八村塁

八村塁(明成)ウインターカップ2014

3連覇を目指す明成は、この夏初のインターハイ制覇を達成。エースの八村塁は、サイズのある留学生にマッチアップされたとしても、インサイドとアウトサイドのどちらでも得点できるスキルの高さとリバウンドの強さをいかんなく発揮し、初優勝の原動力になった。卒業後の進路をゴンザガ大(学業面でNCAAの基準をクリアすることがスカラシップを得られる選手として入学するため条件)に絞り、ウィンターカップに集中できる環境になった八村は、「1年生の時にいい3年生と優勝ができて、次の年も優勝できて、今年が最後の大会なので、本当に絶対勝ちたいと思っています」と、3連覇に向けて強い意欲を示す。

もちろん、八村が大黒柱であることに変わりないにしても、U17代表で世界を経験している納見悠仁、U18アジア選手権に出場経験のあるシューター三上侑希は、昨年同様に得点源として健在。また、ルースボールの強さなどハッスルプレイで存在感を見せる足立翔、インターハイ決勝で5本の3Pを決めた富樫洋介ら計算できる選手は他にもいる。さらに、「頑張りきれるだけの頑張り。あの頑張りが他の選手に勇気を与える」と佐藤久夫コーチから評価されている増子優騎が、故障でインターハイに出られなかった悔しさをモチベーションに復帰してくる点は、明成にとって精神的な部分で大きなプラス材料になるだろう。

打倒明成に候補としては、インターハイ決勝で敗れた桜丘、準決勝で敗れた帝京長岡、国体で宮城を倒した茨城代表の主力を構成した土浦日本大、3度目の正直にかける福岡大附大濠だろう。桜丘はモッチ・ラミーンと高橋理輝、帝京長岡がタヒロウ・ディアベイトと高橋陸が、インサイドで核になるビッグマン、巧みなゲームメイクをできるPGである点で共通している。得点センス抜群の杉本天昇とU17代表のセンター平岩玄を擁する土浦日本大は、桜丘や帝京長岡を倒すだけの力はある。この3チームに関しては、どこが決勝に勝ち上がってもまったく驚かない。20回の優勝歴がある能代工は、順当に勝ち上がることができれば、準々決勝で帝京長岡に挑むことになる。

牧隼利(福大大濠)

牧隼利(福大大濠)ウインターカップ2014

福岡大附大濠は昨年の決勝で先発した牧隼利、増田啓介以外にも、大型PGの中村太地ら能力の高い選手を数多くそろえる。しかし、初戦が中部大第一、3回戦で正智深谷、準々決勝で洛南と対戦する可能性が高いなど、厳しい戦いが待ち構えている。もちろん、洛南も全国屈指の強豪であり、インターハイでベスト4に進出した東山を予選倒しての出場という事実があることでも、明成にとって脅威になりうる。インターハイ初戦敗退の悔しさ福岡大附大濠が3度目の正直で打倒明成のチャンスを得るのか? それとも洛南が壁となるのか? ということは、今大会で注目したいポイントの一つになるだろう。