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フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

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読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

2012年09月11日 01時43分06秒 | 書評  ビジネス系
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


月平均300冊、多い月は500冊以上という
佐藤優氏の「本の読み方」大公開!

高校レベルの基礎知識をつけるのが、
最も確実で効率的な知の道と説いているのが
印象的です。

学校の勉強が実社会で役に立つのか?
という疑問はよく投げかけられますが、
佐藤氏は明快に『「受験勉強が現実の社会生活に役に立たない」という認識は間違っている。社会人が大学受験のレベルで必要とされる知識を消化できていないため、記憶に定着していないことが問題なのであって、受験勉強の内容は、いずれも社会人になってからも役に立つ』と述べています。

本書は
最初に、「本はどう読むか」で始まり、
それぞれ、多読、熟読、速読の技法を披露し
次に「何を読めばいいか」を語り、
最後に「本はいつ、どこで読むか」
という構成になっています。

基礎知識がないと読めない本というものがあり、
欠損した知識を埋めるために
高校の教科書と学習参考書を使用せよ
という点が画期的です。

「詳説 政治・経済」山川出版社を読んでみたいと思いました。
もういちど読む山川政治経済
クリエーター情報なし
山川出版社


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失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

2012年08月18日 00時13分33秒 | 書評  ビジネス系
失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社


「失敗の本質」が日本軍の組織論だとすれば、
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
クリエーター情報なし
中央公論社


こちらは、日本軍におけるリーダーシップ論です。

当時最も優れたエリートが進むといわれた
陸軍、海軍の各大学校を卒業した幹部たちが、
なぜ日本を破滅に追い込む愚行を繰り返したか?


もちろん国家破綻への道自体は、軍だけの責任ではなく
政治家、官僚、財界、マスメディアを含めて
当時の国家的リーダーたちの責任は極めて大きいと思いますが、
戦争そのものに限って言えば、
その結果に対する軍の直接的責任が大きく、
その組織論やリーダーシップ論に
失敗を繰り返さない教訓が見えてくるに違いありません。


本書で具体的に取り上げられている人物が
石原莞爾、辻政信、山口多聞であるように
組織の最高幹部というよりは、
中堅幹部のリーダーシップに焦点を当てています。
組織の中堅層や若手にとって参考になる教訓が示されています。

中堅幹部が独断専行を繰り返し、
組織中枢の命令を無視、
もしくは命令違反によって惨敗を招いても
責任を問われなかったというのは驚くべき事実です。
それが許されていたという点にも
組織の問題が見え隠れしないでもありません。
本書では、中堅層の暴走を食い止める
リーダーシップの欠如も指摘されています。



11章で、日本特有の「空気」の本質を
取引コスト理論で説明されている点が
とても興味深かったです。

メンバーの一人ひとりが取引コストを計算し、
それが社会的に不正で非効率であろうと
「沈黙したほうが得だ」と判断すると、
組織の決定に従うというのが
「空気を読む」ということの本質だというのです。

人間関係に敏感で、人脈を築いてきた人こそ
取引コストの存在を認識しやすいというので
組織で勝ち抜いてきた組織人ほど
「空気」に流されやすいかもしれません。


それが、客観的には不合理な決定であっても
取引コストの観点から見ると、
極めて合理的な意思決定であり
その場のメンバーが従ってしまう理由なのだそうです。

今でもKYという造語が存在するくらいなので
昔も今も日本人が「空気」に弱い一端を示します。
その原因がどこにあるかというと
「行動の他律性」にあるといいます。
つまり、制度やルールに過度に依存していまう性質。
組織の制度やルールがないと行動できない人間の集まりが
空気に左右されやすいというのです。

逆は、自律性です。自己の意思や道徳観に従って
自由に行動する性質。自律的な意思に基づく自由な行動こそが
「空気」に左右されない合理的な意思決定ができる処方箋だと
結論付けられています。

かといって共感力がなければ
リーダーとしての資質に欠けると批判されるのですから
その場その場での適切な対応が求められることは
いうまでもありません。

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武器としての交渉思考 (星海社新書)

