たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第32番です。
この曲はベートーヴェンが作曲した32曲のピアノソナタの中で、番号通り最後の曲です。
特徴としてはスタンダードな「ピアノソナタ」が全3楽章なのに対して、この曲は全2楽章で作曲されています。CDの解説他、この曲の解説を少し見てみると、ベートーヴェンのピアノソナタの総決算のように「完成した曲」として紹介されている事が多いようです。
ただ、そう言われても、特にピアノが弾ける訳でもなく、多少の「クラシック好き」程度の自分の理解度では、音楽的にはどの辺が「完成」しているのかを説明する事は出来ませんが、
とにかく聴いてみた感じだと、何かを必死に伝えようとする第1楽章と、おだやかでけだるそうな第2楽章が対照的で、ベートーヴェンの他のソナタのように「さあ、来い!」と構えて聴かなくても、なんとなくいつの間にか引き寄せられるような、そんな一曲だと思います。
第1楽章:中低音のピアノが重く響きわたると、その余韻のような響きがトリルで
続きます。何度もその強い思いを訴えかけるように繰り返すと、
トリルは低音からじわじわと迫り、低音の力強いフレーズが現れます。
低音のフレーズは勢いをつけるように何度も繰り返され、繰り返すごとに高音へと
盛り上がり、舞い上がるように広がっていきます。
一度、落ち着くと再び低音のしっかりとしたフレーズで引き締め、また同じように
そのフレーズを重ね、どうにかその思いを伝えようとすべく盛り上がっていきます。
スピードを持たせたかと思うと、なだらかになったり、力強くなったり、同じフレーズ
を何度となく形を変え、くりかえしくりかえし、これでもかと言わんばかりに
何度も、何度も重ねていきます。
そして、一瞬それを成し遂げたように高音がキラキラと輝くような響きを聴かせますが、
やはり最後はしっかりとしたフレーズを残して、真面目な表情でおだやかに曲を
締めくくっていきます。
第2楽章:中音域のゆったりとした、おだやかな音色がやわらかく、少し力無げに
ただよってきます。
気だるい感じにも聴こえる、このとりとめのないメロディともフレーズともつかない
とてもおだやかなピアノの響きは、いつの間にか心地よく耳に入ってきます。
そんなおだやかな雰囲気に慣れてきた頃に、ようやくリズムが整った、
ゆるやかなメロディが流れてきます。
やさしく響くメロディは、時折寂しげな表情も見せますが、やわらかい微笑みを
投げかけてくれるように、しっとりと響きます。
そんな響きに、こちらも思わず表情がゆるむと、まるでそれを見ていたかのように
リズムに弾みがついて、また笑顔を返してくれるかのように楽しい表情を聴かせます。
お互いの笑顔が分かると、更に飛び跳ねるように楽しいリズムになり、
おおいに喜んで、その喜びを弾んで表現しているようです。
決っして派手にはなりませんが、その微笑みひとつが分かり合えた事を精一杯伝えて
くれるように聴こえてきます。
そして、高音の可愛らしいフレーズが流れると、ハッピーエンドかと思いきや、
一瞬、低音の暗い影が落ちてくるような響きになりますが、高音のフレーズが
どうにかハッピーエンドを迎えようとします。
高音と低音はお互いにせめぎあうように、響いていきます。
そして両方が少しずつ距離を近づけながら、やがてひとつのメロディを奏でて
いくと、
ひっそりと輝くような美しいフレーズが、さらりと流れてそのきらめきの
余韻を残したまま、すうっと消えるようにいつの間にか曲は終わります。
1楽章の冒頭は、やや堅い雰囲気の残る感じですが、ピアノの音色に耳を傾けていると、いつの間にか2楽章になり、心地よい調べとともにいつの間にか終わってしまような、ちょっと不思議な曲に感じます。
前半の厳しい表情が時間と共にゆっくりと解きほぐされていくような音色に変わっていくところが聴きどころかもしれません。
≪オススメCD≫
バックハウスでどうぞ
【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★
≪おすすめシチュエーション≫
何気なく聴き始めても引き込まれてしまう一曲です。
