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戦国誕生

2011年06月20日 00時20分13秒 | 書評 歴史系
戦国ブームは引き続き続いています。
題名はインパクトがあって惹きつけますが、
中身はけっこう学術的です。

発生した事実の観点から戦国時代の始まりは
『応仁の乱』(1467年)からと捉えるのが一般的ですが、
その価値観的な観点から捉えたとき
一体どういう価値観の変化があったのか
という点を説き起こしているのが本書です。

キーワードは『形式』から『実体』へ、
『権威』から『権力』へ、です。


本書の特徴は、戦国期の天皇について
詳細に取り上げているところです。
ともすれば派手な歴史的事実に目を奪われがちですが
連綿と続く天皇家が戦国期どのような状況に置かれていたのかは
興味があるところです。


応仁の乱の一方の当事者、山名宗全の
「凡そ例という文字をば、向後は時という文字にかえて御心えあるべし」や

もう一方の当事者である細川勝元を父に持つ細川政元の
「参議中将などは、全く意味のないことである。私(政元)のなかでは、義澄様を将軍であると認識している。だいたい官位などは無益であって、どんなに昇進しても人が命令に従わなければ意味がない」
「天皇の即位の礼は、まったく意味のないことである。そのような儀式を行っても、実体のない者は天皇とみなすことはできない。即位の礼が行われなくても、私(政元)は後柏原を天皇と認識している」
という言葉は、
先例や形式ではなく実体に目を向けつつある社会状況を
反映していたのかもしれません。

権威や形式を人々が信じなくなったとき
戦国の世が生まれることになったという解釈は
混沌とした現代社会にもあてはまるかもしれません。


戦国誕生 中世日本が終焉するとき (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社



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