BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

IBF世界Lヘビー級タイトルマッチ アントニオ・ターバーVSチャド・ドーソン

2008-11-10 22:57:34 | Boxing
ドーソン ユナニマスディシジョンで勝利

グレンコフ・ジョンソンとの試合が大きな財産になっていたことを窺わせる出来だった。
若さ=フィジカル面での優位性だけで強引に攻めることはせず、
ハンドスピードとクイックネスで的確なパンチを打ち込み続けたドーソンの完勝だが、
ところどころで動きが緩慢になっていたのは休んでいたのか、微妙に効かされたのか。
グレン・ジョンソン戦でも感じたことだが、それほど打たれ強くはないのかもしれない。
あるいは守るときは徹底して守るというゲームプランだったのか。
いずれにせよ、この勝利は大きな自信になるだろう。
サウスポー対決で反時計回りから右ジャブ・右フックで主導権を握るところなど、
練習の成果をしっかり出せていたことが分かる。
中盤にターバーのアッパーがヒットし始めたところで、
逆にダックしてボディに連打を集めるなど戦況に応じて戦えるようになった。
団体統一路線に乗り出し、完全な新旧交代をもたらしてほしい。

マジックマンもそろそろ年貢の納め時か。
まだまだ引退などはしなくてもいいだろうが、
今後はchampionship fighterとしてよりもprize fighterとして生きていくのだろうな。
ガードの真ん中をぶち破られたのは、表情にこそ出さなかったが、衝撃だっただろう。
予定していたゲームプランが脳内で音を立てて崩れていったに違いない。
左のオーバーハンドが打ち込めないのなら、右で的確なカウンターを取るべきだが、
ハンドスピードの差に翻弄され、パンチングパワーの差に圧倒されてしまった。

WBC世界Sウェルター級タイトルマッチ セルジオ・モーラVSバーノン・フォレスト

2008-11-10 22:29:25 | Boxing
フォレスト ユナニマスディシジョンで勝利

前回対戦では何とかの一つ覚えのように右ストレートを突き刺しにいっていたが、
今回はしっかりと左ジャブに明確な意思を込めてきたフォレストの貫禄勝ちか。
ワン・ツーは攻撃における基本でありながら、必勝パターンともなりうる。
しかし、「当たれば倒せる」という誤った確信を抱いていては当たるものも当たらない。
前戦のフォレストはまさにその陥穽にはまってしまったが、
ダイレクトリマッチでは完全に修正してきた。
モチベーションを喪失して、中途半端に仕上げてくるものと予想していたのだが。
ストレート系のパンチャーであることに変わりはない。
前回と今回の違いはジャブの使い方。
馬鹿正直にワン・ツーを繰り出すのではなく、
フェイント、ジャブ、ストレート、あるいはジャブ、ジャブ、ストレートと
つなげるなど距離を測定するジャブ、相手を牽制するジャブを使い分け、
相手が絡みついてくれば左フックと右ショートアッパーをお見舞いするなど、
完全にモーラ対策がハマった。
順調に行けば次戦はセルヒオ・マルチネス相手に王座吸収戦となるわけか。
ご愁傷様と云っておこう。

敗れたモーラだが、ウェートが馴染んでいないのか?
接近戦を身上とするジャバーという変則ファイターだが、
どうにもその曲者振りが苦し紛れに見えた。
いいパンチを顔面にもボディにも数発入れることはできたが、
パンチ力の無さが災いし、フォレストに明確なダメージは与えられなかった。
クリンチの上手さも目立たなかったな。
ラバーマッチを行ってもいいだろうが、Sウェルターが馴染まなければ、
ミドルにリターンすべきかもしれない。
が、現ミドル級ラインナップには当分食い込めそうもない。

サンタナVSアルシンやこの試合を観て思ったが、
シントロンはSウェルターに転級するべきだ。
マルチネス以外なら何とかなるよ。