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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

先天性難聴の遺伝子診断を開始=信州大学病院

2008年09月25日 | 医療技術
 信大病院(松本市)は24日、先天性難聴の原因を遺伝子レベルで調べる「遺伝子診断」を始めたと発表した。先天性難聴の約半数は遺伝子の変異によるといわれ、遺伝子ごとに発生部位や重症度、将来の進行などが異なることから、原因を特定して治療や療育計画に生かす狙い。同病院によると、先天性難聴の遺伝子診断は全国初という。

 同病院によると、先天性難聴の原因は分からないことが多く、同じ治療をしても言葉の発達に差が生じることがあった。耳鼻咽(いん)喉(こう)科長の宇佐美真一教授らが10年ほど前から、全国の病院と共同で難聴者約4000人分の遺伝子を研究。これまでに、日本人の難聴は10種類の遺伝子に起きる計47の変異によることが分かった。

 こうした成果を診断に活用。乳児の血液から遺伝子を採取し、47の変異の有無を調べる。結果を保護者らに伝える際は、難聴の仕組みや治療について説明する耳鼻科医のほか、遺伝子診療部の医師が同席。今後生まれる子どもや次世代が難聴となる確率なども説明し、疑問や不安に応える「遺伝カウンセリング」を行う。9月1日に開始後、既に2人が受診したという。

 県内の病院は2002年度から、新生児の聴覚スクリーニングを始めている。遺伝子診断は、精密検査などで訪れた保護者が希望した場合に行う。記者会見した宇佐美教授は「言葉の発達には2-3歳が重要な時期。早い診断と適切な治療を行うことで、難聴児の言語発達を助けたい」と述べた。

[信州毎日新聞 2008年09月25日]
http://www.shinmai.co.jp/news/20080925/KT080924FTI090021000022.htm

車の正面が「顔」に見えるワケは?=ウィーン大学(独)

2008年09月25日 | 心のしくみ
【9月24日 パリ/フランス発 AFP】あなたにはフランス車ルノー(Renault)の「トゥインゴ(Twingo)」が、笑った顔に見えますか? フォルクスワーゲン(Volkswagen)の「ビートル(Beetle)」はおっかなびっくりの顔? 旧東ドイツの国産車「トラバント(Trabant)」は悲しそうで、BMWは怒った顔?

 わたしたちがこのように車の正面を見て人間の表情を連想するのは、顔から重要な情報をつかもうとする生来の習性のせいだという研究報告が、今週発売された科学誌「ヒューマン・ネーチャー(Human Nature)」に発表された。

■顔からの情報スキャンは生存メカニズムの名残

 人間はほかの動物同様、他人を一瞬見るだけで、その人が敵対的か協力的か、見知らぬ者か近親者かを判断する能力を発達させてきた。これは先史時代には生死を分けた重要な生存メカニズムの名残だ。

 ウィーン大学(University of Vienna)のカール・グラマー(Karl Grammer)氏率いるチームは、このメカニズムが自動車にも適用されうるのかどうかを実験した。

 男女比半々の成人グループ40人に、同色の38車種の前部の写真を見せ「顔に見えるかどうか、見えるとすれば人間の顔と動物の顔のどちらに近いと思うか」などを質問。さらに「子ども」「大人」「友好的」「敵対的」「男性的」「女性的」「尊大」「幸せそう」「消極的」「積極的」など全19項目の中から、印象として当てはまるものにチェックを入れてもらい、最後に好きな車を選んでもらった。

 結果は、回答者の3分の1以上が、9割以上の車種について「顔に見える」と答えた。また、すべての回答者がヘッドライトが「目」、フロントグリルが「口」に見えると回答した。さらに印象については、コンピューターがそれぞれの車種について人間の顔をもとに分類した「表情」とほぼ一致することがわかった。

■好かれるのは「力強い」顔の傾向

 好みの車については男女ともに、研究チームが「力」を表わす表情だとカテゴリーした「大人っぽい、支配的、男性的、尊大、怒っている」ようなデザインの「顔」を好む傾向があった。こうした車に共通した特徴は、フロントパネルが低く、フロントが幅広で、前から見ると四角くて頑丈なあごを連想させることだった。この「力」を表わすカテゴリーでは、BMWやクライスラー(Chrysler)300などが上位を占めた。 

 対照的に「おとなしい」「友好的」「子どもっぽい」といった項目にチェックが多くついたのは、日産(Nissan)のニューマーチ、フォルクスワーゲンのニュービートル、韓国・起亜自動車(Kia Motors)のキア・ピカントなどだった。

 車を見て人間の顔を連想する傾向についてチームでは、潜在的な危険を判断する際、最も手っ取り早い指標となる「顔」に関するどんな情報も見逃さないようにと発達した「判断ミス管理能力の産物と言えるだろう」とまとめている。

 今後は、こうした「顔」が車の購入や運転にどのような心理的影響をもたらすかを研究したいとしている。(c)AFP/Marlowe Hood

[AFP BB NEWS 2008年09月25日]
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2520582/3369821

後発薬:世界最大手が興和と合併会社 日本市場へ参入=テバファーマスーティカル・インダストリーズ社

2008年09月25日 | 創薬
 後発(ジェネリック)医薬品世界最大手のテバファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)は24日、中堅製薬会社の興和(名古屋市)と年内にも合弁会社を設立し、日本市場に本格参入すると発表した。新薬より割安な後発薬の利用を促し、収益拡大につなげる狙い。

 後発薬は新薬の特許が切れた後、特許内容を利用して別の会社が作る薬で、開発費が少ない分だけ価格が安い。厚生労働省が医療費抑制の切り札として積極利用を呼びかけており、第一三共が後発薬を手がけるインドのランバクシー・ラボラトリーズとの買収手続きを進めるなど、国内での動きは活発化している。

 合弁会社「興和テバ」は、テバが開発した後発薬を医療機関などに販売するほか、後発薬の研究・開発も手がける予定。資本金の額は今後詰めるが、テバと興和が50%ずつ出資する。2015年までに売上高を1000億円に拡大し、国内後発薬市場で1割のシェア獲得を目指す。

 テバの年間売上高は約1兆円。05年に日本に現地法人を設立したが、医薬品原材料を販売する程度だった。【宮島寛】

[毎日新聞 2008年09月25日]
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080925k0000m020106000c.html