electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

フレームグランド(大地接地)の意味

2010-02-13 16:12:48 | 電子回路
「とある電子機器」のSGは金属ケースに接続されています。さて、この金属ケースをFGに落としますか?それとも落としませんか?仮にFG=0Vとした場合、金属ケースの電位は10Vかもしれないし、100Vかもしれないし、1000Vかもしれません。また10V~1000Vくらいを交流的に変動しているかもしれません。しかし「とある電子機器」は何ら問題なく動作します。FGの電位とは無関係にVCC-SG間の電圧はまったく変動しないのですから。しかし、人が裸足でFGの上に立っていれば、その人の電位は0Vです。この時、金属ケースが100Vだったとして、もしその人が金属ケースに触ったらどうなるでしょう?

当然、感電して電流が人を通ってFGに流れます。つまりどの様な電子機器であれ、その筐体をFGに落としておかなければ危険なのです。つまり、FG接地の大きな目的の一つは「感電防止」です。洗濯機のボディーをアース線で大地接地するのと同じことですね。もう一つノイズ対策にも実は大きく関わります。というのも、どのような場所であれ、静電誘導ノイズは多くの場合、大地電位を基準として発生するからです。ということは、電子機器の金属ケースや信号線のシールド線を大地に1点接地する(大地と同電位にする)ことにより静電誘導ノイズに対して遮蔽することになります。

しかしながら実際の現場では、この大地への1点接地がなかなか難しく、1点と思っていたものが信号線の先端で2点目が落ちていたり、確実な理想配線は難しいものです。よって現場でのノイズ対策はカット&トライとなることが多くなるのです。このような事情によりSGとFGを電線やコンデンサなどで接続すると、FGのノイズがSGを伝達して回路の信号にノイズを与えるという説を唱える人がいますが、ほとんど迷信です。SGとFGが同一ポイントで確実に1点接地されていれば、対ノイズ性は最も強固なものになります。

関連記事:
静電誘導ノイズを考慮した接地設計 2010-03-07
フェライトコアが高周波ノイズを除去するしくみ 2010-02-24
コモンモードチョーク 2010-02-10

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コモンモードチョーク | トップ | タイマーIC 555を作ろう »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
フィギュアが効いてます?! (kaoaru)
2013-02-01 12:48:29
なかなか気の利いたフィギュアです^^;

ここでいう「フレームグランド」は「大地」と表現されていますから「第一種接地」のことですね!

たしか「第三種」くらいまで定義されてた思いましたが・・・もう忘れちゃいました!


面白い(?)実体験があります。

電子機器がたくさん接地されると「各機器のFG間」で感電することがあります。

別にリークして起こるのではないのです。1台だけなら何も起こりませんから・・・。

これに関しては「感じやすい人」と「そうでない人」に分かれるようで、私は「感じやすい人」のほうでした。

たしかに、同じ環境でまったく感じなかった人、いました。

電気工事屋さんだと「活線」のまま作業しちゃう人もいたようですが・・・。つまり、AC100V通電したまま配線作業するんですね、ビリビリしながら・・・。
返信する
フィギャー (ホロン)
2013-02-01 22:36:19
なかなかいいフィギャーでしょう。kaoaruさんなら分かってくださると思ったんです。(^^)

接地にも一種~三種とあるですね。知りませんでした。ともかく理屈上感電しないようにしておくということですね。

3pACプラグの付いた電源ケーブルの測定器ではよくやりますよね。機器間のショート。だから私は必ず2pに変換して使います。オシロスコープなどをあえて大地接地する意味もありませんしね。

しかしAC100Vに感電しながら配線作業をする方がおられるとは、なかなかの強者ですなあ。
返信する

コメントを投稿

電子回路」カテゴリの最新記事