フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

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獣の奏者 王獣編 上橋菜穂子著

2009年09月29日 00時40分08秒 | 書評 小説系
『獣の奏者 闘蛇編』の続編です。



傷ついた王獣の子、リランを救いたい一心で、
王獣を操る術を身につけてしまったエリン。
王獣は「けっして馴らしてはいけない獣」
その理由をエリンはやがて身をもって知ることになる。



王獣を決して馴らしてはいけない理由は、
最初、王獣が猛獣であり人を傷つけるからだと
考えていましたが、もっと深い所に理由があったようです。
その理由は、この王獣編の後半で明らかにされますが、
まるで良質の推理小説を読んでいるようでした。
次に展開が気になってしょうがない・・・笑

ただ、本書はそれだけじゃない。
惹きつける魅力がたくさんあります。
それは読む者をしていろんな捉え方ができる
ストーリー展開になっている点にも
秘密があるようです。

王獣は国家にとっては
核兵器のような最終兵器です。
その扱いは国家機密のように
厳重にしなければならない。
一方で核原子力を生み出した
アインシュタインのように
原子力が兵器として扱われることに
苦しむ人もいます。

王獣であるリランと
唯一心を通じ合わせることのできるエリンは
王獣を兵器としてしか考えない国家との板挟みで苦しみます。

それでも結局は自らの信念に基づいて行動するさまが
この物語を単なるファンタジー小説ではないものにしています。


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