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通級のさらなる充実に向けて

2015-11-19 22:29:24 | 特別支援

障害のある高校生に「通級指導」導入を検討

NHKニュースから
 
対人関係をうまく築けないといった障害がある子どもたちのため、通常の学級で学びながら一部は別の教室で授業を受ける「通級指導」を高校にも導入しようと、文部科学省は17日から専門家の会議を設けて検討を始めました。
「通級指導」は、読み書きが苦手だったり対人関係をうまく築けなかったりする障害のある子どもが、ふだんは通常の学級に在籍し、障害の状態に応じて一部の授業を別の教室で受けるもので、小中学校では平成5年度から導入されています。
17日の会議では文部科学省の担当者が、通級指導を受けている小中学生は昨年度8万3000人余りに上り10年でおよそ2倍に増えたことを説明し、高校でも通級指導が必要だとして導入に向けた議論を求めました。そして、国の研究指定を受けて通級指導を始めている静岡県と島根県の2つの高校の事例が紹介され、授業の体制などについて意見を交わしました。
会議の主査を務める十文字学園女子大学の岩井雄一教授は、「障害のある生徒一人一人に応じた指導ができるよう考えていきたい」と話していました。
会議では今後、教育課程の見直しや教員の配置の在り方などを検討し、今年度中に基本方針をまとめることにしています。

コミュニケーションが取れるようになりつつある

文部科学省によりますと、高校での通級指導はおよそ20校で試験的に行われています。
このうち、静岡市の県立静岡中央高校は去年から国の研究指定を受けて通級指導を始めました。ふだんは通常の学級で学んでいる生徒たちを対象に月に2回ほど、「コミュニケーションスキル講座」と名付けた特別授業を行っています。近隣のほかの高校からも参加者があり、現在およそ40人が通っています。今月15日の通級指導には5人が出席し、自分の考えを表現したりほかの生徒の意見を聞いたりしてコミュニケーションの取り方を確認する授業が行われました。授業は教員のほかに臨床心理士や支援員など5人以上で行い、生徒一人一人に目が行き届くようにしているということです。
ことし6月から通級指導を受けている男子生徒は「『ありがとう』と『ごめんね』が少しずつ言えるようになり、うれしいです。自分の気持ちをことばで表せるよう頑張りたいです」と話していました。
静岡中央高校の山西晶副校長は、「コミュニケーションが取れるようになることで、生徒が自尊心を高め、精神的にも安定すると感じています」と話しています。