他院で数ヶ月前にMCA領域脳梗塞と診断された方がPCP(ニューモシスチス肺炎)で当院入院、HIV感染判明。梅毒反応も陽性のため、髄液検査と脳MRIも検査したところ、左中大脳動脈には狭窄病変があり深部分水嶺梗塞の既往と考えられたが、さらに脳底動脈など脳主幹動脈には狭窄や広狭不整,動脈瘤様拡張が認められ、HIV血管症の可能性があり、とのこと。 HIV感染と脳卒中との関連について調べた。
Lance . . . 本文を読む
(前号から続く)
泌尿器科における周術期の抗菌薬予防
・経直腸的前立腺生検(LE:1b、GR:A)と前立腺の経尿道的切除術;TURPのみは(LE:1a、GR:A)は十分に文書化され
・非複雑性処置やリスクのある患者では推奨されるが、非複雑の内視鏡的処置や衝撃波結石破砕術SWLにては抗菌薬予防投与の利点の根拠はない。
・開腹術および腹腔鏡手術は、腹部および婦人科手術と同様の規則を適用する
・ . . . 本文を読む
(6/6号から続く)
尿路性敗血症
・尿路性敗血症urosepsisは、特に複雑性UTIの場合には、初期の段階で診断されるべき。
・尿路における障害物のドレナージは、ファーストライン治療として必要不可欠
・文献で報告されたほとんどの重症敗血症は肺(50%)または腹部感染症(24%)に関連し、わずか5%のために尿路感染症が占めている。
・世界的に(これは尿路性敗血症には当てはまらないが)、グラム . . . 本文を読む
当院は浜松市でも北部の山間部も診療圏にしており従来からツツガムシ病の発生も知られています。昨日血液内科からITP(血小板減少性紫斑病)で通院中の方がダニに刺されたとダニも持参して来られた、と当科に相談あり。
この方の血小板減少のこれまでの病歴も特異で、昨年12月に高熱、全身発疹、諸抗菌薬効かず当院総合内科に入院、血小板数が6千と低値、一応ITPの診断がついたのですが、あとから恙虫ギリアムのIGG . . . 本文を読む
長引く発熱にて外来受診された方。過去に脾摘術あり。肝酵素の上昇もあり、単核球症も考慮。著明にリンパ球数は増えている。血清のCMV-IgMが弱陽性、血中CMV抗原も陽性でした。脾摘後といえば莢膜を持つ細菌の感染症リスクをまず考えますが、CMVなどウイルス感染の重症化とも関係するのか? 抗ウイルス剤(ガンシクロビル)を使ったほうがいいのか? 文献検索すると少ないながらヒットした。 脾摘者にCMV感染は . . . 本文を読む
(前号から続く)
妊娠中の尿路感染症
・ほとんどの女性は妊娠前に無症候性細菌尿を獲得し、無症候性細菌を持つ女性の20~40%は妊娠中に腎盂腎炎を発症する。
・健康な妊婦の急性膀胱炎や腎盂腎炎の診断基準は非妊婦のそれに類似するが、膀胱炎で尿培養を含む尿検査が強く推奨される。
・妊娠中の女性は、妊娠第一期の間に細菌尿のスクリーニングをすべき
・妊娠中に検出された無症候性細菌尿、抗菌療法で根絶され . . . 本文を読む
尿路感染症の診療に関しておさらい中。 IDSA(米国感染症学会)からは2009年にカテ関連尿路感染の、2010年に女性非複雑性のUTI、に関するガイドラインがあります。 欧州からはUrological infection として尿路系感染全体のガイドラインが毎年出ているようです。ネット上で簡単にfreeのPDFへアクセスできます。
Guidelines on Urological Infect . . . 本文を読む