今日(5月15日・土)、「魂魄の塔」前で「鉱山開発をさせない連帯の集会」が開催された。梅雨の中休みで強い陽ざしが照りつけていたが、昨日、知事が措置命令を出したばかりで皆の関心も高く、延べで60人ほどの人たちが集まった。
私は、昨日の知事の措置命令の内容について説明。今後、業者との協議で県が毅然と対応していくよう見守っていく必要があると訴えた。
他にも、具志堅隆松さんを始め、御遺族の方、ハンストに参加した若者、糸満市議や八重瀬町議、宗教者グループの方など多くの方の訴えが続いた。
集会が終って熊野鉱山の様子を見に行った。まだ、特に事業が始まる動きはないようだ。鉱山開発予定地内に2筆の農地があり、糸満市農業委員会は農業活動を行うよう指示している。業者は「4月には50cmの客土を入れ、ヨモギを植える」と約束したというが(2021.3.11 糸満市議会)、まだ農業活動の動きもない。予定地内の農地で農業活動をしなければならないのだから、鉱山としての採掘範囲は極端に狭くなってしまう。
また、土砂の搬出ルートの目途もたっていない。つまり現状では、県の措置命令とは関係なく、業者は開発行為に着手できないのだ。
今日の集会でも話をしたが、業者はこうした問題には触れず、開発行為に着手できない理由を、県の措置命令のせいだと言い始めているようだ。そして「開発が認められなかった場合の損害は約11億円」にもなるから、知事に「著しい人権侵害と営業妨害。謝罪を求める」として「審査請求や訴訟を提起することを検討している」というのだ(2021.5.1 沖縄タイムス)。
県は業者との協議にあたって、こうした鉱山予定地内の農地の問題、土砂の搬出ルート等の説明を求めるべきであろう。