4月。松浦西小学校5年3組の担任としてやってきたのは、生まれつき手足のない先生、赤尾慎之介。「フツーって何?」「1番を目指す意味は?」個性豊かな28人の子どもたちと先生は,様々な出来事を通して生きていくために本当に大切なことに気づいていく。
「五体不満足」で多くの人の共感を呼んだ乙武洋匡さんの初の小説「だいじょうぶ3組」が映画化された。赤尾先生役は実際に3年間の教員経験もある乙武さん本人。でも決してドキュメンタリー風ではなく、役者になりきって懸命に“演じている”ところがとてもいい。赤尾先生の補助教員・白石優作にはTOKIOの国分太一が挑戦した。教師の仕事を1度挫折したという役柄だが、赤尾先生とともに子どもたちの問題に関わりながら、自分自身も成長していく姿を好演している。
撮影場所が我が滋賀県にある豊郷小学校の旧校舎と聞いていたので、どのように使われているか興味津々だったが、さすがヴォーリスが設計した「東洋一の小学校」だけあって、その美しさと格調の高さには目を見張った。広い廊下、公園のような前庭、ウサギとカメのいる階段の手すり、教会のような講堂etc..そしてその場で繰り広げられる、オーディションで選ばれた子どもたちの自然体の演技が、何ともほほえましく見る者の心を温めてくれる。
金子みすゞの詩「わたしと小鳥とすずと」の学習で、赤尾先生の配ったプリントにはこう書かれていた。「私は〔 〕だけど、〔 〕なんだよ。」自分はそれなりの能力とよい面を持った大切な存在なんだという自尊感情。現代の日本の子どもたちはこの自尊感情がとても低い傾向にあるという。みんなちがって、みんないいんだよ!!
新しいスタートのこの時期、志を持ち、前向きに生きていくために自分に言い聞かせよう。「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」 (HIRO)
監督:廣木隆一
脚本:加藤正人
撮影:清久素延
出演:国分太一・乙武洋匡・榮倉奈々・田口トモロヲ・寺脇研・余貴美子
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