2012年08月06日 00時59分29秒 | 書評  ビジネス系
店舗で採用しているアルバイトの大半が
20歳前後の大学生なので身近に
イマドキの大学生と接する機会があります。

さまざまな過去や経歴をもつ大学生がいるので
ひとくくりにすることはできないのですが
アルバイトとしての仕事で、
高校を卒業してお客さんではない立場として、
経済社会と接点を持ちはじめる大学生が多いです。

そういう大学生にとっては
自分でおカネを稼ぐということが
自分の都合を優先するのではなく
お客様の都合を優先し、満足してもらうということを
初めて学ぶ機会にもなります。

つい最近まで高校生で、
それまでは、お客さんとして自分の都合が優先され
サービスを受給してきたのだと思いますが、
今度は自分がサービスを提供する側に回ります。
このことを本質的に理解しないまま、
バイトをすれば手軽にお金を稼げると思い
様々な軋轢を生む原因にもなります。

社会を動かすためには
ロマンとソロバンが大事だと本書は言います。
確かに理想だけでなく稼ぐ力は、必要でしょう。
しかし、人格の陶冶が出来ていない人間に
交渉のテクニックだけを教えて他人を出し抜くこと
を教授してやいないかちょっと心配です。

「社会をよい方向に」の意味をきちんと
理解していないと本書に書かれているようなテクニックは
自分の実利を貪るだけの武器に堕してしまうような気がします。

正しい哲学に基づいて正しい武器が
使われるように学生を教育しないと
閉塞感を生みだす大人たちをまたまた
再生産することになりかねないのではと思っています。

自由な校風で学問を純粋に追求して、
骨太の学生が多いイメージの強い京大において
実利とテクニックを教える授業が人気というのも
なんとも皮肉な感じがします。

今更、幼稚で青臭く古めかしいことを言いたくはないですが
税金を使って学生を教育するのであれば、
自分の利益のみだけでなく
国家や社会の公共利益に貢献できるような人物の養成に
大学教員はもっと心を配り学生を導く姿勢が
必要なんじゃないかと思います。

ただでさえ、世知辛い世の中なんですから。
どっかの専門学校でも知ることができる内容を
大学で教えてどうするの!?という気がしないでもないです。


武器としての交渉思考 (星海社新書)
クリエーター情報なし
講談社


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よくわかる中小企業リーダー向けMBA総論 新村猛著

2012年08月05日 16時41分04秒 | 書評  ビジネス系
暑い日が続きます。
みなさん、熱中症にはくれぐれもご注意を。

体調を崩すアルバイトもいて、
当日欠勤連絡のピンチを切り抜けながら
なんとか店舗運営をしのいでいます。

7月23日(月)から、新しい仕事仲間を迎えました。
現在週3日で店舗運営を手伝ってもらっています。
店舗の規模もそれなりに大きくなってきたので
次の展望に向けての人材確保の一環と捉えています。

新しい展望を切り開き、
新しい仲間と一緒に仕事をしていくのが
なんだか楽しいです。


さて、まだまだ中小企業にもなれていない
零細企業ですが、少しづつ形を整えいきつつはあります。

そこで、すこしお勉強を。

MBA(Master of Business Administration)
と聞くと大企業向けのビジネスマン対象というイメージがありますが、
今回紹介する本書は、中小企業向けのリーダーを対象にした
マネジメント理論の総論編です。

同志社大学の大学院ビジネス研究科での
「中小企業経営総論」の講義がもとになっています。

概論なので、それほど深い内容が
書かれてあるわけではありません。
しかし、勘と経験に頼りがちな中小企業の経営に
理論を持ちこんで、セオリーが何なのかを
明らかにした点は画期的です。

必ずしも大企業のセオリーが中小企業に当てはまるわけではない
というのは当然といえば当然なので、
中小企業向けのこういった類書が
多く出ててくれたらいいのになと思います。

