チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

明日(4月21日・水)の防衛省交渉の質問事項全文掲載(その2 辺野古をめぐる現在の問題点について)

2021年04月20日 | 沖縄日記・辺野古

 

 いよいよ明日(21日・水)、衆議院議員会館で防衛省・厚労省交渉が行われる。PCR検査を受け、今日、東京に発つ。

 今回は具志堅隆松さんも来られるので、南部地区からの遺骨混りの土砂調達問題が中心テーマとなるが、辺野古をめぐる現在の状況についても防衛省を追及する。

 先のブログで南部地区からの土砂調達問題に関する質問について説明したので、それ以外の質問事項を下に添付する。

 

 

第2 現在の辺野古新基地建設事業の工事の状況について

1.土砂陸揚方法の変更

2-1-1.防衛局は昨年12月から、大浦湾で巨大なデッキバージに土砂を貯留し、K9護岸・K8護岸に常時スパッド台船を係留して土砂を陸揚げするようになった。しかし、このような土砂陸揚方法は埋立承認願書の環境保全図書の「海上工事に係る船舶・建設機械稼働計画」には記載されておらず、環境保全図書の変更となることから、埋立承認の際の留意事項により、知事の承認が必要である。特にデッキバージは、12,700トンもある大型船であり、環境負荷の検討内容を知事に提出し、承認を受けなければならない。

 また、沖縄県に提出した変更承認申請の環境保全図書の「海上工事に係る船舶・建設機械稼働計画」にも、デッキバージの記載はない。変更承認申請の環境保全図書を差替え、知事の承認を得てからしかデッキバージの運用はできない。

 沖縄県の行政指導(2020年12月24日)に従い、ただちにこれらの土砂陸揚を停止するべきではないか?

 

2-1-2.キャンプシュワブ内のK9護岸に続く取付道路は、2014年12月に設計変更が承認された工事用仮設道路には含まれていない。そのため沖縄県は2015年から再三、変更承認申請が必要だとして、それまでは造成工事の中止を求める行政指導を行ってきた。  

 しかし防衛局は、「施工区域内における維持・管理や作業を安全かつ効率的に行うための一時的なパネル等の設置であり、新たな道路建設ではありません」と弁明してきた(2016年1月19日 沖縄県への回答文書)。

  しかし、この道路はその後、K9護岸からの土砂陸揚のダンプトラックが頻繁に通行しており、上記の弁明はもう通用しない。ただちに運用を停止し、変更承認申請を行うべきでないか? 

 

2-1-3.防衛局は、「デッキバージ及びスパッド式台船の導入による環境負荷については、現在の工事の実施状況から大きく変化しない---、現に周辺環境への影響を懸念すべき様な事態も生じておりません」と説明している(2021年1月22日 議員懇での防衛省回答)。

 しかし、添付写真のように、K9護岸に接岸する台船により海底土砂が巻き上がったり、台船からの濁水流出が目撃されている。上記の回答は事実に反しているのではないか?

 

2.土砂搬送ダンプトラックの交通事故について

2-2-1.本年3月26日午後7時20分頃、辺野古への土砂を海上搬送している琉球セメント安和桟橋敷地から出たダンプトラックが、国道を直進してきた乗用車と衝突し、乗用車の運転手ら2名が負傷、救急車で搬送されるという事故が発生した。しかし、ダンプトラックはそのまま走り去り、約1時間後にやっと現場に戻ってきた。

 この事故の際、パトカーや救急車が来ても、防衛局職員や警備員らは事故現場を確認しようともせず、そのまま土砂搬入を続けた。防衛局職員は、門から出ようとさえしなかった。

 この事故の経緯・原因、防衛局が行った対応等について説明されたい。

 

2-2-2. 昨秋以来、琉球セメント安和桟橋への埋立土砂搬送が午後8時頃まで続けられている。暗い夜間の作業は危険であるし、長時間の残業で運転手の疲労もたまっている。こうしたことが、今回の交通事故の一因ではないか?

