徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

世界人口の40%超が新型コロナに罹患済み、日本人は?(2022年4月)

2022年04月29日 07時28分01秒 | 小児科診療
2019年末に新型コロナが登場して、約2年半が経過しました。
インフルエンザ以外の想定外の“パンデミック”に世界は混乱し、
未だに終息の目処が立ちません。

さて2022年4月時点で、
世界人口のどれくらいが新型コロナに罹ったのでしょうか?
最近の記事から探ってみましょう。

 世界人口の40%超がコロナ感染、感染率の高い地域は?/Lancet
2022/04/29:ケアネット)より抜粋;
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、オミクロン変異株(B.1.1.529)の急増が始まるまでに世界に衝撃的な影響を及ぼし、2021年11月14日の時点ですでに38億人の感染または再感染を引き起こし、世界人口の43.9%が少なくとも1回の感染を経験しており、累積感染割合は地域によって大きな差が認められることが、米国・ワシントン大学のRyan M. Barber氏らCOVID-19 Cumulative Infection Collaboratorsの調査で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2022年4月8日号に掲載された。
・・・
COVID-19の世界的流行の開始から2021年11月14日の期間に、SARS-CoV-2感染と再感染を合わせた総感染者数は推定で38億人(95%不確定区間[UI]:34億4,000万~40億8,000万)に達し、世界人口のうち33億9,000万人(43.9%[95%UI:39.9~46.9])がSARS-CoV-2に1回以上感染していた。
累積感染者数は、7つの広域圏のうち南アジアが13億4,000万人(95%UI:12億~14億9,000万)と最も多かったが、累積感染率はサハラ以南のアフリカが100人当たり79.3人で最も高かった。また、高所得地域(日本を含む世界の高所得国を合わせた地域)は感染者数(2億3,900万人、95%UI:2億2,600万~2億5,200万)が最も少なく、東南アジア/東アジア(日本は高所得国に分類され、ここには含まれない)/オセアニアを合わせた地域は感染率(100人当たり13.0人[95%UI:8.4~17.7])が最も低かった
累積感染割合は国や地域によって大きなばらつきがみられ、70%を超えた国が40ヵ国、20%未満が39ヵ国であった。
日本は、感染者数が645万人(不確定区間:508万~802万)、感染率は100人当たり5.0人(不確定区間:4.0~6.3)、感染割合は5.0%(不確定区間:4.0~6.2)だった。

論文はタイムラグがあるので、データは2021年11月までの統計です。
つまり、オミクロン株の流行は含まれていません。
その時点で、なんと世界人口の約40%がすでに罹患!

地位域別ではアフリカ大陸の南部は80%と異常に高い。
現在流行中のオミクロン株は南アフリカで登場しましたが、
南アフリカ内ではそれほど社会問題にはなりませんでした。
その理由は“すでにみんな罹っていたから”と聞いています。

アメリカではこの当時で約30%、
でもその後も増え続けて現在では60%?

“全米人口の60%近くが新型コロナ感染か” 米CDC報告書公表
2022年4月27日 :NHK)より抜粋;
アメリカCDC=疾病対策センターは26日、全米各地で行われた血液検査で検出された新型コロナウイルスの抗体の分析から、これまでに、人口の60%近くが感染したと推定する報告書を公表しました。
CDCは26日、全米で行われた血液検査のサンプルから、新型コロナウイルスの抗体が検出された割合をもとに、これまでに感染した人の割合を推定した報告書を公表しました。
それによりますと、ことし2月に採取された、およそ4万6000人分の血液検査を、統計的に分析した結果、これまでに、アメリカの人口のおよそ57.7%が、新型コロナウイルスに感染したと推定されるとしています。
年代別に見ると、0歳から11歳では75.2%、12歳から17歳で74.2%、18歳から49歳で63.7%、50歳から64歳で49.8%、65歳以上で33.2%となっていて、若い世代ほど感染したと推定される人の割合が高くなっています。
この割合は、アメリカでオミクロン株の拡大が始まった去年12月から大幅に増加していて、報告書は「オミクロン株は、特に子どもの間での感染率が高かった」と分析しています。

アジアは10%台で世界の中では低く抑えられています。
民族の差なのか、生活習慣の差なのか・・・。

日本ではどうでしょう?
緊急事態宣言とかマンボーとか騒いでいても、
まだ5%と非常に低く抑えられていますね。

オミクロン株流行後の日本のリアルタイムのデータ(2022.4.28)は以下の通り;


日本の総人口は、2022年4月現在での1億2,550万2,000人ですから、
単純計算で「6.2%」になります。

まあ、統計に出てくる“PCRや抗原検査で陽性になった”数字のため、
抗体価で評価するとアメリカのように倍増する可能性は否定できません。

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