★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇新刊情報

2024-08-13 09:35:42 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:もっときわめる! 1曲1冊シリーズ ⑧  J.S.バッハ:《マタイ受難曲》

著者:矢澤孝樹

発行:音楽の友社

 各曲をしっかり聴きたい人向けに1冊で1曲を扱うシリーズ第8弾。J.S.バッハの代表的な宗教作品をその魅力とともに徹底詳解。現代におけるこの作品の存在意義を「序」で述べたのち、第1章では作品の成立事情について前史を含めて詳解。第2章では、バッハの宗教音楽全体の中での受難曲の位置を提示、そして微に入り細を穿った詳細な楽曲解説を展開。第3章では、演奏傾向を分類した上で、それぞれの代表盤を中心に多くの録音に言及した「録音史」を詳述。古楽を得意とし、新聞・専門誌・講演等で活躍、読者からの信頼も厚い著者が、作品の魅力を1冊で語り尽くす。


書名:トスカニーニ 良心の音楽家 (上)歌劇界での人生/(下) 決して不在でなかったマエストロ

著者:ハーヴィー・サックス

訳者:神澤俊介

発行:アルファーベターブックス

 20世紀の最も活動的で影響力の大きい音楽家であり並外れた人間であったトスカニーニの、非凡な生涯とキャリアを描いた全く新しい伝記。上下巻で1000 頁を超える大作。他の人々が作曲した作品を理解し公演するのが仕事である解釈音楽家として自らの良心に従っただけでなく、他の音楽家との関係、また人間の自由と公正を強く信奉する人間としても自らの良心に従った、良心の音楽家、巨匠トスカニーニの生涯を描く。


書名:ヴァイオリンを弾き始めた日本人~明治初年、演奏と楽器製作の幕開け~

著者:梶野絵奈

発行:青弓社

 日本人はいつ、どのようにしてヴァイオリンを演奏しはじめたのか。どのようにしてその製作を始めたのか。そして、演奏技術や楽器製作はどのように広まったのか。これまで未知だった日本でのヴァイオリン黎明期を解き明かす。いつ誰がヴァイオリンを演奏しはじめたのか――最初に伝習を始めたハリストス正教会、それに続いた洋楽協会、音楽取調掛における伝習開始の経緯や目的、具体的な実践内容をひもとく。指導に当たった外国人の宣教師や音楽教師と日本人の弟子たちとの試行錯誤、日本の音楽教育やオーケストラの萌芽についても描き出す。いつ誰がヴァイオリンを作り始めたのか――初めてヴァイオリン製作に成功した職人をはじめとする黎明期の職人について、定説の検証や新資料の発見に基づき新たな説を提示する。また楽譜や教則本が国産されて、消費の対象になる過程にも光を当てる。ヴァイオリンは音楽を楽しむ道具としてだけでなく、宗教的・教育的・政治的な意図が折り重なるなかで日本に導入された。緻密な調査により、日本の近代化と歩調を合わせてヴァイオリンが日本人に受け入れられていった当時の熱量を現代に再現する。


書名:ビートルズ・イン・ハンブルク~世界一有名なバンドを産み出した街~

著者:イアン・イングリス

訳者:朝日順子

発行:青土社

 ビートルズ、デビュー直前の修行時代。世界を席巻する前のビートルズは、駆け出しのセミプロ集団に過ぎなかった。同書は、1960年8月にビートルズのエージェントであるアラン・ウィリアムズが最初に派遣したドイツ・ハンブルクでのビートルズの様子を生き生きと描き、ハンブルクという街がビートルズの物語にどのような役割を果たしたのかを示すだけでなく、彼らが直面した困難――公演会場、年齢制限、国外追放などの問題――、そして演奏家や作曲家としての彼らを形成した経験についても詳しく描く。ビートルズはハンブルクにおいてプロのミュージシャンになっただけでなく、最終的に世界で最も人気のあるバンドになるための礎を築き始めていたことを明らかにする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする