乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

成人T細胞白血病のキャリアが全国に拡散

2010年06月15日 | 社会
口蹄疫が吹き荒れる現在、封じ込めのために関係者が、大きなエネルギーを費やしています。伝染病は、一旦発生すると厄介です。被害の拡大はあっという間だからです。

動物の伝染病も、ヒトの場合と同様、初期段階で封じ込めなくてはなりませんよね。間違っても、「食べても影響ないんなら、しばらく様子を見ていてもいいんじゃね?」などと、ボケかましはやめてもらいたいものです。

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【成人T細胞白血病のキャリアが全国に拡散】 2010. 6. 8

 成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia:ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)への感染によって起こる難治性の疾患だ。いったん発症すると予後は悪く、有効な治療法は発見されていない。

 主なHTLV-1への感染経路は、母乳を介する母子感染(垂直感染)と精液を介して男性から女性へ感染する水平感染。キャリアのATL生涯発症率は約5%で、潜伏期間は50~60年。ただし、水平感染によるATLの発症は現時点で報告されていない。垂直感染は、母乳を与えないことで、子どもの感染リスクを約30%から数%まで減らせるという。

 しかし、「ATLは九州地方の“風土病”と思われ、その結果、対策で後れを取ってきた」と、HTLV-1感染の実態調査を取りまとめた、元国立感染症研究所血液・安全性研究部部長の山口一成氏は話す。

 1991年の厚生省(当時)研究班の報告書では、「キャリアの数は地域差があり、全国的な検査や対策は不要」とされた。また、放置してもキャリアは自然に減少し、いずれゼロになるとの試算も行われた。

 ところが、山口氏らが2006~07年に、16~65歳の初回献血者約120万人のHTLV-1の陽性率を基に推計したところ、88年の調査で120万人だったキャリアの数は、約108万人と顕著に減ってはいなかった。しかも、関東・中部地方ではキャリア数が増加し、キャリアが全国に拡散している実態が明らかになった。ATLの新規発症者数は、88年は約700人/年だったが、07年は約1030人/年に増加していた。

キャリアの高齢化も認められている。88年では50歳代が最も多かったが、07年では70歳代が最多だった。山口氏は「ATLの発症年齢も高齢化している。従来より負担の少ない治療法も出てきたが、高齢者への治療戦略については今後の課題」と話す。

 山口氏は、母子感染スクリーニングを全国的に実施し、感染予防策を徹底すべきだと訴える。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、産婦人科診療ガイドラインの11年の改訂に当たり、妊婦全例でのHTLV-1検査の勧奨を検討中だ。

 長崎大原研内科准教授の塚崎邦弘氏は「酵素免疫法(EIA法)やゼラチン凝集法(PA法)単独の抗体検査では、非特異反応による偽陽性が見られることがある。ウエスタンブロット法や蛍光抗体法(FA法)を追加し、必ず複数の検査で確認すべきだ」と話す。長崎県では、87年から妊婦検診で積極的にHTLV-1スクリーニングに取り組んできた。キャリアと判明した場合は人工栄養を勧奨し、感染率を長期母乳と比べて約8分の1に抑えられたという。

 最近の研究から、HTLV-1のウイルス量が多いキャリアほどATLを発症しやすく、家族歴や年齢、合併症がリスク因子であることも分かってきた。「今後は、“ATLを発症しやすい人”を特に慎重にフォローするといった対応が可能になるかもしれない」と山口氏は期待を寄せている。
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ATLが「風土病」にされたところが、今日の全国的な拡散につながったようですね。
学生時代に、私も「白血病を引き起こす風土病がある」と習った記憶があります。場所の記載はなし。差別につながるという理由でした。知らずにその地へ旅行に行き、川の水をすくって飲んだら感染するのかしら?なんて思いましたっけ。

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【<縄文のウイルス>遅れた感染症対策/下 「風土病」国が対応放置】 毎日jp2010年6月11日(金)13:00

 ◇病院転々、診断やっと
 ◇九州以外、医師の認識低く/治療費、保険外の場合も

 「ウイルスの病気なのに診断がつかず、病院を転々とする。本当につらい」。HTLV―1関連脊髄(せきずい)症(HAM)や成人T細胞白血病(ATL)の患者の切実な声だ。

