乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

くそじじい

2012年01月22日 | 生活
通っている病院主催の市民講座に出席しますた。

お題は「糖尿病を知ろう」。
抗がん剤の副作用で閉経しちゃったら、血糖値とコレステロール値がじわじわ上昇中。無料だし、病院関係者に来てねって言われたし。

350人収容の会場が満員で、補助いすも出す盛況ぶり。6人のドクターが2時間かけ、糖尿病の初期治療がいかに大切かを講演。途中、10分間のトイレ休憩時には、ドクターに駆け寄り質問する人も結構いました。

夕方4時半終了予定が、盛り上がって5時近くに。締めのあいさつのため、院長先生も病院からやって来てスタンバイ。聴衆は帰りたいオーラがむんむんです。
なので司会者が、質疑応答は先ほど皆さんからいただいた質問より、かいつまんで行いますとアナウンス。
演者のドクター6人全員が壇上で、ピックアップされた質問に答え、ではこれにて終了…となろうとした時、

「わしの質問はどーした?」

最前列のど真ん中に座っていたおじいさんが、司会者に向かって叫びました。

司会者ドクターは、手元にあなたの質問が届いていませんので、後日、返答を差し上げますと。で、院長先生の方を向き、トリの合図を…。

「わしはな、さっき受付の女の子に質問用紙を渡したんだよ、マルモト(仮名)さんという女の子だ」。

「ですから、私のところに届いていないので、後日…」
「マルモトさんはどーしたんだっ、さっき渡したんだっ。何でここで読まないんだっ」

館内は、ざわめきです。こんなことで大声を出す人に慣れていないので。こういった公開講座には、病気の勉強をしようと来ている真面目な人が多いのです。
このおじいさん、大声のままマルモトさんの文句を言い続けます。壇上のドクターたちは呆気に取られています。

司会者が閉会を宣言する前だったので、聴衆は席を立つこともできず。院長先生も挨拶できません。じーさんがあまりにグダグダいい続けるので、聴衆が野次を飛ばしました。

「そんなに質問したければ、後で先生に聞けばいいじゃないか」
「周りのことも考えろ」
「質問の内容を今、話してみろ」

さっさとマイクがじいさんの前に。じいさんは
「マルモトさん、何で出てこないんだっ」

館内、唖然です。
「早く質問しろっ」

もう、みんな帰りたいんです。きょうで3日間も氷雨が降ってるんです。貴重な休日だし、寒いし、お腹空いたし。壇上のドクターたちも、どーリアクションしていいか、困っています。

「わしはな、さっき、マルモトさんに渡したんだ。二枚の紙に書いてな」

そりゃー、読まれないよ。時間が押してるから、質問はピックアップするって言ったじゃん。マルモトさん、じーさんの長文の質問を要約しきれなかったんじゃないの。

と、私と同じことを考えた人は多かったでしょう。聴衆につつかれ、じいさんはマイクで言いました。
「わしの質問は、糖尿病は完治するのか、だ。ドクターに聞きたい」。

館内、大爆笑です。
一旦、糖尿病になってしまうと、全く元通りになるのはむずかしいと、6人のドクターが2時間に渡り、講義をしたばかりでしたから。

まるでお祭りみたいになっちゃいますた。この地方には、勇壮な喧嘩祭りがあります。でも、普段はみんな穏やかな性格なのが、割と全国的に知られているんですけどね。

「○○ジジイ」。私の隣席のご婦人は、涙を浮かべて笑い放ちました。おじいさんは調子づき、
「みなさ~ん、よく聞いて下さいよ。糖尿病になったら完治はしないとドクターが言いましたよぉっ」。
「そーだ、そーだ、完治はしないっ」と、思いやりの野次も。

司会が院長を横目に閉会宣言をし、聴衆はマイクを離さないじーさんを尻目に、さっさと退出です。人が少なくなっても、まだギャースカ言っていました。

出番がなくなっちゃった院長先生。ぼーっと突っ立っていたので、私は「母の葬儀の際、院長先生に来ていただきましてありがとうございました」と挨拶しました。すると院長は開口一番、「あーゆー人がいるから、当日の質問は受け付けないようにしていたんですっ」。

あ、あの、、、私、母の治療のお礼を言っただけなんですけどー(^0^;)。もー仕方がないので「先生、これに懲りずに次回の公開講座もよろしくお願いします」と、私もとっとと退散です。

血色のよい、お肌がツルツルのおじいさん。どうしてもドクターに質問したくて、2枚に渡って書き出したのに、マルモトさんのミスで読まれなかった。そりゃ悔しいですよね。
だから、野次られて、司会者に止められても、マイクでマルモトさんを非難、、、する???

こういった無料の市民講座では、この人は一体、何を聴いていたのだろうと思ちゃうような質問をする人って、必ずいます。私もその一人かもしれません。でも、このおじいさんのように、俺の質問を必ず読めと、他人を避難する人は初めて見ました。

おじいさんの怒りは、受付の女の子にスルーされたところから始まった。今まで、このように人にスルーされた経験が何度もあって、マルモトさんにされたらついに爆発…。
病気についての質問より、どーして人を非難するのに固執したのか。ひょっとして、参加した理由が私と同じだったとか?
きょうも氷雨が降り続き、自宅にいても寒いだけ。だったら、暖かくて快適な室内で時間をつぶしたほうがいいもんと思って出席した?
なんて、私は妄想しまくりです。

勉強しに行ったつもりが、笑いの会にでも行ったような気分です。家でじっとしているよりいいです。

マルモトさん、今頃どうしているのかなあ。今夜、眠れるのだろうか。。。

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なかのひと

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