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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

魚たちは赤い蛍光色を発し赤色を認識する=(独)チュービンゲン大学ら

2008年09月16日 | 生きもの色々
【9月16日 パリ/フランス発 AFP】多くの魚や海洋生物が、赤色ネオンのような蛍光色を発しているとする論文が、15日発表された。

 太陽の可視波長は最長でも海面下10メートルまでしか届かないため、海中では色のスペクトルが不足し、魚は赤色をほとんどまたは全く認識できないというのがこれまでの定説だった。例えば消防服のような真っ赤なダイビングスーツは、海面下20メートルではダークグレーまたは黒色にしか見えない。魚にとってもそうであろうと魚類学者たちは考えてきた。

 だが、ドイツのチュービンゲン大学(University of Tubingen)のNico Michiels氏らは、そうした考えが間違いであることを偶然、発見した。

 同氏は同僚らととともに、緑と青の光線を遮断して赤の光線だけを通すゴーグルを着けて海中にもぐったところ、赤色に光り輝く世界を目の当たりにした。魚、藻、サンゴ、その他の微小生物が、深紅、ルビー色、チェリー色、さび色に輝いていたという。「日中に海に差し込む緑と青の光線が、われわれに赤色を見えなくさせていた」とMichiels氏は言う。 
 
 研究では、岩礁に生息するハゼやベラなど少なくとも32種の魚類が、太陽光による反射ではなく、自ら「クリスマスの赤い電飾のように」光ることができることもわかり、海中ではなく研究室でも確認された。発光源は、マニキュア液や塗料の光沢として使用されるグアニン結晶であるという。

 蛍光色の赤色を発光すると、たとえ深海であっても、付近の魚に認識されやすくなる。また、多くの魚が赤色を完全に認識できていると考えられる。

 それにはいくつかの理由がある。赤色を発光することで、交尾の相手を探したり、危険を知らせたりすることができる。サンゴ礁では、赤色を出すことがカモフラージュ効果を生む。

 発光することでどのように情報をやりとりしているのかが、今後の研究課題だという。魚が認識できる色スペクトルの実験を重ねて、一部の魚が赤色を実際に認識できていることを立証したいとしている。(c)AFP

[AFP BB News 2008年09月16日]
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2518039/3346102

人間の目はクラゲ起源か 光とらえる仕組み類似=大阪市立大学

2008年09月16日 | 生きもの色々
クラゲと人間は、目で光をとらえる仕組みがよく似ているとの研究結果を、大阪市立大の寺北明久教授と小柳光正講師(分子生理学)らが16日までにまとめた。

寺北教授は「クラゲは脳を持たない原始的な動物だが、人間の視覚システムはクラゲの祖先から進化した可能性がある」と話している。

クラゲの目にはレンズや網膜がある。寺北教授らは、アンドンクラゲの網膜で光をキャッチする「視細胞」を調べ、情報伝達にかかわるタンパク質などを特定。

その中で、光の信号を神経を伝わる電気的な信号に変換しているタンパク質や、このタンパク質に情報を伝えている「環状ヌクレオチド」という物質は、人間と共通であることを確かめた。

視細胞の仕組みは、無脊椎動物と脊椎動物で異なる。クラゲの目は脊椎動物の目と構造は似ているが、目のレンズが光を効率良く集めることができないこともあり、従来は脊椎動物とは起源が異なると考えられてきた。

寺北教授は「クラゲの目が光をとらえる仕組みは、脊椎動物のグループに近い」と話している。

[中国新聞 2008年09月16日]
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2008091601000102_Science.html