チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

<検証>大浦湾のサンゴ類の移植が行われておらず、K9護岸の工事強行は許されない! 県の中止指示に従わない場合は、ただちに埋立承認の撤回を!

2017年05月05日 | 沖縄日記・辺野古

  沖縄防衛局は、本年4月25日、石材の入った網袋を5個、波打ち際に置き、「埋立本体工事に着手」「護岸工事開始」と大きく宣伝した。K9護岸の基礎工事を始めたというのだ。今はまだ大浦湾への石材投入は始まっていないが、このままでは連休明けにも石材投入が始まる可能性が高い。

 このK9護岸の工事については、5月2日のブログでも詳しく説明したように、「公有水面埋立法にもとづく設計概要変更申請を行っていないこと、②埋立承認の際の留意事項に定められている実施設計の事前協議を行っていないこと、③県漁業調整規則にもとづく岩礁破砕許可申請を行っていないこと」等の問題があり、全くの違法工事である。

 さらにこの工事は、サンゴ類保護等の環境保全策をとっていないという大きな問題がある。

 防衛局が県に提出した埋立承認願書では、埋立予定地のサンゴ類について、「事業実施前に、移植・移築する」と明記している。しかし、K9護岸着工という事態となっているのに、防衛局はまだサンゴ類の移植・移築を行っていないのだ。

 埋立承認願書にも、下図のように、K9護岸予定地にはサンゴ類の被度の高い地域があることが確認されている。

 

 防衛局は、埋立予定地の「移植・移築対象サンゴ」について、「小型サンゴ類(移植):総被度が5%以上で0.2ha以上の規模を持つ分布域の中にある長径10cm以上のサンゴ類。大型サンゴ類(移築):単独であっても長径が1mを超える群体」と説明している。 これでは、2000㎡以下の規模の分布域における長径1m以下のサンゴ類は移植対象とならず、全て破壊されてしまうことになる。

 移植・移築対象のサンゴ類を、「0.2ha以上の規模の分布域の中にあるサンゴ類のみ」に限定するのはおかしいが、防衛局のこの基準でも、護岸整備に関して移植する予定のサンゴ類は、73,870群体にもなるという。この大量のサンゴ類の移植は、工事着手前に行わないと、護岸工事による汚濁の影響によりサンゴ類に取り返しのつかない重大な影響を与えることは明らかである。

 防衛局は、「K9護岸予定地には移植・移築対象のサンゴ類はない」としているが、沖縄県の要請に対しても、K9護岸予定地のサンゴ類の生息状況についての具体的な資料提出を拒否し続けている。

 また、埋立承認の際の留意事項には、「2 工事中の環境保全対策等について」として、「実施設計に基づき環境保全対策、環境監視調査---などについて詳細検討し県と協議を行うこと」とされている。サンゴ類の移植・移築について県との協議も行わないまま、K9護岸の工事に着手することは許されない。

 沖縄県はより強い姿勢で、K9護岸の工事強行を中止させなければならない。防衛局がその指示を無視する場合は、埋立承認の撤回に踏み切るほかない。

 

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