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市塵(上) 藤沢周平著 講談社文庫

2009年01月04日 00時04分25秒 | 書評 歴史系
「密謀」の藤沢周平つながりで、
新井白石の生涯を描いた「市塵」を読みました。
藤沢周平は本作で第40回芸術選奨文部大臣賞を
受賞しています。

市塵 藤沢周平著 講談社文庫


藤沢周平は時代小説の名手で、
藤沢周平の時代小説が好きな人は多いと思いますが、
僕はどちらかというと
史実に沿った歴史小説が好みです。

登場人物の心理描写が巧みな
藤沢周平が歴史小説を書くと、
それぞれの歴史的事実の場面で、
歴史上の人物がどのような思いで
事に臨んでいたのか、
いきいきと描きだされ、
人間心理の複雑な営みが
克明に写し出されます。


「市塵」に登場する新井白石は
ご存知の方も多いと思いますが、
江戸幕府6代将軍徳川家宣の治世で
間部詮房とともに
「正徳の治」を実行した人物です。

前代の5代綱吉の時代は
元禄文化の華開いた時代でもありましたが
「生類憐みの令」や
金含有率の低い元禄小判の発行による物価の高騰など
を招いて社会が疲弊し、
政治の刷新が求められる時代状況でした。


市塵(上)では
甲府藩主綱豊の侍講であった新井白石が
側用人の間部詮房とともに、
綱豊が綱吉の世子となって江戸城西の丸に入り
シドニッチ事件や武家諸法度の改定における林家との暗闘、
朝鮮通信使の応対に奔走するまでが描かれています。


それほど派手な事件が続くわけではありませんが、
それぞれの事件で白石が人間らしく思い悩む場面が
いきいきと描かれ、次第に物語に引き込まれていきます。


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