チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

20日(水)、県民会議が、国と県との辺野古作業部会(14日)の内容について県に申し入れ

2016年04月21日 | 沖縄日記・辺野古

  4月20日(水)は午前中、シュワブゲート前の抗議集会に参加。また博治さんに指名されマイクを握った。今日は、午後に予定されている基地の県内移設に反対する県民会議(以下「県民会議」)の県への申入行動の内容について説明した。

 午後は辺野古総合大学で加藤弁護士のお話を聞きたかったが、県庁へ。午後4時から県への申入れを行った。久しぶりに山城博治さんが出席。県からは池田基地対策統括監を始め、金城基地対策課長、永山海岸防災課長、仲宗根環境保全課長、松田環境整備課長らが対応してくれた。

 今日の申入れは、国と県との和解で始まった協議の第1回作業部会(4月14日)の内容について説明を求めたものだ。以下、県民会議からの申入書と、県の回答について説明する(当初は、作業部会までの話し合いを要請していたが、事後になってしまったので、申入書の内容は少し遅れた事項もある)。

 

              (山城博治平和運動センター議長ら、県民会議の交渉団)

 

  沖縄県知事 翁長雄志 様                  2016年4月20日                         

              要 請 書 

                    

 辺野古新基地建設を中止させるために、連日、積極的な取組みを続けておられていることに敬意を表します。

 さて、3月4日に国と県との間で和解が成立し、防衛局は埋立工事を直ちに中止することが決まりました。また、防衛局が行政不服審査法に基づく審査請求及び執行停止申立を取り下げたことにより、昨年10月13日の知事の埋立承認取消の効力が復活し、防衛局は新基地建設事業に関する一切の作業・工事を行うことができなくなっています。

 また、3月23日には、和解後初めての「政府・沖縄県協議会」が開催され、4月14日には具体的な議論を進めるための「作業部会」が開かれます。

 この工事中止を、辺野古新基地建設事業そのものの中止に繋げるために、今後の「政府・沖縄県協議会」と「作業部会」での協議等に生かしていただくよう、下記のとおり申し入れます。

 ・最初に、要請書には触れていなかったが、今回の作業部会でも高江の問題がバーターのように出された点について追求した(副知事が、防衛局の要請に応じ、ヘリパッド工事に反対するため県道の路側部分に住民らがテントを建てて座り込み、車両を置いていることに対して、「文書による指導を行う」と表明している)。

 県民会議からは、「何故、辺野古の和解協議の場で、高江の問題を持ち出すことを許すのか!」「今後、国が高江の問題を持ち出せば、『辺野古の和解協議の場ではなく、もし必要なら別の場所で協議しましょう』と断るべきだ」と追求した。

 ただ、この点については今回の要請事項に入っていなかったので道路管理課の出席がなく、再度、改めて話し合おうということになった。

 第1.臨時制限区域の指定を解除するよう政府に申し入れること

 日米両政府は、2014年6月20日の日米合同委員会で、辺野古新基地建設事業の施工区域全域を日米地位協定2条4項(a)(日米共同使用)に基づく臨時制限区域として常時立ち入り禁止とした。この日米合同委員会の合意に基づき、防衛大臣が同年7月2日、防衛省告示第123号を官報告示した。

 この告示では、臨時制限区域指定の目的として、「沖縄防衛局が普天間飛行場代替施設の建設のため共同使用する」とされていたが、今回の和解で埋立承認は取り消されたため、「普天間飛行場代替施設の建設のため」という目的は効力を無くしてしまった。

 知事は、日本政府に対して、早急に日米合同委員会を開催し、この臨時制限区域の指定を解除するよう申し入れるべきである。 

<県の回答と問題点>

・県は先日の作業部会で、「埋立承認の取消によって、国は工事を実施する法的根拠がなくなった。しかし、現在でも、理由なく立入り制限を行い、県民は経済的な不利益を被っていることは許されない」として、その解除を申し入れたと回答した。

・ただ、先日の作業部会は、わずか30分だけしか時間がなく(これには皆、驚いたが)、県からは臨時制限区域の問題についても申し入れたが、国は、「今日は時間も限られているので、工事のことだけを話し合おう」ということで、臨時制限区域の問題については話し合われていないという。

 

 第2.和解に基づき、新基地建設事業に関する全ての工事・事業の中止を申し入れること

 県は、本年3月25日、沖縄防衛局に対して「キャンプ・シュワブ内における工事等の状況について」という照会文書を送付した。この照会は、和解に伴い、全ての工事・事業の中止を求めたものではなく、工事等の現在の状況を尋ねたものであった。

 防衛局の3月31日付の回答文書は、その全容が公開されていないが、一部の報道によれば、「海上だけでなく陸上での工事も全て中止している」、「ボーリング調査や台船、ブイなどについては『和解後の現状のまま』」、「埋立工事とは直接関係のない陸上での隊舎の建設工事などについても中断したり新たに着手していない」等と報じられている。

 この点について、以下のとおり質問、要請する。 

 

 1.現在の工事・事業の状況について防衛局の3月31日付の回答内容を明らかにすること。 

  この点については、すでに公文書として開示された。

2.防衛局に、工事・事業の現在の状況を尋ねるだけでなく、辺野古新基地建設事業に係わる全ての工事・事業の中止を求めること。特に、次の各点について防衛局に申し入れること。

①海上ボーリング調査について

 今も大浦湾に放置されている海上ボーリング調査のためのガイドパイプ、スパッド台船、大型台船を速やかに撤退させること。 

 <県の回答と問題点>

・県は、「和解により埋立承認が取り消されたので、工事を続行する法的根拠は消滅していることから、海上ボーリング調査は中止されており、現在、スパッド台船等は稼働していない。これらを当該海域から撤退させることについては、和解条項の工事の中止に含まれるものではないと考えており、防衛局の判断に任せている」と回答した。

・しかし、やり取りの中で、県は、大浦湾に設置されたままになっているガイドパイプについて全く把握していないことが判明。防衛局に判断を任せているという対応には、皆の批判が集中した(後日、ガイドパイプの写真等を県に持参し、説明することとなった)。

・結局、国の基本的認識は、「裁判所が今回の和解で求めているのは工事中止だけであって、現状回復措置は対象にしていない」ということに限られている。しかし、和解により埋立承認が取り消されたのだから、和解の時点で凍結すればよいということではなく、全てを撤去しなければならないのは当然であろう。この点については、次回の作業部会で県として強く確認してほしい点だ。

 

②コンクリートブロックの大型台船について

 昨年11月22日に大浦湾に進入させたコンクリートブロックを積んだ大型台船を速やかに撤退させること。 

 <県の回答と問題点>

・この点についても、県は、海上ボーリング調査の台船等の撤去問題への回答と同じく、「和解条項の工事の中止に含まれるものではないと考えており、防衛局の判断に任せている」と回答し、皆の抗議が集中した。

③大浦湾に張り巡らされているフロート、ブイ、コンクリートブロック等について

 この点については、「県は国に対し、工事海域周辺に張り巡らせたままのフロートを撤去する必要がないか照会する」(琉球新報 2016.3.24)、「県は、今月14日の作業部会で、フロートやブイの撤去などについても政府の見解を確認していく」と報じられているが、国の見解を確認するというのではなく、直ちに撤去するよう指示すべきではないか? 