 5月中旬、患者、家族らでつくるNPO法人「はむるの会」(山越里子理事長)の1周年総会が神奈川県内の病院で開かれた。昨年6月に設立され、情報交換などをしている。

同会の鈴木芳子さん(59)が振り返る。「たった15分の朝礼で立っていられなくなり、48歳のとき、デパートの販売員をやめました」

 最初は整形外科を受診したが、医師は「運動をするように」とそっけなかった。その後、関東一円の病院を次々と受診したが、徐々に歩けなくなった。親類の元医師から「脊髄に異常があるのでは」とのアドバイスを受けやっと病院でHAMと診断された。デパートをやめて5年たっていた。

 同会理事でHAM患者の石母田(いしもだ)衆さん(64)は診断までに7年かかった。石母田さんは98年に家族で血液検査を受け、6人兄弟のうち次男の石母田さんを含め4人の感染が分かった。その後、三男は03年、ATLで亡くなった。それでも、医者からHAMの説明を受けたことはなかった。

 石母田さんは医師の認識の低さを嘆く。「病院にかかるたびにキャリアーだと告げたのに、『HAMの疑い』と言われるまであまりに長すぎる」

 HAMの研究をしている聖マリアンナ医科大の山野嘉久准教授によると、頸椎(けいつい)の異常と診断され、首の手術を受けた患者も少なくないという。「(患者の多い)鹿児島なら、MRI(磁気共鳴画像化装置)など画像の所見に比べて症状の出方が強ければHAMを疑って血液検査をするだろう」。しかし、九州以外の診断体制は遅れている。

 ――成人T細胞白血病 母乳感染説を検証

 86年12月の本紙1面の見出しだ。感染防止に向けた国の早急な対応の必要性が報じられた。当時研究者の間でもその機運が高まっていた。だが、90年の厚生省(現厚生労働省)研究班の報告書が風向きを変える。

 「感染者は自然に減少し、将来は消滅する」としてキャリアー率の高い地域以外の対策は不要とした。その後「研究費は減り、研究者も離れていった」と山野准教授は振り返る。

 あれから約20年、キャリアーは全国に広がった。HAM患者で「日本からHTLVウイルスをなくす会」(鹿児島市)代表理事の菅付加代子さん(53)は訴える。「『発症率が低い』『風土病だ』として緊急性が軽視されたため対策が遅れた。私たちはもう待てない」

 一方、患者には治療費の負担が重くのしかかる。今村病院分院(鹿児島市)の宇都宮與(あたえ)・院長によると、ATL治療ではエイズ患者と同じ治療薬を使うことがある。だが、薬害などによるエイズ患者は医療費が無料になるが、ATL患者は保険が利かず、自己負担となるケースがある。

 さらに、国の研究費助成は、同じ感染症のC型肝炎に比べて100分の1程度だ。日ごろATL患者と接している宇都宮院長は「キャリアーの段階で発症を抑える治療法の研究も必要」と、せめて10億円以上の研究費があればと訴える。

 キャリアーを減らし、患者を救うことはできるのか。渡辺俊樹・東大大学院教授(HTLV―1研究会会長)は「108万人のキャリアーは、健康行政上の大きな課題だ」と指摘する。そのうえで全妊婦の検診の実現、治療・研究対策の充実を求めている。
「先進国では日本に特有のウイルスなので、日本が率先して対策をすべきだ」
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 ■主な相談窓口
HAM   鹿児島大学病院、京都大付属病院、聖マリアンナ医科大学・難病治療研究センターの各神経内科など
ATL   鹿児島大学病院、東京大医科学研究所付属病院、長崎大学病院、大阪市大付属病院、北海道大学病院の各血液内科など
キャリアー 鹿児島大学病院キャリア外来
母子感染  市町村や都道府県の母子保健関連部署、保健所など
患者団体  「日本からHTLVウイルスをなくす会」(099・800・3112、メールnakusukai@po.minc.ne.jp)▽「はむるの会」(ファクス046・292・5880
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>「感染者は自然に減少し、将来は消滅する」としてキャリアー率の高い地域以外の対策は不要とした。その後「研究費は減り、研究者も離れていった」

この辺りも、全国拡散の原因になっているようですね。

なぜ、感染者が自然に減少すると考えたのか?
「風土病」だからでしょうか?

その地方しか発生しないのだから、大都市のように人々の転出入がない。だから自然に消滅する??

でも、他人へ感染することがわかっていたのだから、、、ましてや白血病の一つであるのなら、誰もが感染したくないでしょう。

じん肺や薬害エイズ、注射器使い回しによる肝炎など、原因は比較的わかっているのに、積極的に調べず、結果的に被害者を増やしてしまう。責任の所在はうやむやに。

「美しい国、日本」を目指す、なんて言った人がいたけど、それは「臭いものに蓋」をすることではないよと思う人、
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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

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