いつまでもランチェスターに頼っていたらダメですよ。


よくわかる中小企業リーダー向けMBA総論
クリエーター情報なし
コミニケ出版


目次
第1章 総論
第2章 経営理念
第3章 経営戦略
第4章 マーケティング戦略
第5章 合従連衡策―提携・M&A
第6章 海外戦略
第7章 法務戦略
第8章 資金繰り・財務戦略
第9章 人事・組織戦略
第10章 中小企業経営者の心得

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「サービス」というあいまいな概念をつきつめて考えてみる―接客サービスのマネジメント (日経文庫)

2012年07月23日 00時07分38秒 | 書評  ビジネス系
「お客様に喜んでもらいたい」がために
サービスを提供する気持ちに変わりはないですが、
高品質のサービスもそれが続けばマンネリ化や「飽き」がきます。

それゆえ、サービスの向上・変革はつねに付きまとう問題なのですが、
高品質のサービスなのか、過剰なサービスなのかは紙一重です。
この点は、反省することがよくあります。
提供したこのサービスは、「過剰なサービス」なのではないかと。
そのときの歯止めになるのが、「コスト意識」だと
本書では述べています。

このサービスのコストはどうか、という意識を持ちたいものです。




接客サービスのマネジメント (日経文庫)
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


・優れたサービスを知る

・サービスをされる立場で分析する

顧客満足はサービスの質や量ではなく、
コストパフォーマンスであるということが、
異業種、他社のサービスを体験することで
理解できるはず、と本書は述べています。

悪いサービスは、
他人に対して行われているのをみていてもわかることがあるが、
よいサービスは、
自分がその立場にならないとわからない。

自分は何を期待しているかを
具体的に考えてから体験すると、
サービスの良し悪しが見えてくるようです。


・小さな思いやりこそが心を満たす

サービスには、相手を「思いやる」という気持ちが大切です。
しかし、自分が満たされていなければ、
相手を思いやるということはできません。
スタッフがお客様との緊張した関係から離れた瞬間に
心のゆとりを持てるような配慮が必要であると、著者はいいます。



サービスというあいまいな概念を
つきつめて考えるきっかけに本書をどうぞ。


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おそらく「仕事の仕方」っていうタイトルをつけたら、売れないから。

2012年06月05日 13時34分38秒 | 書評  ビジネス系
あっという間に6月ですね。
原発稼働の是非と節電と、今年も暑い夏がやってきそうです。
さて、7月19日で本格的に営業を開始してから丸2年がたちます。
いつまでも、立ち上げ当初のような働き方を続けていくわけにもいかず
この辺りで仕事の仕方を考えてみたいと思った次第です。

そこで手に取った本のタイトルが
「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」
意味深ですね。
今の働き方に不満がある人に手に取ってもらいたい
タイトルです。おそらく20代のサラリーマン向けの
内容だと想像がつくのですが、
なぜか興味をひきました。タイトルに引きずられています(笑)

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)
クリエーター情報なし
講談社



この本の趣旨は、
マルクスの書いた「資本論」にいう
商品の「使用価値」や「価値」の概念を
「働き方」に流用して、
現在の働き方を考え直してみませんか
という提案です。

使用価値=有益性・有用性、何かの役に立つかという問題。
価値=人のテマヒマがいくらかかっているかという問題。

給料は、使用価値ではなく価値で決まっている。
だから、価値の大きさが大きくなるような働き方をしよう
というのが著者の主張です。

給料が高くても「自己内利益」が低ければ
「しんどい働き方」をしていると著者はいいます。
自己内利益とは、「年収・昇進から得られる満足感」から
「必要経費(肉体的・時間的労力や精神的苦痛)」をひいて
得られるものをいいます。

ちょうど、売上-費用=利益 の「利益」に
相当するものと考えればいいらしいです。


年収が多くても、必要経費が多くては
自己内利益として得られるものが少なく
いつまでも「しんどい働き方」を続けることになるといいます。

そこで、労働力の価値をあげる働き方をしよう
ということになるのですが。
労働力の価値を積み上げるには、手間暇をかける必要があります。
すなわち、知識、経験、スキルを積み上げていく必要があるのです。
それも短期間ではなく10年単位の長期にわたる積み上げ。