<県の回答と問題点>

・県は、「和解により埋立承認が取り消されたので、工事を続行する法的根拠は消滅していることから、海上ボーリング調査に伴って設置されているフロート、ブイ、オイルフェンス、コンクリートブロックについては撤去を求めた」という。

・これに対して国は、「フロート、オイルフェンスの撤去については前向きに検討したい」と回答したが、「ブイは臨時制限区域の明示用に用いており、米軍との調整が必要アンカーブロックの撤去については、作業量が大きく、現場との調整が必要ということで、はっきりとした回答は得られていないという。

・フロートの撤去時期も明らかにされていない。しかし、5月に入れば台風が来ることもある。昨年も、台風のため、フロートがちぎれ、大浦湾の海岸に打ち上げられたことがある。いつまでも放置することは許されない。

④キャンプ・シュワブ内での米軍兵舎新設工事について

 今回の新基地建設事業区域の陸上部には多くの米軍隊舎等が建っていることから、これ らの隊舎等の建替工事が必要となっている。中谷防衛大臣は、この建替工事について、「キャンプ・シュワブ内において、代替施設建設事業と直接関係のない建物を機能的かつ効果的に再配置するために、平成19年度以降、代替施設の飛行場区域とは異なる地域において、隊舎等の整備等にかかる工事を実施している」と説明している(衆議院安全保障委員会2016.3.8)。

 しかし、少なくとも今回の新基地建設事業の区域内に建っている隊舎等の建替工事は、新基地建設事業がなければ移転の必要はなく、新基地建設事業の関連工事と言うべきである。今回の和解条項に基づき、これらの建替工事も中止させるべきではないか? 

 <県の回答と問題点>

・県は、「国からは、シュワブ内の兵舎新設工事を含む陸上部での工事についても工事を中止しているという回答があった。引き続き建設作業を中止するよう求めていく。」と回答した。

⑤米軍兵舎解体工事について

 和解以降も、キャンプ・シュワブの辺野古沿岸部に建つ米軍隊舎(映画館)では、屋上部まで足場が組まれ、多くの作業員が廃材の搬出等の解体工事を続けている。防衛局はこの工事について、「防衛局の工事ではなく、米軍の工事だ」と説明しているが、まもなく防衛局が解体を予定している隊舎を、米軍が事前に工事にかかることは考えられない。米軍に工事内容を照会すべきではないか? 

 また、米軍による解体工事とすれば、アスベストや各種廃棄物の処理は法、県条例に基づき適正に行われているか?  

 <県の回答と問題点>

・県は、「劇場(映画館)の建物については、海兵隊のG7(外交政務部)に問い合せたところ、屋根の防水工事ということだった。アスベストの処理については、日本環境基準等の法令、県の規則等に沿った形で処理を行うと回答があった」と答えた。

 ⑥キャンプ・シュワブ内での生コンプラント建設について

 キャンプ・シュワブ内では、本年3月から、生コンプラントの建設着工が予定されていた。中谷防衛大臣は「代替施設建設事業と直接関係のない建物を機能的かつ効果的に再配置するために、平成19年度以降、代替施設の飛行場区域とは異なる地域において、隊舎等の整備に係わる工事も実施し、また、そのための生コンプラントの設置を計画いたしております」と答弁した(「衆安3.8」)。そして、眞鍋防衛省整備計画局長も、「隊舎等の整備にかかる工事のために生コンプラントを設置する」、「生コンプラントの設置を含む陸上部の工事など、各種の現場での作業も現時点で中止しております」と説明している(「参外3.23」)。また、3月28日には、防衛局の福島調達部次長は、赤嶺政賢衆議院議員に対して、「普天間代替施設建設事業を念頭に置いたものではありません。」と繰り返し説明した。

 大臣等の説明では、この生コンプラントは、「隊舎等の整備工事」のためだけに使用されることとなる。しかし、同工事は平成19年度から続いているのであり、今になって突然、生コンプラントが必要になるというのは理解できない。新基地建設事業では、各種のブロック類製作や護岸の躯体工、そしてその後の整備工事等のために大量の生コンが必要となるが、この生コンプラントで製造した生コンがそのために使用されることは明らかである。

 県として、防衛局に対して、この生コンプラントは新基地建設事業のために使用されることは絶対にないのかを確認すべきではないか? 

