チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

宜野湾市長選が終わっても防衛局は工事に入ることはできない---知事の中止指示に従え!

2016年01月18日 | 沖縄日記・辺野古

  報道によれば、政府・防衛局は1月24日の宜野湾市長選への影響を懸念し、昨年11月に大浦湾に搬入したコンクリートブロック投下を24日以後に先送りするという(2016.1.10 琉球新報、沖縄タイムス)。現市長は選挙戦では辺野古新基地建設についての賛否を明らかにしようとしない。また、政府もそれまでは大きな工事を避けて辺野古問題が注目を集めることを避けている。しかし、もし現市長が勝てば「宜野湾市民は辺野古移設を支持している」として、事業の強行に邁進するのだろう。なんという姑息なやり方か。

 宜野湾市長選で志村さんが勝利すれば、もう辺野古新基地建設事業は中止すべきであることは言うまでもないが、もし現市長が勝った場合でも、防衛局は工事に入ることはできないことを説明しよう。

  (沖縄県が防衛局に出した照会文書。左は仮設道路問題、右はコンクリートブロック問題)

 

 (もう2ケ月も大浦湾に係留されたままのコンクリートブロックを積んだクレーン台船)

<コンクリートブロックの投下問題について>

 防衛局は、昨年11月22日未明、大型コンクリートブロックを積んだクレーン台船を大浦湾に進入させた。公文書公開請求で入手した工事の設計書によれば、今後、汚濁防止膜設置のために最大57トンのブロック107ケをはじめ、総数236ケもの大型ブロックが投下されることとなっている。ところが、このような大型ブロック投下は岩礁破砕の許可が出されていない。我々の指摘により県が防衛局に文書照会したところ、防衛局は、全てのブロックを15トン以下に変更すると言い出した(県は何故か「15トンまでのブロックについては許可を出した」と説明している)。その場しのぎのデタラメな対応には驚く他ない。

 県は、防衛局が文書照会にきちんと返答しないため、昨年12月18日、知事名で再度の文書照会を行なった。そこでは、次の諸点について質問・指示を行っている。

1.ブロック投下場所のサンゴ礁の実態を明らかにすること

2.ブロック投下について環境監視等委員会の意見を聴取すること

3.ブロック設置の環境への影響について予測・評価すること

4.環境への影響の少ない設置方法についての検討内容。サンゴ類の移植状況とその結果。係留索の材質に係る検討内容。PHの測定状況等

5.全てのブロックの寸法、重量、個数、設置場所の座標値

 そして知事はこの12月18日の照会文書で、「当該照会内容の確認ができるまで、先に搬入された汚濁防止膜用コンクリートブロックを海域に投入しないよう」と指示している。また、環境監視等委員会でも、「(昨年2月に)2トン~45トンのブロックを置くことについて、事前説明がなかった」、「下で潜水士が見ていて、サンゴがないところに落とすことができなかったのか」(2015.4.9 議事録)等の指摘がされている。この知事の文書照会は回答期限を明示していないが、1月18日現在、防衛局からの回答は出されておらず、環境監視等委員会でもこの問題についてまだ審議はされていない。

 このように、宜野湾市長選が終わっても、これらの知事の指示、環境監視等委員会の指摘を無視したままコンクリートブロックを大浦湾に投下することは有り得ないのだ。

           (シュワブの浜での仮設道路工事(昨年12月3日撮影))

<シュワブの浜での仮設道路工事について>

 防衛局は昨年11月下旬から、大浦湾のシュワブの浜で海岸部を整地し、栗石を網にいれた根固め用袋材を並べてその上にパネルを敷く仮設道路工事を始めた。これについても公文書公開請求で入手した工事設計書により、工事用仮設道路の一部付替であることが判明した。そしてこの工事は、設計概要変更申請の手続を行っていない公有水面埋立法違反、赤土等流出防止条例違反、文化財保護法違反、埋立承認の際の留意事項違反等、全くの違法な工事であることが大きな問題となった。そして我々の指摘により、県も防衛局に対して文書照会を行なってきた。

 防衛局は、この工事について「工事用仮設道路の付替道路ではなく、事業に関連し、施工区域内における維持・管理や工事のための各種作業を安全かつ効率的に行うためにパネル等を一時的に敷設している」、「当該パネル等については、その必要がなくなり次第撤去する」と回答した。しかし、なおも不明な点が多く、県は本年1月12日、「各種作業の具体的内容を明らかにすること。工事写真を提供すること。立入調査に協力すること」等の第3次照会を行なった。

 そしてこの照会文書でも、「新たな道路工事である場合、公有水面埋立法第13条に基づく設計概要変更申請が必用となることから、手続が完了するまでは、当該道路に関わる作業を行わないよう」という指示を行っている。

 問題が大きくなってきたことから、仮設道路工事についても12月中旬から現場での作業は止まったままである。

 

 以上、説明してきたように、1月24日の宜野湾市長選が終わっても、防衛局はコンクリートブロックを投下できないし、シュワブの浜の仮設道路工事を再開することはできない。政府の「市長選が終われば工事を再開する」、「選挙結果に関わらず、辺野古移設の見直しはない」という恫喝は、辺野古問題を宜野湾市長選の争点から外そうとする政府のあせりに過ぎないのだ。

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