 防衛局・受注業者は、2017年11月、本部塩川港からの石材運搬について、地元行政区に説明会を行い、作業時間は午後5時までと約束している。

 こうした経過からも、琉球セメント安和桟橋で連日、午後8時まで土砂搬送を続けていることは許されない。少なくとも午後5時以後の土砂運搬作業は中止されたい。 

 

3.沖縄島北部でのジュゴンの食み跡確認について

2-3. 環境省は本年4月7日、2020年度に実施したジュゴンの生息調査で、沖縄島北部等の複数海域で、ジュゴンが海草を食べた跡を確認したと発表した。

 この事態を受け、防衛局としても、本部・安和から大浦湾への土砂運搬船の夜間走行を中止するなどの対策を講じるべきではないか?

  

第3 今年度の工事について

1.美謝川の切替工事について

3-1-1.沖縄防衛局は、本年4月2日、「シュワブ(R3)美謝川整備工事」の入札公告を行った。2021年度予算の内訳書でも、「埋立工事に要する経費」の付帯工事として、美謝川整備工事費として10億4400万円が計上されている。開札予定は6月18日であるから、着工は7月に入ってからと思われる。

 防衛局が公表した「令和3年度発注予定工事」の表では、「シュワブ(R3)美謝川整備工事」は、「暗渠:40m、開渠:110m、仮設道路:150m」とされている。今回は、切替ルートのどの部分を発注したのか、説明されたい。 

 

3-1-2.今回の美謝川切替ルートの底地は、名護市や民間の所有地である。これらの土地を河川とするにあたって、底地の用地買収は終えているのか?

 用地買収せずに河川工事に着手するというのであれば、それが可能であるという法的根拠を説明されたい。

 

3-1-3.美謝川の切替にあたっては、名護市と、法定外公共物管理条例に基づく協議が必要である。防衛省は昨年12月7日の回答文書で、「今後、美謝川の整備を開始する際には、協議の要否も含め、名護市に相談したいと考えています」と回答した。その後、「協議の要否」について、名護市と相談したのか?

 防衛局は2014年4月11日、美謝川の切替について「法定外公共物占用等協議書」を名護市に提出したが(同年9月3日に取下げ)、今回は何故、名護市との協議を行わないのか?

 

3-1-4.防衛局は、当初の埋立承認願書では、美謝川の切替ルートを右図の「青ルート」で計画し、2014年4月11日、「法定外公共物占用等協議書」を名護市に提出した。その後、2014年9月、沖縄県に対して、「赤ルート」に変更するという設計変更申請を行ったため、「青ルート」の協議書を取り下げた(その後、「赤ルート」の設計変更申請は、同年11月に取下げている)。

 そして、今回の変更承認申請では、美謝川は「青ルート」に切替える計画となっている。

 防衛局が2014年9月に「赤ルート」に変更するとした理由は次のようなものであった。

① 「工事の施工期間が当初計画に比べ短い期間で実施できるなど、より効率的に事業が進めることができる」(変更申請書)

② 「変更後の計画は辺野古ダム下流域の526mの区間について土地の改変もなく水路がそのまま残され、現状の生態系及び水生生物の生息環境が保全される」、「土地の改変面積が少なくなるとともに、2種の重要な植物種の消失が回避される」、「水路の落差工がなく水路勾配が緩くなる点においては回遊性生物の遡上に対する影響が低減される」(2014年9月 防衛局から県への回答文書)

 すなわち、当初計画の「青ルート」よりも「赤ルート」の方が、工期の面でも、生態系への影響の面でも優れているとしていたのである。それにもかかわらず今回、当初の「青ルート」に戻したのは何故か、その理由を説明されたい。

 

