徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

目に留まった世界のトンデモ“コロナ対策”

2021年02月12日 09時24分45秒 | 小児科診療
新型コロナウイルス、その流行、そしてワクチンをどう捉えるかは、世界中を見渡すと実に様々。

人類の歴史は病原体(ウイルスや細菌など)との闘いで、生き残った子孫が現在の私たちであります。
その影には、感染症で命を落とした膨大な数の犠牲者が存在すると思われます。

現代医学でも有効な治療薬が未だ開発されず、ワクチン頼みの現状の中、世界各国では様々な治療法が試みられています。

ただ、科学に裏打ちされておらず、伝統医学〜因習のレベルの治療も少なからず存在します。
目に留まった情報を紹介します。
まずは科学を信じないタンザニア大統領から・・・


新型コロナワクチンは「危険」 タンザニア大統領
2021年1月28日、AFPBB)より抜粋
神がタンザニアを新型コロナウイルスから守っていると主張するジョン・マグフリ(John Magufuli)大統領は27日、同ウイルスのワクチンは「危険」との見解を示した。
・・・
「われわれはこうした輸入ワクチンに細心の注意を払わなければならない」「新型コロナワクチンを開発できるのであれば、マラリアやがん、結核、エイズウイルス(HIV)のワクチンだって今頃は開発されているだろう」
「今、もてはやされているワクチン接種はわれわれの健康にとっては危険だ。保健省は全くもって急ぐべきではない」
一部のタンザニア人が国外でワクチンを接種し、
「奇妙なコロナウイルスを持ち帰る羽目になった」
「われわれは、この危険な病気との闘いにおいて、神を最優先しなければならない。だが、それと同時に予防措置を講じて、自身の身を守らなければならない」
「われわれは、1年以上にわたり新型ウイルスに感染することなく暮らしてきた。ここにいる人の大半が、マスクを着用していないことがその証拠だ」

タンザニア人は「神に守られているので安全」と信じ、
「ワクチンはウイルスそのものを注射している」と誤解し、
このままでは民族消滅の危機で歴史から国が消えてしまいそうです。

次はスリランカからの情報です。

コロナ対策に魔術や魔法薬推奨のスリランカ保健相、検査で陽性
2021年1月23日、AFPBB)から抜粋
 スリランカ当局は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めようと魔術や魔法薬を公に推奨していた同国の保健相がコロナ検査で陽性となり、自主隔離に入ると明らかにした。
 陽性と判明したのはパウィトゥラ・ワンニアラッチ(Pavithra Wanniarachchi)保健・伝統医療相。ワンニアラッチ氏は魔術師が製造したという魔法薬を服用したと明言していたほか、はちみつとナツメグ入りだという同薬を公に推奨していた。
 またワンニアラッチ氏は昨年11月、自称「聖人」の男から感染拡大を止める方法だと進言され、「聖水」を川に注いでいた。
・・・
 しかしスリランカでは先月、神に新型ウイルス治療薬を示されたと主張する大工のダンミカ・バンダラ(Dhammika Bandara)さんが作ったコロナ薬を求め、約1万2000人が集会禁止の規制を破り中部の小さな村に殺到した。

 スリランカでは国の中枢にいる保健相が科学よりも因習を信じている・・・救いようがありません。
 この国も消えていきそうです。

 次はスリランカ近隣の大国インドからの情報です。

■ 新型ウイルスの特効薬は牛の尿? ヒンズー教団体が「飲尿パーティー」開催 インド
・・・インドの首都ニューデリーでは、ヒンズー教の活動家数十人が、新型ウイルスから身を守るために牛の尿を飲むパーティーを開いた。
 新型ウイルスと闘うべく、「ガウムトラ(牛の尿)パーティー」と銘打った、火を用いた儀式と飲尿の集会を開催したのは、「全インド・ヒンドゥー・マハーサバー(All India Hindu Mahasabha)」のメンバーと支持者ら。
 13億人の人口を抱え、ヒンズー教徒が大多数を占めるインドでは、牛は聖なる動物とみなされており、近年はにせの療法として専門家が否定するにもかかわらず、牛の尿が万能薬であるとの主張が相次いでいる。
 AFPの取材に応じたボランティアの一人ハリ・シャンカル・クマール(Hari Shankar Kumar)さんは集会で、土製の器に「薬」を注ぎながら「牛の尿を飲めば誰でも癒やされ、守られる」と述べた。
・・・
 同団体の指導者であるチャクラパニ・マハラジ(Chakrapani Maharaj)氏は報道陣に対し、「われわれはここに集まり世界の平和を祈る。コロナ(ウイルス)を鎮めるためにささげものをする」と説明。牛の尿を飲み干すと、ウイルスを「鎮める」ため、悪魔の姿をかたどった新型コロナウイルスの絵に向かって器をささげた。
・・・
 近隣のウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州から集会に参加した人は、「コロナウイルスはバクテリア(ウイルス)でもあるから、牛の尿はわれわれに害を及ぼすあらゆる形態のバクテリアに対して効果がある」と語った。

インドは伝統と最新科学(IT大国!)がごちゃ混ぜになっている国。
伝統医学、というか因習にとらわれている人々も生き残れず、歴史の舞台から退場しそうです。

しかし一方で、先進国中の先進国であるアメリカの前大統領も科学を信じていませんでしたし、「コロナ・パーティー」でうつしあっている状況です。

ヨーロッパでは外出制限に反対するデモも発生しています。

さて、世界のどの民族が生き残るでしょう。
パンデミックが過ぎ去るまでじっと動かないでガマンできるのはどの国かな?

こういうのを集めると番組が一つできあがりそうです。

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