菊之丞の「無間の鐘」は連日大評判で公演を終え、
3月の弥生狂言は『傾城福引名古屋』の三番目となる「無間の鐘新道成寺」だ。
この狂言の所作が長歌「傾城道成寺」で、長唄の嚆矢とされている。
この曲から「長歌」は「江戸長唄」に進化していくのだ。
作曲は中村座の囃子頭、7代目杵屋喜三郎とされているが、
荒事芝居が中心の江戸は大薩摩ばかりで、
このような上方風のなよなよとした曲などなかったのだから
恐らくは菊之丞専属の歌うたいともいえる、坂田兵四郎が
自分の引き出しの中にあるいくつもの上方歌をアレンジして作ったものだろう。
全曲三下りでゆっくりとしたテンポの陰気な曲調だ。
しかしいぶし銀のような、えも言われぬ魅力があり、
長唄の嚆矢だというのにすでに完成されているのが驚きだ。
3月の弥生狂言は『傾城福引名古屋』の三番目となる「無間の鐘新道成寺」だ。
この狂言の所作が長歌「傾城道成寺」で、長唄の嚆矢とされている。
この曲から「長歌」は「江戸長唄」に進化していくのだ。
作曲は中村座の囃子頭、7代目杵屋喜三郎とされているが、
荒事芝居が中心の江戸は大薩摩ばかりで、
このような上方風のなよなよとした曲などなかったのだから
恐らくは菊之丞専属の歌うたいともいえる、坂田兵四郎が
自分の引き出しの中にあるいくつもの上方歌をアレンジして作ったものだろう。
全曲三下りでゆっくりとしたテンポの陰気な曲調だ。
しかしいぶし銀のような、えも言われぬ魅力があり、
長唄の嚆矢だというのにすでに完成されているのが驚きだ。