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亡国の中学受験 瀬川松子著

2010年01月06日 00時05分32秒 | 書評 教育系
教育について語らせると、
誰もが経験していることだけに、
みんなが「教育」には一家言もっており
いっぱしの評論家になれるのが
「教育論」の特徴です。

本書での内容は
ほぼ関東における中学受験事情の批判に終始しています。

関東ほどではないにせよ、
また2008年9月のリーマンショック以来の不況で、
中学受験状況は以前と比べ変化してきているとはいえ、
関西の中学受験事情も熾烈をきわめている部分があります。

本書の主張はつまるところ、
中学受験ブームに煽られ冷静さを失っている親たちに対し、
そのブームは実は受験産業によるつくられたものであり、
事態を冷静に見極める必要があるのでは?という点にあります。

本書独特の過激で一方的な決めつけと思い込みには
にわかに支持しがたい面もあります。
不安定な親の心理状況に付け込んで
ひたすら親を煽って本書を売っているのは
著者も同じでしょと思う部分もありますが、
学習過程における「つまずき」に対する指摘には
賛同できるものがありました。

亡国の中学受験 (光文社新書)
瀬川松子
光文社

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学習でつまずいている層の子どもに必要なのは、
たとえ進度が遅れても、全ての範囲が終わらなくても、
基本に立ち返って、「理解」を経験させること。


「つまずき」を抱えたまま、
「理解」の積み重ねができないでいると
学力と呼べる下地をほとんど形成することができない。


本書では中学受験の問題点のなかで
指摘されていることですが、
なにも中学受験に限ったことでなく
あらゆる学習の局面で大切な指摘だと思います。
教育関係者であれば、
ある程度納得いく話なのではないでしょうか。

ところが、学校でも塾でも、
つまずきの部分から遡って学習することが
十分になされていません。

されていない原因の一つが、
年間のカリキュラムがあらかじめ決められている
クラス授業の特性にあるように思います。

学校であれ、塾であれ、
「年間のカリキュラムが終わらなかった」というミスは
大きなクレームにつながる可能性が大きく、
「理解」はさておき授業を進めていかざるを得ません。
クレームにつながってもカリキュラムを中断させる勇気は
教師にはないですし、『つまずき』の原因は生徒それぞれなので、
遡行学習はそもそもクラス(集団)授業に馴染みません。
「理解」できない者は残念ながら脱落することになりかねません。
「理解」には「個性」があり、
早い遅いはどうしても存在します。
そこを認めることができないクラス授業には
そもそも欠陥があります。完全なシステムではありません。

中学受験では、小学校では習わない特殊な内容と
早い進度のためそれがデフォルメされてあらわれ
問題点が浮き彫りになるのでしょう。

この手の問題はクラス(集団)授業を行う以上
基本的に内在している問題なので、
教育制度が悪い、学校が悪い、先生の教え方が悪い、
塾のサービスが悪い、と誰かの責任にしても始まりません。

それこそ、事態を冷静に見つめて
どこで「つまずいたのか」を見極めることから
始める必要があります。

年が明けると、すぐ受験シーズンが到来です。
受験する本人だけでなく、
保護者の気持ちも浮足立ってくる季節です。


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