インセンティブを得るために短期的な仕事の仕方をするのではなく、
知識や経験やスキルが積み重なるような仕事の仕方をしよう
ということです。

主張自体はそんなに目新しいとは思いませんが、
若い人が意識的にそういった働き方をするかしないかで
10年後に大きく差がつくかもしれません。

もっとも、若いうちからそんなに老成しなくても、
与えられた仕事を着実に、ときには必死にこなしていく中で
自分の資産といえるような知識や経験は
身についていくんじゃないのかなとも思いますけど。

テキトーな仕事をしていたら
「資産」どころか生活するための「給料」
も危うくなっちゃうでしょう。
それはいつの時代でも同じです。



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やっぱりタダより高いものはない?―リアルフリーのビジネス戦略

2012年04月14日 22時08分01秒 | 書評  ビジネス系
リアルフリーのビジネス戦略
クリエーター情報なし
幻冬舎




読後の印象は、「う~ん、どうかなぁ。」というのが率直なところです。

著者は「ミュゼプラチナム」というエステサロンを
実際に成功させているため、
胸を張って書いているのでしょうが、
素人が真似をすると痛い目にあうかもというのが実感です。

もちろんドミナント戦略や
小規模多店舗展開、人件費の圧縮、
スキルの平準化などは理解できるので
高コスト体質の古い業界に参入するというのは真っ当だと思います。

ただ、最もテーマとなっている「リアルフリー」
すなわちネットではない現実のサービスであっても
無料化してしまうことによって
顧客を集めようという戦略については・・・。

単なる無料サービスではないとしていますが、
「価値あるサービスが無料なわけがない」
ということを再認識しただけです。


本書で言う無料化へのロードマップには
さまざまな段階があります。

技術革新によってコストをかけないサービスを考える
というのは至極まっとうなのですが、
肝心の売上は、付随するサービスや
周辺のサービスから高額料金を徴収することで確保するという仕組み。

それでは、目玉となる無料サービスで
顧客を寄せ集めているにすぎないのでは。
これでは従来の手法とさほどかわらないという疑問は払拭できません。

寄せ集めのためのサービスは質が悪いという固定観念を逆手にとって
質の高いサービスを提供することで口コミを発生させるということも
記載されていましたが、斬新な手法とはいえません。


さらに、顧客を集めることが出来たら
20対80の法則を使って2割の顧客から8割の利益を
生み出すことができたら良いと述べています。


これも、結局はどこから利益を生み出すかというだけであって
サービスがフリーになっているわけではありません。
無料のサービスを提供できる財源を考え出さなくてはいけないため
因果はめぐる状態になります。

さらに著者は、すべてのサービスの無料化をめざすと述べていますが、
その財源は、集めた顧客の情報を利用する第三者の企業から徴収するとしています。
しかし、個人情報をそんなに簡単に第三者企業に渡せるものなのかどうか。

疑問に思うことは多いです。

「質の良いサービスに対しては、適切な対価を支払う」
ということがそんなにいけないことなんでしょうか。
当たり前のことだと思うのですが、顧客を集めるためだけに
わざわざ無料にするする必要が一体どこにあるのでしょう。

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最高のサービスを実現するリーダーシップ  リッツ・カールトンの流儀

2012年04月08日 12時29分10秒 | 書評  ビジネス系
前回の投稿からホテルのサービスつながりで。

外資系高級ホテルの代名詞、
リッツカールトンを運営するマリオット・グループの
海外展開を担うマリオット・インターナショナル・ロッジングの
プレジデント兼マネージングディレクター、エド・フラーの著作。


最高のサービスを実現するリーダーシップ  リッツ・カールトンの流儀
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


