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再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

骨再生促す補てん材開発 骨移植の代替期待=東北大学

2008年12月24日 | 再生医療
 東北大大学院歯学研究科の鈴木治教授=顎口腔(がくこうくう)機能創建学=と医学系研究科の井樋栄二教授(整形外科学)らの研究グループは、従来より高い骨再生促進効果のある骨補てん材を開発した。骨の腫瘍(しゅよう)摘出による欠損を補うなど、骨移植が必要な患者に適用が期待されるという。

 開発した人工合成の骨補てん材は低結晶性のリン酸オクタカルシウム(OCP)。従来のOCPの組成割合をわずかに調整して実現した。

 グループはラットの頸(けい)骨に開けた直径3ミリの穴に、直径300―500ミクロンの粒状の低結晶性OCPと従来のOCPを埋め込み、骨組織が再生する様子を観察。8週間後を比較すると、低結晶性OCPの場合、従来のOCPに比べて平均1.69倍、新しい骨組織が形成されていた。

 骨再生には、自分の骨を移植する方法が最も優れている。ただ、量が限られ、健康な部分を傷付けてしまう恐れがあることから、人工材料の開発が進められている。

 骨補てん材としては、骨の主成分であるヒドロキシアパタイトを模した人工合成材料などが使われている。OCPはまだ実用化されていない。

 鈴木教授は「今回の実験で、低結晶性OCPは骨をよく形成することが判明した。今後は人への応用に向けて研究を重ねたい」と話している。
 研究結果は英科学誌の電子版に掲載された。

[河北新報 2008年12月24日]
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/12/20081224t15021.htm