3-1-5.防衛局は、2014年11月に「赤ルート」の変更申請を取り下げた後も、次のように、沖縄県や環境監視等委員会には、「赤ルート」で再度、変更申請すると説明していた。

・「当該取下げ後も、美謝川下流域及びその周辺を存置する方針に変わりはない。環境保全措置に係る検討を行った上で、改めて、美謝川下流域を現状のまま残すことを前提とした美謝川切替ルートの変更について、設計概要変更承認申請を行う考えです」(2014年12月1日、12月4日 沖縄県の照会に対する防衛局回答文書)

・「(赤ルートの)変更申請は取り下げたが、今後も、変更に伴う環境保全措置をより具体的かつ確実なものとするため、引き続き、---更なる検討を行う」、「飛行場用地に係る施設計画の進捗により、切替え水路を同用地内に配置することが可能との判断に至ったことから、埋立工事を効率的かつ着実に進める観点で、飛行場用地内を切 替えルートとする案を検討している」(2015年1月6日 第3回環境監視等委員会、2015年6月5日 第5回環境監視等委員会)

 今回の「青ルート」の変更申請は、こうした経過を全く無視したものである。

 防衛局が環境監視等委員会に説明したのは、沖縄県に変更承認申請を提出してから3ケ月以上経過した2020年7月28日であった。それまでの環境監視等委員会での説明と全く異なった内容であるにもかかわらず、環境監視等委員会に事前に説明することもなく、県に変更承認申請を提出したのは何故か?

 

3-1-6.美謝川切替ルート、辺野古ダム周辺の土砂採取区域一帯には、森林法に基づく地域森林計画の対象とされた森林が広がっている。美謝川切替工事にあたっては、知事への林地開発許可申請が必要だが、すでに申請は行ったのか?

 

2.大浦湾の中仕切護岸(N2)新設工事について

3-2-1.防衛局は本年4月2日、「シュワブ(R3)中仕切護岸新設工事(1工区)」についても入札公告を行った。これは大浦湾中央部の中仕切護岸(N-2護岸、延長:約250m)の造成工事である。

 しかし、大浦湾には軟弱地盤が見つかり、防衛局の当初の計画では施工できなくなったため、地盤改良工事や護岸工事の大幅変更などの変更承認申請書を知事に提出した。知事がこの変更承認申請を不承認とした場合、新基地建設は不可能となる。

 それにもかかわらず、N-2護岸造成工事を先行して施工することは認められない。「シュワブ(R3)中仕切護岸新設工事(1工区)」の発注は中止すべきではないか?

3-2-2.N-2護岸の造成工事は、2014年11月25日契約の「シュワブ(H26)中仕切護岸新設工事(2工区)」で、中程土建㈱に3億7289万円で発注された工事であった。

 2014年度に契約された大浦湾の護岸工事6件は、2019年度末に全て打切りとなったが、この「シュワブ(H26)中仕切護岸新設工事(2工区)」だけは、それ以後も工期が延期され、最終的に本年1月27日、当初契約金額から大幅に減額され、9452万円で変更契約されて打切りとなった。

 当初のN-2護岸の工事を打切り、再度、発注しなおした理由を説明されたい。

 

3-2-3.中仕切護岸(N-2)は、当初の埋立承認願書では天端の幅員が8mだったが、変更申請では、N-2揚土場に陸揚げした埋立土砂を運搬するダンプトラックの通行路とするため、幅員が15mに拡がり、構造も一部変更されている。

 設計概要の変更となることから、変更承認申請について知事承認が得られた後でなければ着工できないのではないか?

 

3-2-4.N-2護岸予定地付近には、移植対象のサンゴ類が分布している。このN-2護岸予定地の移植対象サンゴ類の群体数や位置等の分布状況、移植に要する期間等について説明されたい。

 また、沖縄県からは移植のための特別採捕許可が未だ、おりていない。サンゴ類の移植が完了するまでは、N-2護岸の工事発注は延期すべきではないか?

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