本書の内容は、リーダーがなすべき仕事として
・明確な道徳基準の設定
・人と人とが尊敬し合える状況の創造
・信頼を得る
・自分の考えと態度を明確に伝える
・率先垂範
など多岐にわたります。

もっとも、本書に貫かれる根本の価値観は
「周囲の人とたがいに敬意を払い気遣いを示す関係を築いていくこと」
にあります。
そのための様々な方法やテクニックを披露しています。

逆にいえば、
どんなに瑣末なテクニックや方法論を身につけていたとしても
「周囲の人とたがいに敬意を払い気遣いを示す関係を築いていくこと」を
念頭に置くことができない人はダメだということなのでしょう。

卒のない身のこなしであったり、
仕事のスピードが速かったり、
話力が優れていたり、
いわゆる「できる人」であっても
「周囲の人とたがいに敬意を払い気遣いを示す関係を築いていくこと」を
行動の指針においていない人は、
やっぱりサービス業には向いていないと
思います。

強いリーダーシップを発揮する根底に
スタッフやお客様など周囲に「敬意を払うこと」を
備えていることが大切なんだろうと思います。


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つぶれる会社には「わけ」がある

2012年03月25日 00時44分24秒 | 書評  ビジネス系
副題で「ストーリーでわかる経営・会計・税務の“罠”」
とあるように、物語仕立てで会計・税務の側面から
会社経営の落とし穴が解説されています。

「対価に見合う以上の重要な価値をいかに顧客に提供できるか」
が大前提であるとはいえ、事業や会社は生き物なので、
その成長段階で様々な問題が生じてきます。

それまでうまくいっていたことが
成長する過程で逆に、
障害になったりすることもざらです。

経営が軌道に乗り始めたらそれで何もかもうまくいく
というほど簡単でもありません。
経営が軌道にのっても注意しないといけないことは
たくさんあります。


真の経営資源はお金と時間であり、
この二つの資源を無駄に使ってはならないというのが
本書の主張の核心です。

「現金が回っていれば絶対につぶれない、
逆に現金が回転し続けないと商売は続かない。」
サラリーマンのままだとなかなかこの発想が理解できないのですが、
事業を運営していると、資金の回転がとても重要だということに
気がつきます。

現金が回らない状態を具体的にいうと、
要するに売掛金がいつまでも現金化しない状態や、
在庫資産や未収金が多い状態をいうようです。

そういえば、ある経営者が言ってました。
「現金支払いは出来るだけ遅く、現金回収は出来るだけ早く」

手元に多くの現金を有しておくことが、
現金を回すコツといえるでしょうか。

・起業時は固定費を出来るだけ下げるということ
・人件費を固定費から変動費に移行させる工夫をするということ
・売掛金を出来るだけ早期回収して現金の回転率をあげること
以上の3点がポイントといえるでしょう。



個人的には第6章、第7章が秀逸。
第6章では成功をもたらす法則が語られています。
1.こだわりをなくす
2.キャッシュフローを重視する
3.マネジメント力を強化する
4.社長は引き際を心得る
以上4点です。

キャッシュフロー経営は本書の核心といえますが、
その上でマネジメント力の向上に言及している点が目を引きます。



つぶれる会社には「わけ」がある―ストーリーでわかる経営・会計・税務の“罠” (日経ビジネス人文庫)
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


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キャッチコピー力の基本 ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック

2012年03月23日 21時19分23秒 | 書評  ビジネス系
新年度、新規顧客の獲得を目指して
広告のキャッチコピーを考えています。
定期的にキャッチコピーを考えなくてはなりません。

折り込み広告ではさまざまなチラシが入っており
同業他社のチラシを丹念に見てキャッチコピーを
研究していますが、大手になればなるほど
無難な文句に終始しているように思います。

本書「キャッチコピー力の基本
ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック」によれば
キャッチコピーを作るうえで
考慮しておかなければならない3つの基本があるそうです。


