BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界ヘビー級タイトルマッチ サミュエル・ピーターVSビタリ・クリチコ

2008-10-14 10:01:23 | Boxing
クリチコ 8ラウンド終了TKO勝利

見事なシェイプアップとファイトプランだったとビタリを称賛するべきなのだろうが、
なぜか素直にその思いを言葉にできない。
そういうファンは多かったのではないだろうか。
これが現在の世界ヘビー級のタイトルマッチ戦線の現状だということを知るほど、
昔日の郷愁に駆られてしまう。

初回、ビタリがスムーズに右を打ち下ろした時点で勝負はついていたのかもしれない。
展開としては弟ウラディミルとブリュースターの再戦にそっくりで、
相手のギブアップによる決着はまさにデジャヴ。
しかし、その試合のウラディミルの胸はこの日のビタリほど赤くはならず、
しっかり体は作ってきたものの、細胞レベルのresilienceは
4年のブランクで失われていたことは明らかだった。
本格的に復帰するのか、ワンマッチのリターンになるのだろうか。
イブラギモフ、チャガエフ、マスカエフあたりの元・前王者に期待?
それともポベトキン、ヘイ、アレオラのような新鋭を待つ?
まさかのゴロタやトニー、ジョン・ルイスの復権?
現ヘビー級の王者・ランカーにもタレントはそろっている。
しかし、このタレントに満足していいのだろうか?

フォアマン、フレージャー、ルイス、ホリフィールド、タイソンによる演出は
試合直前には大いに興奮させてくれたが、試合後に思い返すと白けるばかり。
ヘビー級のsensationは次にいつ訪れるのだろうか。

敗れたピーター、応援してたんだがなあ。
J・マクラインにころころ転がされたあたり、ひょっとして自分よりデカイ奴に弱い
という印象があったが、実際に弱かった。
オープニングのゴングから強引に潜り込んでボディにしつこく喰らいつくという
作戦はなかったのだろうか。
エントランスですでに会場の雰囲気に呑まれていたように見受けられたが、
この男も黒人特有のメンタルの弱さがあったのか。
マスカエフには最後には野獣のごとく襲い掛かったのに、
ビタリ相手になぜそれができないのだ。

WBA世界Sウェルター級タイトルマッチ ジョアキム・アルシンVSダニエル・サントス

2008-10-14 09:30:00 | Boxing
サントス 6ラウンドKO勝利

かつて浜さんが「Sウェルターで団体統一するならアルシン」と語っていたが、
それが見込み違いだったことが証明されてしまった。
カウンターを準備している相手に対して臆病すぎた。
序盤の攻防だけ見れば、どっちがサウスポーでどっちがオーソドックスか
分からないぐらいだった。
結局、右が主武器なのだが、それをきれいに打ち込みたい意識が強いんだな。
捨てパンチを打たず、ボディワークでしのぎながら相手の隙を見出したいという
スタイルゆえに、どうしても後手に回ってしまう傾向がある。
ウェルターとミドルの2大階級の隙間で期待されていたスター候補だったが、
この敗北はあまりにも痛い。

勝ったサントスも前途多難か。
フィニッシュの左は狙い済ましたカウンターというよりは出会い頭の衝突気味だった。
スター候補の台頭と没落著しいSウェルターで古豪が意地を見せたと言えば聞こえはいいが、
評価を上げる内容ではなかったように思う。
1~3ラウンドはワン・ツー主体、以降は右フックと右へのサイドステップも
交えたが、主導権を握ったというよりは、安全策を採用したという感じ。
打ってくる相手に対して素直に退きすぎで、自らのファイトで大金を稼げるとは思えない。
だからこそマルガリート狙いなのだろうが。