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ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

切れた神経9センチ再生、新治療技術=京都大学

2006年11月29日 | 再生医療
 京都大学のチームは、事故で大幅に損傷した手足の神経を元通りにつなぐ再生技術を開発した。特殊な管を使い、切れた神経を患者体内で培養する。腕の神経を切断した患者では神経を長さ9センチにまで成長させてつなぐことに成功、まひがなくなり腕を正常に動かせるようになった。交通事故や労働災害で神経を切断しまひや痛みに悩む患者の治療に役立つという。

 京大再生医科学研究所の中村達雄助教授と稲田有史非常勤講師らは、特殊な細管を患部に埋め込み、切れた神経の両端を管に挿入した。管の中には神経が育つようにコラーゲンを詰めた。

[日本経済新聞社 NIKKEI NET / 2006年11月29日]
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061129AT2G1700W29112006.html

体内に鋳型を埋め込み、拒絶反応のない人工心臓弁を=国立循環器病センター

2006年11月11日 | 再生医療
 背中にシリコン製の「種子」を埋め込み、自分の細胞に覆われた人工の心臓弁をつくることに国立循環器病センターと京都府立医大のグループが動物実験で成功した。米シカゴで12日から始まる米心臓協会の学術集会で発表する。生体になじみ、拒絶反応が起きないヒト向けの人工の心臓弁への応用が期待される。今後、動物に移植する実験をする。

 国内では心臓弁膜症などの患者に対し、人工の心臓弁を植え付ける手術が、年間1万件以上実施されている。現在は、金属などでできた機械弁や、ウシやブタの心臓を材料にした生体弁が使われている。しかし、機械弁の場合、患者は血液が固まらない薬を飲み続けなければならず、生体弁も20年程度で寿命が来る。実験はこうした欠点を補う人工の心臓弁をつくろうというものだ。

 シリコンとポリウレタン製の「種子」をイヌ(弁の直径5センチ)とウサギ(同2センチ)の背中の皮膚の中に埋め込む。「種子」は1カ月ほどで、自然の修復作用でコラーゲンやコラーゲンを作り出す細胞で覆われる。約1カ月後に取り出して、弁としての機能や強度を確かめたところ、血液の逆流や漏れはほとんど起きておらず、弁の劣化もなかったという。

 強度は生体弁の6~8割だが、同センター研究所生体工学部の中山泰秀室長は「患部に定着すれば実用に耐えうる」と話している。

[朝日新聞 / 2006年11月11日]
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200611110038.html

人工肝臓 マウスのES細胞で作製=岡山大学

2006年11月07日 | 再生医療
 様々な臓器や組織の細胞になる能力がある胚(はい)性幹(ES)細胞からつくった肝細胞で人工肝臓を作製し、肝不全のマウスに移植して症状を回復させることに、岡山大医歯薬学総合研究科の小林直哉助手らのグループが成功した。肝炎などで肝機能が低下した患者の補助装置などへの応用が期待される。6日の科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー電子版に発表した。

 小林助手らは、マウスのES細胞を人の肝臓にある血管内皮細胞や肝細胞増殖因子などと一緒に培養して、7割という高率で肝細胞にすることに成功。さらに京都大再生医科学研究所と共同で、血液の成分を透過させる特殊な膜を使って1・5センチ四方の小型パック状の人工肝臓を開発した。

 ES細胞からできた肝細胞をパック内に詰め、肝臓の9割を切り取ったマウス10匹に移植したところ、9匹が12日間以上生存した。肝臓特有のたんぱくが合成され、解毒作用も回復した。

[読売新聞 / 2006年11月7日]
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20061107ke01.htm

マウスES細胞から神経細胞生成=東北大学・先端医工学

2006年04月30日 | 再生医療
 マウスのES細胞から脳や脊髄の神経細胞を創出することに、東北大先進医工学研究機構の加藤英政・助教授(幹細胞生物学)らのグループが成功した。ES細胞に加えるタンパク質の濃度などを調節することで、数千種類と言われる神経細胞のほぼすべてを安全に作り出せることが証明されたという。

 「万能細胞」として知られるES細胞は、あらゆる細胞に変身する性質を持つ。多くの研究者が動物のES細胞から神経細胞を作ってきたが、がん細胞に転化してしまうケースがあり、臨床応用は難しかった。

 グループはマウスのES細胞で「大脳皮質」と呼ばれる神経細胞を培養し、細胞の分化を促すタンパク質やビタミン類似体を投与。その濃度を調整したり、投与後の経過時間を変えるなどして、大脳基底核や中脳、脊髄の神経細胞、細胞に栄養を補給する「グリア細胞」を生成した。

[YAHOO!JAPAN ニュース / 2006年4月30日]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060430-00000011-khk-toh