徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

当院のインフルエンザ診療方針(2019/20シーズン)

2019年10月01日 07時14分19秒 | 小児科診療
 2019年も10月に入りました。
 前項目の内容を経た、当院のインフルエンザ診療方針を紹介します。

 まずはワクチン接種について。
 数年前から、幼児の1回接種を導入しており、今年もこの方針を継続します。
 下図は、配布しているプリントです。

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 次に抗インフルエンザ薬について。
 先年登場したゾフルーザの位置づけが、なかなか定まらないのが悩ましい。

 現在得られている情報は、ゾフルーザはA香港型では小児の耐性化率が高い、ということ。
 現時点で検出されているのはA香港型ではなく、A(H1N1)pdm がメインのようです。

東京都


川崎市


 すると、ゾフルーザ耐性に関しては今のところ神経質にならなくてもよいのかもしれません。
 ただ、今後どのタイプのインフルエンザが増えてくるのか不明ですし、昨シーズンなかったからといって、ゾフルーザがA香港型やB型に耐性化しないという保障はありませんので、注視していく必要があります。

 抗インフルエンザ薬に関するプリントを提示します。

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 一時期、タミフルと異常行動の因果関係が疑われ、10代に対するタミフル処方が禁止されていましたが、その後の分析の結果、タミフル未使用者にも同様の異常行動が観察されることが判明し、使用に問題はないとして2018年に解除されました。
 われわれ小児科医にとっては、昔から「インフルエンザは高熱でうなされる病気」という認識でしたから、タミフルの濡れ衣が晴れたという印象です。
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