<県の回答と問題点>

・県は、「国は、生コンプラントを含む全ての陸上部の建設工事は中止していると説明している。引き続き、建設工事を行わないよう求めていく」と回答した。

⑦シュワブ沿岸部での「工事用仮設道路」(付替道路)工事について

 防衛局は、昨年11月末から、シュワブ沿岸部のヤニバマで「工事用仮設道路」(付替道路)工事に着手した。防衛局は、県からの照会に対して、「一時的なパネル等の敷設であり、『新たな道路』を建設するものではない」と主張している。しかし、「建設機械や資機材運搬車両等の通行が含まれる」と、これが実質的には道路そのものであると認めている。今回の「工事中止」によりこれらの工作物を全て撤去するよう指示すること。 

<県の回答と問題点>

・国は、和解の時点で仮設道路(付替道路)工事には着手しておらず、和解日以降も工事に入っていないと回答した」と回答。そして県は、「敷設されたパネル等については撤去する必要があると作業部会で申し入れた」という。

・パネルは海岸部に敷設されており、高浪が来れば、大浦湾に散乱する。一刻も早く撤去させなければならない。

⑧キャンプ・シュワブ工事用ゲート前の山形鉄板、フェンス等について

 今回の工事中止に伴い、防衛局が一昨年夏にキャンプ・シュワブ工事用ゲート前に設置した山形鉄板、フェンス等について、道路占用の目的が消失した。防衛局に対して、道路占用申請を取り下げ、これらの山形鉄板、フェンス等を直ちに撤去するよう指示すること。 

 <県の回答と問題点>

・国は、「国道であり、県は指示する権限を持っていない。国道事務所又は防衛局に申し入れていただきたい」と回答したという。

⑨工事再開に向けた準備行為、資材運搬等も行わせないこと

 眞鍋局長は国会で、「防衛省として埋立工事を全て中止することとし、資材調達などを含む各種現場での作業は現時点では中止している」と答弁した(参議院外交防衛委員会 2016.3.23」)。防衛局に対して、「現時点で中止」というだけでなく、工事再開に向けた資材搬入や、測量その他の準備行為等についても、一切行わせないことを確認すること。 

 <県の回答と問題点>

・県は、「工事再開については、今後の訴訟の敗訴が前提となっており、敗訴を前提として事業者に確認することはできない」と回答。 

 

第3 政府との「協議会」「作業部会」の公開について

 昨年夏の集中協議期間の際も問題となったが、今後の政府との「協議会」「作業部会」を全て公開すること。また、議事録を作成し、公開すること。 

 <県の回答と問題点>

・県は、政府との協議会について、「県は議事録の作成、公表を求めているが、最終的に議事録の公表は行わないこととなった。県としては協議後の報道機関に対する知事の「ぶら下がり」等で説明するので、ご理解をお願いしたい」と回答。また、「作業部会については、概要版を作ることで合意しているが、今後とも引き続き公開を求めていく。また、副知事がぶら下がり取材等で説明する」と回答した。

・この問題で明らかになったのは、作業部会の事務局は国が担当しており、概要版の作成も国が行うという点だ。何故、県として国に全て任せるのではなく、県も記録をとって突き合わせないのかと皆で追求した。

第4 米軍による拘束・不当逮捕について

 本年4月1日、大浦湾でカヌーで監視行動を行っていた県民が、米軍の軍警により拘束され、海上保安庁に不当逮捕された。この問題について知事は、「『理不尽だ』と述べ、経緯を確認したい考えを示した」と報じられている(沖縄タイムス 2016.4.5)。知事として早急に経緯を確認し、米軍、海上保安庁に抗議すること。 

 <県の回答と問題点>

・県は、「県としては、警備活動にあたっては、県民の安心・安全を守ることを最優先にしていただきたいと考えている」と回答。

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 緊迫する高江へ---県、防衛局... | トップ | 海外で最大のアメリカ空軍基... »
最新の画像もっと見る

沖縄日記・辺野古」カテゴリの最新記事