その1 自分に関係があると思ってもらう
→確かに自分に関係のない内容に人は興味を惹かれません。

その2 強い言葉を使う
→要するに常套句を避けるということです。
業界特有の決まり文句が氾濫しているチラシは
やはり無難ではあるもののインパクトにかけてしまいます。

その3 相手の心に「何で?」をつくり出す
→チラシの中身を読んでもらうためです。
まずは、チラシの続きを読んでもらわないと
次の段階にすすめません。


その上で、応用として

1 「言い切り力」をつける
2 「読み手」に考えさせる
3 「語呂のよさ」を考える
4 「比喩力」を磨く
5 「名言」を貯金する
6  「組み合わせ」て化学変化を起こす
7 「造語力」を身につける
8 「ストーリー」を喚起させる


本書では、様々な実例があげられ、
普通の文句が改善されたコピーとして
見本が載っています。

まずは、基本的な力を身につけるというのは
どんなことでも同じであるようです。

キャッチコピー力の基本 ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック
クリエーター情報なし
日本実業出版社



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プロフェッショナルの働き方

2012年02月10日 00時50分31秒 | 書評  ビジネス系
プロフェッショナルの働き方 (PHPビジネス新書)
クリエーター情報なし
PHP研究所



「想定外の変化が当たり前の21世紀的仕事環境・経済環境において、
長い間第一線に立ち、価値を提供し続けるにはどうしたらいいのか?」
この問いかけが、出発点です。

その1つの答えとして、人事・組織論・キャリア教育論の第一人者
慶応大学大学院教授の高橋俊介氏が提案する働き方が、
「プロフェッショナルという働き方」です。

本書では、プロフェッショナルの定義から始まって
プロフェッショナルの働き方として10の条件を上げています。

とりわけ、私が参考にしようと思うのは、
条件7 行動と成長をセルフマネジメントする

いわく
・職業倫理やポリシー、価値観などで
自分を厳しく律していない人は、すぐに相手にわかる。
 相手に警戒され、本音を引き出すことができず、
結果として問題を解決できない。
・現実社会は矛盾に充ちており、
それらの矛盾とうまく折り合いをつけながら、
問題解決を図っていくのがプロフェッショナルの仕事。


そして、人生においてときに受け入れがたい事態に対し、
どのような防衛機制をとるかが重要であるといいます。

防衛機制とは、そのできごとから自分を救うために、
無意識的に出てしまう行動のことです。

防衛機制には、未熟なものと成熟したものとがあり、
以下のような未熟な防衛機制を取る場合は、
不幸になる確率が高いといわれています。
・投影
・動的攻撃性
・行動化
・幻想

一方で、以下のような成熟した防衛機制をとることが
幸福につながるそうです。
・昇華
・ユーモア
・利他的行為
・抑制

プロフェッショナルであるか否かは別として、
如何ともしがたい現実をどう受け入れるかは
誰にとっても、人間性を問われる重要な態度と
いえそうです。

まだまだ自分に対してダメ出しをすることが多いですが、
これからの人生、プロフェッショナルな働き方を
極めていきたいとは思っています。

そんなことを考えさせる一冊でした。

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ビジネスマンのための「人物力」養成講座 (ディスカヴァー携書)

2012年01月07日 14時19分35秒 | 書評  ビジネス系
養成講座シリーズの最新作。
小宮一慶さんの著作を全部読んでいるわけではありませんが、
このシリーズは好きな著作の一つです。

初期のころと比べると
徐々に内容が薄くなっているきらいがなきにしもあらずですが、
小宮さんの発想自体はとても参考にしています。

心が亡ぶと書いて忙しいと読むように
忙しいと気持ちの余裕がなくなって
なかなか客観的に自分を見れなくってしまいますが、
本書を読むと、
ふと自分を振り返って
内省することができるので不思議です。

この本に書いてある「小物」に
該当していることを数々しているかも(笑)


人物=長期にわたって尊敬される人という概念を前提に
人物になるためにはどうすればよいか?
人は他人のどこをみて「人物」と評価するのか?
ということについて小宮さんが持論を展開しています。