今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第32番です。
この曲はベートーヴェンが作曲した32曲のピアノソナタの中で、番号通り最後の曲です。
特徴としてはスタンダードな「ピアノソナタ」が全3楽章なのに対して、この曲は全2楽章で作曲されています。CDの解説他、この曲の解説を少し見てみると、ベートーヴェンのピアノソナタの総決算のように「完成した曲」として紹介されている事が多いようです。
ただ、そう言われても、特にピアノが弾ける訳でもなく、多少の「クラシック好き」程度の自分の理解度では、音楽的にはどの辺が「完成」しているのかを説明する事は出来ませんが、
とにかく聴いてみた感じだと、何かを必死に伝えようとする第1楽章と、おだやかでけだるそうな第2楽章が対照的で、ベートーヴェンの他のソナタのように「さあ、来い!」と構えて聴かなくても、なんとなくいつの間にか引き寄せられるような、そんな一曲だと思います。
第1楽章:中低音のピアノが重く響きわたると、その余韻のような響きがトリルで
続きます。何度もその強い思いを訴えかけるように繰り返すと、
トリルは低音からじわじわと迫り、低音の力強いフレーズが現れます。
低音のフレーズは勢いをつけるように何度も繰り返され、繰り返すごとに高音へと
盛り上がり、舞い上がるように広がっていきます。
一度、落ち着くと再び低音のしっかりとしたフレーズで引き締め、また同じように
そのフレーズを重ね、どうにかその思いを伝えようとすべく盛り上がっていきます。
スピードを持たせたかと思うと、なだらかになったり、力強くなったり、同じフレーズ
を何度となく形を変え、くりかえしくりかえし、これでもかと言わんばかりに
何度も、何度も重ねていきます。
そして、一瞬それを成し遂げたように高音がキラキラと輝くような響きを聴かせますが、
やはり最後はしっかりとしたフレーズを残して、真面目な表情でおだやかに曲を
締めくくっていきます。
第2楽章:中音域のゆったりとした、おだやかな音色がやわらかく、少し力無げに
ただよってきます。
気だるい感じにも聴こえる、このとりとめのないメロディともフレーズともつかない
とてもおだやかなピアノの響きは、いつの間にか心地よく耳に入ってきます。
そんなおだやかな雰囲気に慣れてきた頃に、ようやくリズムが整った、
ゆるやかなメロディが流れてきます。
やさしく響くメロディは、時折寂しげな表情も見せますが、やわらかい微笑みを
投げかけてくれるように、しっとりと響きます。
そんな響きに、こちらも思わず表情がゆるむと、まるでそれを見ていたかのように
リズムに弾みがついて、また笑顔を返してくれるかのように楽しい表情を聴かせます。
お互いの笑顔が分かると、更に飛び跳ねるように楽しいリズムになり、
おおいに喜んで、その喜びを弾んで表現しているようです。
決っして派手にはなりませんが、その微笑みひとつが分かり合えた事を精一杯伝えて
くれるように聴こえてきます。
そして、高音の可愛らしいフレーズが流れると、ハッピーエンドかと思いきや、
一瞬、低音の暗い影が落ちてくるような響きになりますが、高音のフレーズが
どうにかハッピーエンドを迎えようとします。
高音と低音はお互いにせめぎあうように、響いていきます。
そして両方が少しずつ距離を近づけながら、やがてひとつのメロディを奏でて
いくと、
ひっそりと輝くような美しいフレーズが、さらりと流れてそのきらめきの
余韻を残したまま、すうっと消えるようにいつの間にか曲は終わります。
1楽章の冒頭は、やや堅い雰囲気の残る感じですが、ピアノの音色に耳を傾けていると、いつの間にか2楽章になり、心地よい調べとともにいつの間にか終わってしまような、ちょっと不思議な曲に感じます。
前半の厳しい表情が時間と共にゆっくりと解きほぐされていくような音色に変わっていくところが聴きどころかもしれません。
≪オススメCD≫
バックハウスでどうぞ
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★
≪おすすめシチュエーション≫
何気なく聴き始めても引き込まれてしまう一曲です。