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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

相電流(相電圧)と線間電流(線間電圧)

2009-09-25 22:03:22 | 電子回路
三相交流において

Δ結線の「線間電圧」=「相電圧」
Δ結線の「線間電流」=「相電流」×√3

Y 結線の「線間電圧」=「相電圧」×√3
Y 結線の「線間電流」=「相電流」

といわれます。確認してみましょう。

上図のようにΔ結線の線間電流Iabは相電流iaから相電流icを引いたものです。これをベクトル図に示したものが下図です。

線間電流は Iab=ia-ic ですから Iab=ia+(-ic)であり
赤矢印のベクトルが線間電流Iabとなります。角度が-π/6 rad (-30°) 横軸からの垂線の長さが√3 /2の直角三角形の斜辺がIabの大きさですから

ia=1とすると
Iab=√3 ∠-30°となります。(iaに対して30°遅れ)


Y 結線の線間電圧は各々の相電圧の電位差ですから
線間電圧Vabは Vab=va-vbです。

ベクトル演算は上の線間電流の場合とまったく同じ要領です。赤矢印が相電圧、青矢印が線間電圧Vabです。よって

va=1とすると
Vab=√3 ∠30°となります。(vaに対して30°進み)


【参考】

直交座標系による線間電流、線間電圧の計算
 
Δ結線の線間電流 Iab=ia-ic を三角関数で表すと
 Iab=sinθ-sin (θ+2π/3)
 
θ=0として、直交座標に変換すると
 Iab=(1+j0)-(-1/2+j√3 /2)
 Iab=3/2-j√3 /2

 絶対値は
 [Iab]=√{ (3 /2)^2+(√3 /2 )^2 } 
 [Iab]=√(9/4+3/4 ) 
 [Iab]=√(12/4 ) 
 [Iab]=√3 

 偏角は
 ∠Iab=tan-1{-(√3 /2) / (3/2) }
 ∠Iab=-tan-1 (√3 /3 )
 ∠Iab=-π/6 (rad) :-30°


Y 結線の線間電圧 Vab=va-vb を三角関数で表すと
Vab=sinθ-sin (θ-2π/3)
 
θ=0として、直交座標に変換すると
 Vab=(1+j0)-(-1/2-j√3 /2)
 Vab=3/2+j√3 /2

となってΔのIabの虚軸符号が変わるだけ。
 よって絶対値は
 [Vab]=√3 

 偏角は
 ∠Vab=π/6 (rad) :+30°

関連記事:
「三相交流(YΔ結線)」2009-09-25
「スコットトランスのしくみ」2009-10-03

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