「人物」になりたいかどうかは別として、
どういう生き方を自分が選択したいか、
を考えるときに参考になる本です。

わかりやすく生き方論が展開されています。



ビジネスマンのための「人物力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
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ディスカヴァー・トゥエンティワン


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勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論

2011年12月17日 15時24分12秒 | 書評  ビジネス系
「当たり前のことをちゃんとやる」

じり貧にあったマクドナルドを7年連続増収の
エクセレントカンパニーに立て直した原田泳幸氏の
経営改革論です。

それぞれのサービスにおいて
そもそも「当たり前」とは何なのか
ということをよく考えないといけませんが、
失敗する人は、大抵「当たり前」の内容を
まちがえているような気がします。

マクドナルドで言えば、
原田氏は「QSC」が基本中の基本と
述べていました。QSCとは、
QUARITY(クオリティ)
SERVICE(サービス)
CLEANESS(クレンリネス)
を言うそうです。

ところが、低迷期のマクドナルドでは
店舗の急拡大を実施し、人材育成を怠り
QSCの基本を徹底できていなかったと
指摘されていました。

規模の拡大は売上を上げるための「当たり前」のように
みえますが、実はそうではなかったということです。

「当たり前のことをちゃんとやる」
誰でも言えそうですが、
何をもって「当たり前」と捉えるかは
人によって差があり、
ましてや実行を徹底することができるのは
限られてくるように思います。

だから、「差」が生じてくるのでしょう。

あなたにとっての
「当たり前」とは何なのか
そこから考える必要があるようです。


そのほかにも、なぜマクドナルドがV字回復を果たしたのか
自分自身の経営に役立てるヒントが満載です。
全部は到底まねできることではありませんが(笑)


勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論
クリエーター情報なし
朝日新聞出版


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僕は君たちに武器を配りたい

2011年11月25日 00時15分04秒 | 書評  ビジネス系
僕は君たちに武器を配りたい
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講談社


京都大学の客員準教授として学生に講義する著者が
20代の若者に向けて書いた、
本物の資本主義社会で生き抜く考え方を示した本です。

先の見えない混沌とした世の中で
正規軍的な戦いではなく
臨機応変に戦術を変える
「ゲリラ」的な戦いをせよ、

そのために、投資家的な考え方を身につけよ
というのが著者の主張内容です。

著者によれば、
自分では何も考えず、
ただ人に使われているだけの人は
コモディティ化するという。
コモディティ化とは個性のない状態、
平準化された状態をいいます。
コモディティ化された人材は
いつでも交代可能なので
「安いことが売り」の人材になるしかないのだと。

主体的に稼ぐ人間になるためには
次の6タイプのいずれかになるのが近道だという。
①トレーダー
 商品を遠くに運んで売ることができる人
②エキスパート
 自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人
③マーケター
 商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人
④イノベーター
 まったく新しい仕組みをイノベーションできる人
⑤リーダー
 自分が起業家となり、みんなをマネージしてリーダーとして行動する人
⑥インベスター
 投資家として市場に参加している人

このうち価値を失っていくタイプが2つあるそうです。


それは、なにか?

本書を読んでください(笑)
説得力はあります。


もっとも、本書の内容にはつっこみどころがたくさんあります。

私の専門?のフランチャイズについて
書かれた箇所について少し述べておきます。

第8章 「投資家として生きる本当の意味」において
フランチャイズ加盟は「ハイリスク・ローリターン」の
最悪なビジネスとコテンパンの言われようでした(笑)

フランチャイズビジネスの負の側面は
経済誌などでよく書かれていることなので
著者の言わんとするところはわかります。
しかし、実際にフランチャイジーとして経営している者からすると
一方的な断定と判断の偏りがあるように思いました。

私の感覚では
本書に書かれているような「自分で商売を始めるよりも、
本部の言う通りやった方が楽だから」という気持ちで
FC加盟というハイリスクな投資をする人は
ほとんどいないんじゃないかなと思います。

