チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

法令違反を逃れるための防衛省のとんでもない詭弁---「埋立用の岩ズリは土砂ではなく石材」 // 今日も伊波洋一議員が参議院外交防衛委員会で追及

2018年12月06日 | 沖縄日記・辺野古

 今日(6日)も琉球セメント安和桟橋では、土砂の積込作業が続いている。大勢の人たちが抗議にかけつけているが、機動隊が暴力的な規制を続け、ダンプトラックが土砂を積んで敷地内に入っている。また、今日からはカヌーとゴムボートによる海上での抗議行動が始まった。皆、懸命に頑張って台船の出入りをかなり止めたが、やはり海保が規制に入ってカヌーメンバーらを拘束していった。

 昨日のブログでも書いたように、この土砂の積込は琉球セメントが行なっていると防衛省も認めている。防衛局職員50名、県警機動隊100名、さらに大勢の海保まで登場し、1民間企業の業務を守っているのだ。抗議する県民と琉球セメントとは民間同士の問題にすぎない。それに何故、県の中止指示の行政指導にもかかわらず、これだけの国家機関が登場してきて、民間企業に違法工事を続けさせるのか? あり得ないことだ。

 明日からの九州行や、裁判の書類作成、東京から来られた情報公開問題に取りくんでいるNGOの方との意見交換など、今日も現場に行くことができないのがじれったい限りだ。

(琉球セメント桟橋の敷地に山と積まれた土砂。防衛省はこれを「石材」だと主張する。そのため大慌てで栗石(右側)を運び込んでごまかそうとしている。)

 伊波洋一参議院議院が、一昨日に続いて、今日の参議院外交防衛委員会でのこの安和桟橋の問題を防衛大臣らに質問した。今、積み込んでいるのはいったい何かという問題だ。

 埋立に使われるのは、「岩ズリ」といって、「採石場の表土など採石行為に伴って発生する小石混じりの土砂」である。ところが今日の答弁でも、防衛省は、「岩ズリとは、鉱石の採掘等で掘り出される岩石のことを言う。捨石や栗石と並んで石材と考えている」と説明した。そして「岩ズリの細粒分含有率は概ね10%前後」だという。

 しかし現場に積まれているのは小石も含まれているが、誰が見ても分かるように、ほとんどが赤土が混ざった土砂である。石材であるはずはない。

 防衛省が、「岩ズリとは土砂ではなくて石材」と主張するのは、今回問題となった土砂の堆積について大気汚染法に基づいて知事に出した届には、「石材の堆積」と記載されており、さらにベルトコンベアに関する大気汚染法の届でも、「石炭・石材の搬送」とされていることから、土砂であれば届出内容とは異なると指摘されることを逃れようとしているのであろう。

 また、石材と主張することにより、赤土等流出防止条例の適用を逃れようとしているのかもしれないが、これは無理である。同条例では「赤土等」の定義を、「全ての土壌及びこれらに類する土壌母岩の砕屑物をいう」としている。条例の対象を赤土に絞ったものではないのだ(今回の辺野古側の埋立でも、岩ズリを使うのだが、防衛局は知事に同条例の手続を行なっている)。今回の土砂の堆積が同条例違反であることは明かである。

 今日の答弁で整備計画局長は、「今、積み込んでいる岩ズリの細粒分含有率は10%前後」と繰り返した。これも虚偽答弁である。今回の埋立工事の設計図書では、「細粒分含有率 40%以下」と明記されている。もし、今後必要となる1644万㎥もの埋立用岩ズリの細粒分含有率を10%とするのなら、岩ズリの費用は大幅に増額してしまう。

 いくら言いつくろっても、今回の土砂堆積、積込が大気汚染防止法違反、赤土等流出防止条例違反であることは明かである。県は毅然と対応しなければならない。

 現場には50名以上の防衛局職員が連日動員されている。沖縄県も口頭での「工事中止の行政指導」にとどまるのではなく、100名ほどの職員を桟橋に派遣し、工事中止を迫ってはどうか。

 

 

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