electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

SRAM(メモリ)の原理

2007-10-16 20:56:10 | 電子回路
(データ記憶デバイス)

Dフリップフロップの74HC74を図のように並べたこの回路は、いったいどのような動作をし、どのような意味を持つのでしょうか。

アドレススイッチ0をオンにするとクロックの立下りで、一番上の一行目(4個横並び)のHC74にデータ0~3の論理値が読み込まれますね。次にアドレス0をオフにしアドレス1をオンにすると2行目の4個のHC74にデータが読み込まれます。そしてアドレス0のHC74は先に読み込んだデータを保持し続けています。引き続き、アドレスを2、3と切替えていっても同様に、各アドレスのHC74はデータを読み込み記憶していきます。つまり図のように並ぶDフリップフロプの横の並びがアドレス行、縦の並びが4bit(4桁)のデータ列であり、このようなメカニズムでデータを記憶する回路をメモリといいます。この回路は、4つの番地(アドレス)を持つ4bitのメモリといえます。

実際のデバイスとしてのメモリはワンチップのICですが、中には無数のフリップフロップを内蔵しています。8個で8bitつまり1バイトのメモリになりますから、例えば64Mバイトのメモリは512,000,000個のフリップフロップを持っていることになります。
因みに、各アドレスのデータを自由に読み込んだり書き込んだりして使用できるメモリをRAM(Random Access Memory ):ラムといい、一度書き込むとデータを書き換えることができず、読み出し専用として使用されるメモリをROM(Read Only Memory):ロムといいます。一般にRAMは電源を落とすとデータが消滅し、ROMは電源を落としてもデータを保持し続けます。

では実際のメモリデバイスはどのようなものか見てみましょう。下の図はサイプレス社のCY7C185というRAMです。データbitはD0~D7の8ビット長、アドレスbitはA0~A12の13bit長であり、2進数でアドレス指定します。アドレスが13bitですから、このメモリは8192バイトのメモリ容量を持つことがわかります。

CE1とCE2はチップイネーブルといい、CE1=LかつCE2=Hの時にこのメモリは動作します。WE-はライトイネーブルといい、WE-=Lの時に書き込み(入力)モードになります。OE-はアウトプットイネーブルといい、OE-=Lの時に読み込み(出力)モードになります。よってWE-とOE-を同時にLにしてはいけません。設計においては、互いにL、Hが入れ替わるように周辺回路を構成します。

関連記事:74HC74の応用(カウンタ) 2010-04-07

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソラリス | トップ | 生きることの本来的目的 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんなことまで・・・ (kaoaru)
2013-02-18 23:41:02
こういうのまで書いていたのですね!

こういうのを全部トランジスタで組んだことがあります。ほんとに沢山使うので配線がものすごく大変でした。

FFはトランジスタがもったいないので2個にしておきました。

そのおかげで、まぁ、配線作業は黙々と・・・いいヒマつぶしになりましねぇ~、って、一体なんのためにやってたの?!

そういうおバカさんです!
返信する
懐かしい (ホロン)
2013-02-19 01:20:03
いま改めて見て私も思いましたが「こういうのまで書いてた」んですねえ。いやいやとっても懐かしい。でもこの記事、あんがい人気があって、アクセス数結構高いんですよ。
(^^)

トランジスタでフリップフロップを作ってメモリを組んだのですか?それはまた大仕事でしたね。ご苦労様です。いやいやそういうことに意味があるのですよ。トヨタではいまだに単気筒エンジンを回すだけの仕事をしている学者先生がいると聞きました。
返信する

コメントを投稿

電子回路」カテゴリの最新記事