以前のクリプトコッカス症診断の続き。
クリプトコッカス症の治療については、有名な米国感染症学会IDSAのガイドラインがある。(KANSEN JOURNAL の髄膜炎のミニレビュー)
最近の主に肺クリプトコッカスに関する文献での治療に関する記載のところをまとめた
・免疫状態に関係なく、治療の目的は2つ: 中枢神経系CNSへの伝播を防止、 徴候や症状を制御する
・免疫不全ICにおいて、肺クリ . . . 本文を読む
前回の続き。すでに合併症があったり重症化しているインフルエンザ感染や、重症化リスクのある人への抗ウイルス剤の投与はだれも異論のないところであるが、生来健康、免疫系に問題のない方への抗ウイルス剤は必要なのかどうか。
CDCではその適応はインフルエンザで入院するくらい重症の人と外来治療でもハイリスクの人、としているが、日本感染症学会はインフルエンザと診断した人は重症度に関わらずすべて推奨しており、異な . . . 本文を読む
以前の記事につづいてインフルエンザについて。
良質なエビデンスはまだないが、この文献では、オセルタミビル、ザナミビル、アマンタジンなどの論文データを抽出して系統的レビューが行われた。発病48時間以内に服用開始によるメリットは大きいことは分かる。
・著者らは、インフルエンザのために抗ウイルス治療の観察研究の系統的レビューを行った、研究の大半は、抗ウイルス療法のない群と経口オセルタミビルの群の . . . 本文を読む
血液培養からPseudomonas stutzeriが検出された例あり。直腸癌、肝転移例でSpike熱が続いておりCFPMであまり改善ない様子。感受性テストではAMK,LVFX,ST,CTX,CCL,IPM などが広範囲にSだったが。聞きなれない菌だったので文献で調べた。
まとめ
・Pseudomonas stutzeri は好気性、非発酵、オキシダーゼ陽性、グラム陰性桿菌である。極性鞭毛も . . . 本文を読む
前回につづいて、クリプトコッカス症の診断に関して、まとめ。
クリプトコッカス抗原検査はやはり感度・特異度は良いようだ。
・クリプトコッカス症の診断は、直接顕微鏡検査、培養にてC.neoformans or C.gattii分離、 種々体液上清中の莢膜抗原の証明、血清およびCSFを含むラテックス凝集または酵素免疫測定法による酵母莢膜の観察に基づく。
・診断に用いられる材料は、組織およびCSF、 . . . 本文を読む
肺野の孤立結節影が発見されたリウマチ患者で血清クリプトコッカス抗原検査が陽性のため、背景の免疫不全に関して当科に相談あり。複数の文献で、クリプトコッカス症の疫学、リスク因子などについて調べた。 診断については次回。。
・クリプトコッカス症は、カプセル化された、非菌糸性、出芽性酵母のCryptococcus neoformans var.grubii 、 C.neoformans var.neo . . . 本文を読む
不明熱精査で入院されていた方で、肝胆道系高値、LDH高値、Gaシンチで数カ所骨髄に集積、副腎腫大などから骨髄生検やランダム皮膚生検をしながら結果を待っていたところ、急激な乏尿、高K、高P、高尿酸血症をきたし、不幸な結果となった例がありました。相当に悪性リンパ腫らしいと考えていてステロイドは使用していたのですが、化学療法は診断確定前使用には踏みきれませんでした。臨床データからはなんらかの悪性腫瘍と続 . . . 本文を読む
前回に続いて、インフルエンザについて。今回は、タミフルなどの抗ウイルス薬の効果に関して。現在日本では抗インフルエンザ薬は、タミフル(一般名オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)、イナビル(ラニナミビル)、ラピアクタ(ペラミビル)の4つで(あと昔ながらのアマンタジンはあるが耐性の問題で推奨されない)、それぞれ特徴はどのようなものか気になる所。 まだ多くの国で販売されていない薬もあり臨床情報量は多く . . . 本文を読む
研修医向けにインフルエンザ診療のレクチャーをすることになったので、各種文献を読んでいるところ。インフルエンザ自体はウイルス性感染症なので抗菌薬は要らないが、代表的な重篤病態の肺炎は、しばしば細菌の混合感染を起こす。文献で抗菌薬の位置づけについておさらい。マクロライドなどのタンパク質合成阻害薬の話題は興味のあるところ。
・複雑性インフルエンザ感染症は、一次性ウイルス性肺炎(頻繁にウイルスと細菌 . . . 本文を読む
昨日、神経内科より緊急紹介のあった例で、高齢女性の頚部痛と発熱で髄液穿刺検査では異常なかったのでお願いします、との内容。問診でも後頸部以外は症状ないが、頚部痛で日常動作が制限、首を回転することもできない、とのことで、診察でも肩以下の体には異常ありませんでした。すぐとある疾患を考え頸部CTをとりました所、環椎横靱帯に淡い微小石灰化像あり診断に至りました。(図:当科症例) 文献から特徴についてまとめま . . . 本文を読む