱(鼠毒)について

2013-03-13 | 感染症
前回からの続き。梅毒の治療効果が悪いと紹介された症例の考察中。トレポネーマ抗体検査が偽陽性となりうる疾患なのか、動物接触の多い職業と関連するか? 梅毒以外のトレポネーマも偽陽性となるが基本的にヒト感染、あと偽陽性となりうるのはレプトスピラ、回帰熱ボレリアなど他のスピロヘータ感染ということになる。動物に関連する感染は例えば、国立大学法人・動物実験施設協議会の「動物実験施設等における動物由来の咬傷、掻 . . . 本文を読む

梅毒検査において偽陽性を示す疾患

2013-03-11 | 感染症
他院より医療処置前検査にて梅毒反応陽性と判明し、抗菌薬治療したあとも数字の下がりが悪いと当科へ紹介された。RPRとTPHAとも陽性で一見して活動性梅毒の診断で決まり、にみえるがRPRは当初から低値で推移している。 また既婚女性で夫の梅毒は検査受けて陰性、他に性感染ルートに心当たりない、動物病院に働いており動物咬傷など絶えない、感冒症状で発熱することも多い、などとのことであった。治療効果判定としては . . . 本文を読む

ANCA関連血管炎への診断的アプローチ:後半

2013-03-07 | 免疫
前回の続き。ANCA関連血管炎(AAV)への診断的アプローチについて。前回は症候やANCA検査について。今回は臓器系統別の考慮すべきこと。結局生検と病理組織学的診断が一番重要ということ。 Rheum Dis Clin North Am. 2010 Aug;36(3):491-506. Diagnostic approach to ANCA-associated vasculitides. Ga . . . 本文を読む

ANCA関連血管炎への診断的アプローチ:前半

2013-03-05 | 免疫
血管炎の検証されたdiagnostic criteriaが存在せず、1990 年のACR(American College of Rheumatology)classification criteriaや1994 年のCHCC(Chapel Hill Consensus Conference) definitionsが代用されてきた。 2009年から欧州リウマチ学会(EULAR)・米国リウマチ学 . . . 本文を読む