感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

骨粗しょう症と腹痛: iliocostal syndrome

2015-03-25 | 内科
最近の外来で、急な体幹部痛(体幹の前後とも広範囲に)あり後に下位胸椎の圧迫骨折発生であることがわかった例がありました。最初はのちに原因と分かった胸椎の局所痛の訴えなく2回のXP検査でその変化がわかりました。別の症例は、極度の背側弯を伴う骨粗しょう症の方で急な左腹部痛の訴えで受診されました。疼痛は左腸骨稜上端あたりにあります。幸い以下に紹介しますClinical pearlsの文献を読んで . . . 本文を読む

抗菌薬アレルギーについて(βラクタム)

2015-03-20 | 感染症
前回に続きまして抗菌薬アレルギーについて。今回はセファロスポリンなどペニシリン以外のβラクタム薬です。ペニシリンと一部のセファロスポリン薬との間に交差アレルギーはあるようですが、臨床的にどの程度有意なのかはまだよくわかっていないようです。ペニシリンと第一世代とは交差しやすいとは以前からいわれていますが、cephalexinなどとの反応が示されていますが、セファゾリン自体はあまり他の薬とは . . . 本文を読む

抗菌薬アレルギーについて(ペニシリン)

2015-03-17 | 感染症
3月は新年度に向けてなにかと準備がいる時期ですが、抗菌薬適正使用活動の一環として新入医師(研修医含め)へのオリエンテーションでの説明、教育も大変重要です。抗菌薬使用開始時の注意として、アレルギー問診の話と、使用届出制の話を必ずするのですが、これらの院内マニュアルの内容が作成からかなりたっており古くなっているため、文献に即して見直すこととなりました。今回と次回のブログで抗菌薬アレルギーに関連してまと . . . 本文を読む

B型肝炎と関節症状

2015-03-12 | 感染症
前回の続きでウイルス感染と急性関節炎についてです。肩、肘、手首、膝、足の多関節痛のため近医整形受診されALT 309と上昇もあり発症後16日目に当科紹介されました。このときは手指PIPの腫れが主でした。またALT が1600にさらに上昇していました。なんらかの感染症も疑われましたが聞き取りで発症2か月前頃に海外渡航歴、性交渉歴がわかりHBs抗原検査を施行し陽性と判明。その後、昨年のドックではHBV . . . 本文を読む

ウイルス性関節症状

2015-03-10 | 感染症
多関節痛の発症早期に当科に受診される方も多くなってきています。いまはリウマチをなるべく早期に診断して治療に入るのが良いとされているので、発症数週間でもリウマチかそれ以外か考えないといけません。特に最初に感冒様症状もあったとなると単なる感冒が併存していたのか、感染症関連の関節症状なのか悩ましい時もあります。発症6週間を超える関節症状はリウマチを考え始める目安となるわけですが、比較的長期に関節症状が続 . . . 本文を読む

異型リンパ球とその出現疾患

2015-03-04 | 感染症
ときに不明熱の原因精査で他科より相談を受けることがあります。当科領域の感染症、自己免疫疾患は、不明熱原因の3大分野のうち2つを占めています(あとは悪性腫瘍(といっても血液悪性腫瘍が多い))。当然、各科でそれなりに検査は終わっておりそう簡単には病名をつけることはできず、わずかな手がかりから鑑別診断リストをあげていくことになります。 今回も、消化器内科から発熱、下痢、蕁麻疹(?)の30代男性例で相談を . . . 本文を読む