BOXING観戦日記

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WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ アレクサンデル・ムニョスVS川嶋勝重

2008-01-15 00:22:12 | Boxing
115-114 115-113 117-111のユナニマスディシジョンでムニョス防衛

9ラウンドに押し切れなかったのが全てと言っても過言ではない。
そこから12ラウンドまで全部ポイントを取れる展開に持っていけたはずだ。
ひょっとしたらムニョスをKOできていたかもしれない。
しかし川嶋、スタミナ切れだったのか、サークリングに終始。
露骨にボディを嫌がるムニョスを休ませてしまった。
浜田さんではないが、「自分が苦しいときは相手も苦しい」のだから、
強引に行って欲しかったと思う。
ダメージングブローだけを比較すれば川嶋の勝利で間違いないが、
以前から言われているように手数が少なすぎた。
徳山、ミハレスと相性最悪の対戦相手を経て、
ようやく噛み合う相手と巡り合えた。
左ジャブ、アッパーをかわし、重いボディブローを幾度となく打ち込んだ。
100%の力を出したが、勝てなかった。
試合後にリング上で引退を表明した川嶋の言葉に心が揺さぶられた。

『ここまで生きてきて良かった』

川嶋勝重というボクサーの生き様、そして死に様を見届けた。
とことん不器用な選手だったが、フィジカルとメンタルを鍛え上げ、
一度は世界の頂点を掴み取った。
不器用という欠点をひたむきさ、愚直さという美徳に昇華し、戦い続けた。
2度目の世界戴冠は見果てぬ夢に終わったが、彼の戦いの足跡は我々の心に残る。
一ボクシングファンとして感謝したい。
12年間ありがとう、川嶋勝重。