初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

打楽器奏者 エブリン・グレニー

2009年11月29日 | テレビでクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は、打楽器奏者 エブリン・グレニーです。

さて、以前にも紹介していたTBSで放送中の「CBSドキュメント」(何故か関東ローカル)なんですが、最近ちょくちょく録画して見てたんですけど、実は結構歴史が長いらしいこの番組。先日の放送で何と通算1000回目の放送を迎えたんだそうな…。

そこで、1988年の第1回放送から司会を務めていたピーター・バラカンさん(日本語ペラペラの人)が印象に残った3つのレポートを放送するという様子。

1本目はバングラディッシュで貧しい人だけにローンを組んで、経済を立て直したというお話。

2本目は、アメリカからのレポートで、囚人(犯罪者)に高等教育を与え(大学生レベル)学位を取得させる事で再犯率を減少させるというお話。



そして3本目が今回このブログで紹介するお話。
打楽器奏者エブリン・グレニーのお話です。
グレイテスト・ヒッツ
グレニー(エベリン)
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彼女エブリンはスコットランド郊外の農家に生まれましたが、6歳の頃から聴覚が低下し始めて、16歳の頃には医師から深刻な難聴と診断され補聴器を渡されます。
それでも彼女は普通校に通い、音楽の道をあきらめる事は無かったようです。
記者が、「(演奏時に)補聴器を使った事は…?」と質問すると、
「学校ではとても役に立ちました、でも補聴器は音量を上げる機械ですから、音の持つ透明感を感じられないんです」と彼女は笑顔で答えます。

「私は補聴器を付けない方法を試し始めました。つまり耳で聴くのではなく、体全体を使って音を体全体に引き入れるのです。」と続ける彼女。

「打楽器は目で見て楽しめる要素があるでしょ?!・・・例えば日本の伝統的な大太鼓を見た事がある人なら分かるとおもいますけど、聴衆を唸らせるのは音の大きさではなく、音の幅というのかしら?それが聴衆の体全体を包み込むのです。」

彼女は人と会話をするときに口元を見て言葉を理解するという。(読唇術ってヤツですか)記者が「あなたは名前を間違えてイーブリンと言っても分かるそうですね。」との問いに、「イー、エーかなり違いますからねぇ」と答え記者の話すアメリカ英語の特徴まで淡々と語る彼女。

オーケストラとの練習では唇を読めない事も、指揮者が常に彼女の方を向いているとは限りません。「でもそれは私の問題だから私が対処すればいいだけです」とサラリと言い放つ。

彼女は特定のオーケストラ専属の打楽器奏者という訳ではなく、ソロの打楽器奏者として、オーケストラと共演しています。ソロのピアニストやヴァイオリニストのように。

しかし、ピアノやヴァイオリンと違って打楽器ソロ奏者のための曲はそう多くはありません。ところが最近では、彼女のために協奏曲を作曲してくれる作曲家もいれば、自分自身で、打楽器のための曲に編曲したりもしています。

彼女はいくつもの楽器を演奏します。シロフォン、マリンバ、マラカス、ピアノ、ドラム。

彼女は、世界中を舞台に飛び回り演奏を続けているようです、そして、各地で見つけた楽器を自分のスタジオに持ち帰り、それを記者に披露します。

そして、また記者の質問。「演奏家にとって聴衆の反応は重要ですが彼女にとってはどうでしょう?」「ええ、もちろん重要です、興味津津できいてくれているのか、飽き飽きしているか、若い人は特に明らかで、いつも元気な反応はおもしろい」

「では拍手喝さいはどうですか?」との問いには「とても素晴らしい気持ちよ、雑音じゃなく、私を幸せな気分にしてくれるんです。」


いやぁ見てても最初は、「ホントにこの人、聴覚障害を持ってる人なの?だって普通に会話してるし・・・」というのが正直な感想でした。
番組を見ていると次第に内容が分かってきましたが・・・、
それにしてもスゴイ!番組を見る限りにおいては彼女はいつも笑顔で楽しそうに答えていましたし、楽器を演奏しているときはまるで、子供が新しいおもちゃを買ってもらったときみたいに真剣に遊んでいるようにも見えてきました。
番組冒頭で「聴覚障害をもつ打楽器奏者」との字幕が出ていましたが、その事を知らされないで、見ていたら、別に普通の明るい打楽器奏者くらいにしか見えないから、こりゃまたびっくり。

「障害者」「健常者」どちらも一概にひとまとめにする事は出来ませんが、生きることを楽しんでいる人には、そのいずれの言葉も彼らの前ではかすみ、学ぶところが多いなぁ、なんて思った今日この頃でした。


ちなみに「CBSドキュメント」は次回も1000回記念放送!との事なので、今回みたいにクラシック音楽ネタがあるのかも??

【CBSドキュメント】
TBSの深夜番組。毎週水曜深夜25:30前後~1時間番組(残念ながら関東ローカル)
司会はピーター・バラカンさん(声だけ聞くと日本人)と吉川美代子さん(TBSアナウンサー)
アメリカの放送局CBSのドキュメンタリー番組「60Minutes」を主に放送。
放送内容は多岐に渡り、イラク戦争から大統領選、FBI、医療問題、環境問題や、今回みたいに音楽もの(クラシックに限らず)までとにかくありとあらゆる分野のドキュメンタリーを放送。過去に見た音楽ものだと、ホロヴィッツ特集とか、“精神障害者が音楽に大きな才能を発揮”みたいなのも見た事ありますけど、音楽関係が放送されるのは、たま~にしかないので、要注意(決して音楽番組ではありません。)


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