最近、日本人がマスクをするようになったのは「スペイン風邪」(1918-1919年)の感染対策がキッカケだったことを知りました。
そして今回、ヨーロッパの人が入浴しなくなったのは、中世に流行してたくさんの死者を出した「ペスト」(黒死病)がキッカケだったことを知りました。
ヨーロッパ人はシャワー中心で、浴槽に入るとしても泡風呂で、油を満たして浸かる習慣はないイメージです。
でも昔は日本人同様、湯船に浸かっていたらしいのです。
疫病は文化も変えてしまうのですね。
ペストで変わった習慣といえば、洗濯もあげられます。
ヨーロッパではお湯で洗濯するのが当たり前。
ペスト以前は水だったのですが、ペスト以降はお湯になり、現在に至るそうです。
お湯で洗うと生乾きのニオイ(モラクセラ菌)が消えるそうです。
NHKのガッテンでやってました。
日本にも少しずつですが、お湯対応可能な洗濯機が登場してきました。
■ ペストに怯えた中世の人々が採った仰天の対策
ジョン・ロイド : BBCプロデューサー
ジョン・ミッチンソン : 作家、リサーチャー
(2021/01/26、東洋経済オンライン)より抜粋
・・・黒死病の流行で、人々が忌み嫌ったのは「魔女」でも「ネズミ」でもない。・・・流行直後に、人々が徹底的に避け始めたのは水(または湯)に触ることだった。・・・実は、当時のどこの都市や町にもかならず大衆浴場があった。・・・この習慣を変えたのが、黒死病である。
・・・なんとしても、水に入ることは避けなければならない。浴場は即時閉鎖。その後の300年間、ヨーロッパ中のほぼすべての住民が入浴を完全にやめてしまった。
・・・油脂、パウダー、香料などが体臭を抑えるために使われ、髪もよほどの場合にしか洗わず、ほとんどブラシをかけてパウダーをはたくだけだった。結果、階層や職種に関係なく、あらゆる人々の頭と体がシラミやノミだらけになっていた。
18世紀の終わりに、薬湯の効能が見直されるようになると、ようやく水は社会的地位を取り戻し始める。