もし仮に、そう思って加盟するならば
どんな仕事をしたって失敗しますよ。
フランチャイズに加盟するから失敗するわけではない。
そういう心構えで加盟するから失敗するのです。


フランチャイズも契約の世界なので
契約内容によっては自由度の大きい経営を行うことは可能です。
拘束力が強いのは、そういう契約を自ら選んだ判断によって生じています。
これは自分で商売する場合でも
取引先との契約内容によっては
大きな拘束力を生むケースが考えられるので、
フランチャイズビジネスを最悪のビジネスというには根拠が薄弱でしょう。

フランチャイズの仕組みも説明していましたが
加盟金とロイヤリティを混同しているのではないか
と思える節があるのと、
FC契約にも様々な内容のものがあり、
本書に取り上げられている内容のものだけではないにもかかわらず、
それをもってFCビジネス全般を評価しているのも安直にすぎるでしょう。




フランチャイズビジネスのメリットの一つには
FC本部の「ブランド」を利用できる点にあります。
同じ程度のブランド力=信用力を作り上げるのには
やっぱり時間と資金と手間がかかってしまいます。
FC本部はそのブランドを構築するのに長い労力をかけており
そのブランドの利用料として適正な対価を支払うのは、
ビジネスとして当然だと思いますが、
著者はそうは思わないらしい。

また、そのブランドを維持するために
店舗運営上の質を加盟店に求めるのも
ビジネスとしては当然の要請だと思うのですが、
これまた著者はそう思わないらしい。

フランチャイジーでも、工夫次第では
著者のいう③~⑥になりうる可能性はあります。



若者に武器を配りたいという、
その方針自体は素晴らしいと思いますが
はたしてその武器は本当に戦える武器といえるのかどうか。

本書を鵜呑みにするのではなく
批判的に検討することがかえって「戦える武器」を
持つことにつながるんじゃないかなぁ
と思う次第です。

日経を鵜呑みにするな
という著者の主張と同じです。

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ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

2011年11月09日 00時46分09秒 | 書評  ビジネス系
「ガイアの夜明け」で放送され番組を見て興味を持ちました。
放送されていたのは、本書の第2章―9「元気の出る書店を作ろう」です。

行動観察とは何ぞや?

文字通り、現場での人間の行動を観察し、
根拠のあるソリューションを提案することを言います。

なぜ行動観察をするか?

「付加価値の提案」と「生産性の向上」という
二つの課題解決に役立てるためです。

行動観察の効果は何か?

・言語化されていないニーズやノウハウを抽出できる
・社会通念によるバイアスを排除できる

著者は2001年からこの行動観察の調査を開始したそうですが
当初はなかなか理解を得られなかったようです。


個人的には第2章―4「優秀な営業マンはここが違う」に
強い関心を持ちました。
行動観察の手法それ自体に対する興味もさることながら
そこから得られた知見にも少なからず興味を持ちました。

行動観察によって得られた知見とは何か?

優秀な営業マンと普通の営業マンの違い
・優秀な営業マンは、お客さんとのファーストコンタクトを非常に大事にしている
・優秀な営業マンは、自分よりお客さんのほうが話す時間が長い
・優秀な営業マンは、お客さんをよく観察して、個別のお客さんのニーズに合う提案をする
・優秀な営業マンは、お客さんに何か必ず親切なことをする

漠然としたイメージではなく、
行動観察の結果抽出された類型という点がポイントです。

そして、行動に取り入れやすい基礎編、
すぐに取り入れるのが困難な応用編とに分けたうえで
「営業マンとしての心構え」があり、
さらに「お客さん中心で考える態度」があると
著者は指摘しています。

「自分がされたくないことは絶対にお客さんにしたくない」
本書の中で記されていた優秀な営業マンの言葉です。




営業というと、
とかく「強引」で「押しの強いイメージ」が先行しがちですが
それは「普通の営業」にすぎないのではないでしょうか。

「お客さん中心で考える態度」が
行動観察の結果得られたということは
とても大切な指摘だと思いました。


ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社



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