フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

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利休にたずねよ (PHP文芸文庫)

2010年10月29日 13時59分57秒 | 書評 歴史系
第140回直木賞受賞作。

以前から読みたかった本で、文庫本になって手に取りました。
同じ著者の『火天の城』は映画を観て原作も読んでいました。

あとがきを宮部みゆきが書いているのも驚きですが、
読んでみて単純に面白かったですし、心理描写が繊細で
物語に引き込まれました。

とくに僕が印象深かったのは、山上宗二が登場する章ですね。
宗二の無鉄砲さを危惧しながらも懇願されて
再び弟子を秀吉の前に紹介してしまう利休。
結局は弟子を殺されてしまうのですが、
宗二と利休の心理上の葛藤が見事に表現されていました。

物語は、利休が切腹を命じられる日から始まり、
少しづつ時代を遡りながら、利休がなぜ頑固一徹にも
秀吉に詫びを入れなったのかをあきらかにしていく趣向です。
章ごとに利休と縁の深い人物を登場させ、
オムニバスのような構成になっています。

利休に関する小説はたくさん出ていて、
題材にして新たな小説を書くのは難しいと思いますが
著者独自の視点を通じてあらたな利休像を確立しています。
著者が相当の実力の持ち主であることをうかがわせる一作です。

利休にたずねよ (PHP文芸文庫)
山本 兼一
PHP研究所

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